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私が申告書作成をやめた訳

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※昼と夜が混ざった空が美しいように、両方いいとこ取りが一番の理想です。

 

私は、15年ほど会計事務所に勤めていました。

しかし、税務の仕事から経理メインの仕事にシフトチェンジしました。税理士になることを諦めたわけではありませんが、残された時間を考えると、自分が持っている術を効率よく発揮することを優先しようと思ったからです。

とっとこ税理士資格を取れば、それでいいのでしょうが、私はそうしませんでした。

目次

会計の仕事は2種類ある

 

会計の仕事をしていると、お金の流れがまるで水のように感じます。

企業内経理をしているとき、お金に「生きている」感覚があります。頑張って仕事をとってきて、売上を上げて、経費を使って、残った資金で運転資金として回す・・・。川のように流れており、その川幅をどんどん広げていく喜びを感じることができます。

会計事務所での作業は、顧問先が作ってきた数字の結果を精査し、税金計算するための益金損金を調整する、紙の束をトントンと揃えるような感覚を持ちます。すでにお金は固まっており、溶岩が冷え切った状態とも言えます。

専門用語的に言い換えると、財務・管理会計と税務会計でしょうか。

今を拾い上げて未来を予測する会計と、利益が固まって申告書を作成するための会計に、おおよそこの2種類に分類することができます。

 

税務だけに目が行くことのメリットとデメリット

 

会計事務所では、ひたすら税金計算をします。そして、納税額に一喜一憂する社長には、税額を少なくすることを頑張って知恵を出します。納税意識の高い社長には、ノーマルにありきたりの節税を施します。

月次訪問でやることは、この決算後に行う税金計算がスムーズに行えるよう、会計データをチェックする作業になります。社長との話は、経営相談というより、試算表を見ていただき、社長の反応や思っていることを語っていただき、それを傾聴することが多かったです。

中小企業における経理は、ひたすら入金と支払いをする作業がほとんどで、資金繰りに困れば、それも行う、といった位置づけでした。

 

しかし、このような関わりで事業が発展するかは、怪しいです。

 

安定した取引先が永続的に存在していれば、衰退することはありませんが、今のご時世です。急激な外的要因で変化を強いられるリスクは大きくなってきています。

 

納税額を気にする会計だと、その変化に気づくことはできません。

売上が減って利益が少なくなれば、税金が安くなりますといった、安易な関わりだと、下手すれば企業の存続も危うくなるのです。

変化に対応するためには、いち早く気付けることが必須となります。そのためには、税金を主軸にした会計ではなく、リアルタイムに動くお金の状況をいち早く察知できる経理フローを作る必要があるのです。

 

経理業務に創造性を

 

経理の業務フローを考えるとき、私はワンアクションで網羅できるよう、手数の断捨離を行います。

一つのリソースを、何回もあちこちの入力画面で打ち直しするのは、無駄な動きでもあり、美しくもありません。

また、社長や従業員の特性を十分に加味します。できないことをさせない、というスタンスではなく、できなかったことが徐々にできるようにして整えていくイメージです。

あと、効率化です。いらない帳票があるのか、逆に作ったほうがいい帳票があるか、精査します。どの情報を提示すれば、経営判断が正しく行われるか、吟味します。そして、少ない手数で、これらの帳票を作る工夫を凝らします。

 

私は、税金計算をするより、このような工夫する仕事をしているときが一番ワクワクすることに気づきました。限りある人生に、効率よく得意なリソースを活かしていきたいと思っています。

 

税金計算のための経理と、利益を生むための経理は、相反するスタンスですが、どちらか片方に偏るリスクは大きいです。税金計算は会計事務所に任せればいいのですが、未来を見据える経理は、人任せでは上手く機能しません。

自社の経理が最適化しているか、もう一度見直すことをおすすめします。

 

 

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この記事を書いた人

個人事業主・中小企業教務効率コンサルタント。Notionアンバサダー。「一緒に未来を見る伴走者」として小さな会社や個人事業主の方をフォロー|職種を超えて参加できるバックオフィス構築|オールインワンアプリ「Notion」を使った経理ノウハウなどのオンラインセミナーを開催|ほぼ毎日更新ブログ「経理戦略会議」管理人。メルマガ50代からのひとり仕事を毎日配信。

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