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営利+公益≠パーパス経営のわけ

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パーパス経営という言葉が、少し前流行りました。

まるで、公益と営利を足して2で割ったような表現です。

でも、経理・会計の目線で見ると、まったくもって相いれない考え方です。

営利を求める経営者が、公益事業で成功できるかどうか。

公益法人を運営する役員たちが、事業継続するための利益を作れるのか。

両方の法人をみていると、そのジレンマを両者が抱えています。

どうやら、経営者には公益脳と営利脳があって、その違いを知っていないと、うまく行かない原因に気がつかないケースが多いようです。

地元密着で、生産者を支える経営している商店。小さなパーパス経営です。

目次

なぜ、パーパス経営が流行ったのか

パーパス経営とは、会社が社会に存在する意義を明確にして、いかに社会貢献するかを定めて経営することを言います。

これは、ひとつのマーケティングでもあります。

数多くある企業から、頭一つ飛び抜けて、購買層に認めてもらうには、それ相応のインパクトが必要です。

このインパクトは、時代とともに変化してきています。

高度成長期、バブル崩壊、ゼロ金利時代など、その時代ごとに、インパクトがある宣伝広告をしてきた企業が、シェアを広げて営利活動をしてきています。

そんな中、パーパス経営という新しいマーケティングが生まれました。

これからの時代は、ホワイトな時代と言われています。

資産すべてが可視化され、グレーな処理がひとたまりなくバレる時代になってきました。

それを象徴したのが、昨今の芸能事務所問題とも言えるでしょう。

パーパス経営とは、その会社が社会にどれだけ貢献しているかを、購買層に広く知ってもらうためのものです。

どうせ、同じような製品を買うなら、社会貢献をしている会社から買おう。

そんな風潮から生まれた営業スキルでもあるわけです。

あくまで、社会のためというより、企業の営利を確保するためのものなのです。

お金の流れに対して、相反する考えが公益と営利である

パーパス経営が、公益性が高いというわけではないことは、ご理解いただけたかと思います。

このように、全く違うものですから、お金の流れ方も全然違います。

営利企業では、入ってくるお金を売上か借入金(ちょっとした雑収入)しかありません。

しかし、公益法人に入ってくるお金は、100%善意の寄付と、活動意義に賛同する会員の会費が主な収入源になります。

また、行政や企業からの請負による事業収入、そして、行政等からの補助金収入といった、法律に定められた事業による収入がほとんどです。

つまり、だまっていれば、チャリンチャリンと入ってくるしくみを持っているのが公益法人なのです。

逆に、余ったお金を受け入れる先として、公益法人を設立するケースだってあるのです。
(ちょっと語弊がある表現ですみません。相続等で設立するケースもあります)

営業と募金活動も、似ているようで全く違います。

営業は、価値を感じてもらって買ってもらうように動きますが、寄付は、善意に訴えて、気持ちを受け取る行為を指します。

買ってもらう、気持ちを受け取る。

この2つは全く持って違うお金なのです。

当然、使い方も違います。

営利企業も、公益法人も、ともに利益を残すことで、次の年の運転資金を確保していきます。

しかし、お金の使い方は、営利企業は営業活動かつ投資活動に資金を投じるのですが、公益法人は、社会に貢献するように、資金を使うのです。

この違いは、両方体験した人でないと、わかりにくいものです。

公益畑に長くいると、お金が入ってくる仕組みが崩れてくると事業継続させるための財務強化に弱く、右往左往するケースもみてきました。

逆に、営利企業が公益性を訴えて、事業を始めたとしても、所詮売れる商品を作ることに変わらないため、公益のためにお金を使うことができずにいます。

実は、この両者の弱点が、なかなか埋まらないことが、永遠の課題だったりするのです。

これからの経営に必要な考え方

さて、これからの話しをします。

公益法人の会計基準が、昔と異なり、損益計算書を作るように変わってきました。

また、大企業会計と同じ基準を守るように、様々な会計基準が盛り込まれるようになりました。

このことから、公益法人でも営利企業と同じ、利益を残して財政基盤を充実させることに注力する時代になってきています。

パーパス経営にみられるように、この公益性と営利の考えを同居させるような経営が、これから求められているのかもしれないと考えています。

しかし、基本、この営利と公益は、相反するものです。

営利も公益も、それぞれの生き方を貫くだけです。

ただし、双方が少しだけ、今まで知らなかった価値観に触れることが求められる時代になりつつあります。

なんか、うまくできないなぁと感じたら、それは、自分たちにとって新しい価値観に触れた瞬間なのかもしれません。

新しい価値を知るには、知識や情報だけでは理解できません。

お金の流れから、肌で感じるのが1番の近道だと考えています。

=編集後記=

【昨日のできごと】

今回から引き継いだ法人税確定申告書。一から必要なところに数字を埋め込む作業を開始。
思いの外、大変。でも、来年への業務効率化のアイディアが生まれてきます。

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この記事を書いた人

個人事業主・中小企業教務効率コンサルタント。Notionアンバサダー。「一緒に未来を見る伴走者」として小さな会社や個人事業主の方をフォロー|職種を超えて参加できるバックオフィス構築|オールインワンアプリ「Notion」を使った経理ノウハウなどのオンラインセミナーを開催|ほぼ毎日更新ブログ「経理戦略会議」管理人。メルマガ50代からのひとり仕事を毎日配信。

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