※受傷から178日目。ヤマハ銀座店にて バッハ平均律プレリュードハ長調を弾く
交通事故により、橈骨遠位骨折と、尺骨脱臼を受傷した私は、1年近く回復に時間がかかりました。
詳しい闘病記についてはこちら→橈骨遠位骨折リハビリの記録・治療編
これだけの手術で、脱臼の治療のため、2ヶ月ほどシーネで固定していたのもあり、右手がほとんど使えなくなっていました。
懸命のリハビリで、今ではほとんど使えるようになり、日常生活には問題なく過ごせるようになりました。
ピアノを高校生まで本格的に弾いていた私は、これを機に、一時離れていたピアノをリハビリの一環として、向き合うようになりました。
しかし、ピアノを弾いていると、下腕の筋力がまだもどらず、オクターブもやっとできるようになった状態で、完璧な弾きこなしができるには、まだまだ、時間がかかるようです。
回復し始めた頃の記憶が曖昧になる前に、リハビリの過程で面白い気付きがあったので、それをまとめておこうと思います。
握力が落ちてできなくなったこと
手の踝、第一関節、第二関節、すべての指が固まっていました。
手首の内回もできず、文字を書くこともままになりませんでした。
もちろん、以前愛用していたジェットストリーム4in1(4色+シャープペン)を握ることもできず、弱い筆圧でも書けるように、軸の細い万年筆を使用するようになりました。
参考ブログ→筆記用具の沼
また、手首への荷重が100%できるようになったのも、受傷してから、3ヶ月半過ぎたころでした。このころには、しっかりと文字を書けるようになってきました。
リハビリでは、百均で購入した負荷5キロのハンドクリップや、少し大きめのソフトビニールボールを転がすなど、していました。
もっと、腕に筋力をつけたくて、負荷の軽い、膝つき腕立て伏せをしていました。
しかし、手首を動かしただけでも痛くなるだけで、握力が思ったほど、回復しなかったのです。
どうして、なのか。色々Googleで調べてみました。
握力アップに、スクワットが有効だった
そうしたら、とある地方自治体の健康福祉プラザの新聞がヒットしました。
「握力で筋力の衰えチェック!!」
内容は、握力は身体の他の筋力と相関関係が高く、全身の筋力の程度を知る指標となる、ということでした。
本当かどうか、エビデンスを確認します。
加齢によって生じる骨格筋量の低下(サルコペニア)の判断基準として、握力が用いられていることを確認しました。
「サルコペニア診療ガイド2018年10月06日発行」より引用
ということは、スクワットして、下肢の筋肉に刺激を与えれば、握力が戻るのでは、と考えたのです。
そして、毎朝、なんちゃってバーピージャンプ(しゃがんで、手を床につけてから、ジャンプ)を10回だけ取り入れてみたのです。
(正しいバーピージャンプだと、まだ右手首が痛くて耐えられませんでした。)
そうしたら、メキメキと右手が動くようになっていったのです。
健全な左手が弾けなくなった
しかし、ピアノを弾くにあたり、一つの問題にぶち当たりました。
指が固くて広がらない、とか、
関節が固くて、トリル(ポロポロと二本の指を早く弾いて装飾音にする技法)が弾けない、とか、
それらは、想定することができたのですが、
想定外に
「左手が動かない」ことがわかったのです。
バッハ平均律プレリュードハ長調。かの有名なグノーがメロディをつけて
「アベマリア」に仕立て上げている、あの曲。
簡単なこの曲を弾くだけで、精一杯だったときは、全然気が付かなかったのですが、
怪我の前までは、弾けていた曲が軒並み、左手だけ弾けなくなっていたのです。
いや、弾けるけど、鍵盤の位置感覚が、頭の中から消去されたような感覚でした。
やっと、右手が回復して、物理的に指が固くて弾きにくいのはあるのですが、
一切問題のない左手の感覚がなくなっていることに、ショックを隠すことができなかったのです。
左手だけ弾くと、問題なく弾けるのに、
両手一緒に弾くと、左手の鍵盤位置がわからなくなっていることに、なんとも不思議な気持ちになって、今に至ります。
この、右手の怪我により、左手のピアノの鍵盤位置感覚が抜ける理屈、
Googleや、J-GLOBALで調べたのですが、所詮素人。
ヒットせず、私は原因を知ることができませんでした。
どなたか、教えていただけたら、とおもうのですが。