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武士道に倣う経営術

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※武士家の女子には、究極のマネジメント術を身につけるべく躾られていました。これを「品格」と言います。

 

「武士道」と聞くと、戦国時代の武将や、武術を連想されるでしょう。

今では、戦国武将のロールプレイングゲームや、行き着くところは「刀剣乱舞」などに、武士道の片鱗を見かけたりします。

しかし、今の時代、武士道と経営をリンクさせた経営論が書かれた書籍は、男性よりでかつ、書物に残された訓示を中心に語られているものがほとんどです。

実際、リアルに武士と言われていた人たちは、どのようなことをしていたのでしょうか。どのように、民の生活を守るべく行動を起こしていたのでしょうか。

それについては、物語の世界にしか見かけることしかできません。

 

ところが、武家の娘として武士道を代々引き継いできた女性たちがいます。

生活の中で身につけた武士道は、男も女も根本はまったく同じです。その上、代々祖母の代から言い伝えられた言葉が、彼女たちの身体に染み付いているのです。これが、現代唯一、生きた武士道とも言えるのです。

彼女たちの言葉を知ることで、堅苦しい武士道ではなく、しなやかな物腰による武士道を垣間見ることができるのではないでしょうか。

そして、これが現代に求められている経営術に大いに参考になると考えるのです。

 

目次

日本古来の武士と商人を融合させた現代の経営者

 

江戸時代の状況を整理してみます。

当時は、士農工商といった職業がありました。それぞれの役割が明確で、仕事も親から子へ引き継がれる、今で言う「事業承継」が整っていました。

映画「ひっこし大名」の一場面で、藩の財政が危うい中の引っ越し費用を捻出すべく、藩の役人(武士)が商人の家に出向いて、借入の申し入れをするシーンがあります。

今だと、県債に該当するもので、出資者が日本銀行となれば、当時の商人は銀行の役割も果たしていたと思われます。

また、藩も単なる役所だったわけではなく、家を会社組織のように捉えていました。現代のサラリーマンのように、家来は上長に忠誠を誓って藩のために尽力を尽くします。

 

※江戸時代と現代の職業人の役割

時代劇が好まれる現代において、このように当時の武士たちに現代のサラリーマンとしての自分を投影しています。

「経営術」として、メソッドが確立されている現代、商人サイドによるものが存在しています。しかし、武士のメンタリティによる「経営術」は、きちんと残されていないように思うのです。

武士道による「経営術」は、物語や根性論の域を脱していません。

 

Give&TakeのGiverだった

 

さて、武家の娘として育てられた女性たちは、どのようなことを学んでいったのでしょうか。

彼女たちの置かれた環境から、推定してみます。

 

① 旦那様の補佐

武家同士の結婚は、政略結婚が主でした。非公式に家同士の取引交渉や、家長の補佐をしていたと思われます。現代に置き換えれば、投資ファンドによる会社の買収やM&Aに匹敵する仕事だったでしょう。

② 家の保持

家には、たくさんの働き手がいました。彼らのトップとして業務の遂行や管理監督を行っていました。今でいうと、人事部、総務部、財務部などのバックオフィスの部長クラスの仕事です。

③ 跡取りの教育

次期家長となる息子に、帝王学を身に着けさせます。家庭教師の選定、修行させる環境を整えます。現代でいえば、新人教育や管理職研修に該当するものです。

④ たくさんの人達に見られている立場だからこそ自分に厳しく

男性は、家にいません。戦に行っていたり、江戸時代なら大名行列等で江戸城に出向いたりしています。その代わり、奥方が城を守っていました。旦那が単身赴任で、3食昼寝付きの現代とは違います。城でグダグダしていたら、その噂は国中に広まりますし、そこをつけ込んで他国から攻められるリスクがあるのです。そのため、武家の女性は、自分に厳しく律する必要がありました。

⑤ 国の安泰平穏を維持する

自国で、農民一揆があったら大変です。旦那衆は単身赴任で江戸に行っているので、足元が崩れることは絶対に起こしてはいけません。そのため、無用な衝突を起こさないようにします。上辺だけの相手に合わせることでは、いずれボロがでます。相手がどんな立場であっても、自分の力になってくれる人たちには、リスペクトして相手を尊重します。大切な相手が困っていたら、躊躇なく助けの手を差し伸べます。

これらのようなことを、ひとまとめに「武家の女性が持つ品格」と言われているのではないでしょうか。

そして、これらを現代に当てはまると、組織を維持発展する技術として参考になると思うのです。

 

武家の女性は、大きな恩恵を受けることはありません。

こうして見ると、彼女たちは、ひたすら家や民に尽くしています。Give&Takeで言い換えると、究極のGiverです。しかし、Giverであるからこそ、周囲が懸命に働き、外部要因からも一目を置かれる存在になっているのです。

 

経営の定義

 

男性的な武士道は、刀を振り回し、敵を倒すイメージが強いです。

しかし、武家の女性たちが引き継いでいる武士道が、本来の教えなのです。

 

こうしてみると、敵対的な経営術だけでは、とても危ういことがわかります。

内部組織をしっかり充実させることが、強い組織を築き上げることができ、継続できる組織として足元がしっかりさせることができるのです。

 

かつては、この教えは武士の家にしか伝えられていませんでした。

しかし、第二次世界大戦後、この武家の人たちが一般人として日本中に散って脈々と教えを伝えているのです。私達の身近なものとして、その教えを知ることができるようになったのです。

私達には、目に見えない大きな宝があります。そして、世界中が羨む価値観でもあるのです。

私達は、武士道を日常に落とし込むことで、他の誰にも負けない術を得ることができるようになったのです。

ゲームや時代劇だけのものにせず、ぜひ日常の経営に活かせるようにしたいものです。

 

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この記事を書いた人

個人事業主・中小企業教務効率コンサルタント。Notionアンバサダー。「一緒に未来を見る伴走者」として小さな会社や個人事業主の方をフォロー|職種を超えて参加できるバックオフィス構築|オールインワンアプリ「Notion」を使った経理ノウハウなどのオンラインセミナーを開催|ほぼ毎日更新ブログ「経理戦略会議」管理人。メルマガ50代からのひとり仕事を毎日配信。

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