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人の話の聞き方を極める とある作業療法士の仕事術

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「鈴木さん、ラポールという用語があるんですよ」

とある作業療法士さんに教えていただきました。

「ラポール」

これは、困っている人にアドバイスをするとき、まずは信頼と共感を得ることを言っています。

このリハビリテーションの仕事は、日常生活に支障きたすほど、怪我による機能低下に見舞われた患者さんに、自信を取り戻すまでのサポートをします。

これは、困っているお客様に、どうアプローチしたらいいのか、とても参考になると思っています。

親子の関係も同じ。「ラポール」

目次

なぜ信頼と共感が必要なの?

このリハビリテーション。

私の場合、本当に辛いものでした。

まるでバナナの房にように浮腫んだ手指。パンパンに腫れ上がった手首。激痛で動けない腕。そして、中にあるプレートやピンからくる痛み。

この状態から、ペンを持って文字が書けるようになるまでの半年間。

ずっとリハビリテーションを担当していただいた作業療法士の方の仕事振りは、手技をしながら、ひらすら私の話を聴くことでした。

おかげで、ガジェットで工夫するまで、私に自信を取り戻していただいたのも、このリハビリテーションだったのです。

橈骨遠位骨折リハビリの記録〜ガジェット編〜

 

人の相談にのるとき、一番気をつけることは、2つあると考えています。

ひとつは、自分の勝手な先入観を一切持たないということ。

相談されている方の話から、自分の経験値で勝手な想像をしてはいけないというものです。

小説を読んでいる時、よく自分の解釈や感想を元に、登場人物の心情を分析することがあります。

実は、人から相談を受ける時、大抵の人は、自分の経験値から話の内容を判断してしまっています。

でも、その判断は、あくまで相手の環境に自分がいたとしたら……。

の話に過ぎないのです。決して、相手の困ったに共感しているとは言えません。

 

そして、もうひとつは、相手の心の動きに合わせること。

単なるオウムがえしではなく、話を聴く側も、自分なりの心の動きを相手と同じようにするということです。

相談される方が嬉しさを感じたら、こちらも素直に自分の言葉で喜びます。

そして、悔しさを感じているようなら、こちらも悔しい気持ちをしっかりと体験します。

クライアントとセラピストの関係は、単なる鏡です。

鏡のようにダイレクトにクライアントを写すのではなく、セラピストのフィルターを通して、同じ感情を映し出しておくというものなのです。

話を聴く側が、相談される方に対して

「先入観を持たない」「感情の動きを合わせる」を行えば、自然と信頼と共感に発展していくのです。

これができるようになるには、ある程度場数を踏む必要があります。

いきなり、完璧にできないので、お客様と向き合うたびに、相手のお客様の言葉を丁寧に拾い上げるようにしていくしかないと思っています。

 

こうして、双方で築き上げた信頼と共感は、相談される方の心に新しい情報を入れられるよう、場所を広げてくれる効果があります。

安心していただくことから、相談が始まっているのです。

正しい情報と伝え方

こうして、新しいものを受け入れる準備ができたところで、ここでやっと伝えたいものをお伝えする段階に入ります。

営業で言えば、クロージングとも言えるでしょう。

でも、リハビリテーションにおいては、ここで辛くて痛いトレーニングが始まります。

怪我の回復度合いを見ながら、少しずつ負荷をかけていくのですが、機能回復では、痛みを伴わないと改善しないため、心に負担をかけないよう、慎重に進めていきます。

患者は、ここで踏ん張っていくわけです。

ゆえに、間違えた方法や心を閉ざすような伝え方は、避けるのが一般的です。

 

相談を受ける時、こちらは、持っている様々な事例の中から、似たようなものを引き出してきます。

そして、目の前にいるお客様の場合、どうアレンジすればいいか、決めていくのです。

限られた時間と環境で、求められる成果を上げるためには、信頼と共感を得ることに時間をかけます。

そして、自分の持っている情報の中から、相談される方にマッチしたものをセレクトして、提案するのです。

 

ラポールだけでは、人の相談に答えることはできません。

カウンセリングであれば、答えは相談してきた方の中にあるので、そこから引き出すことになります。

しかし、技術や知識を提供する場合、答えは、相談者の方と、技術提供する側の両方にあるのです。

教えたり、難しい話をするだけが、相談ではありません。

両者が知っている答えの着地点を、探る。

これが、対お客様と話すときの、答えの出し方になるのです。

 

そのためには、相談を受ける側の知識と経験値がものを言います。

そして、お客様になる方も、自分が求めている答えを知っている人に、相談しようとします。

ここで、ミスマッチが起きないように。

相談を受ける側は、自分のバックボーンや持っている知識について、発信するのは、このためです。

甘やかしや同情、営業ラポールにならないために

実は、このラポール。

本当の意味を理解するまで時間がかかります。

話を聞いただけで、ラポールを試そうとすると、ほぼ、単なる同情になってしまいます。

相槌、オウム返し。

下手したら、相手にウソと見破られます。

どうやったら、本当の信頼と共感を得られるようになるのでしょう。

それは、徹底してお客様の鏡に徹することと、自分が持てる知識と技術を惜しげもなく提供することです。

 

お世話になった作業療法士の方。

しっかりと共感した上で、主治医の先生とのすり合わせも行っていました。

仕事の仕方は、千差万別です。技術が高い場合もあるし、共感能力が高いこともあります。

自分に合ったやり方で、自分が勉強や体験をしてきたことを提供していくのですが、そのときの方法は、ラポールによって双方で出し合った答えの中にあるのです。

ただの共感を得て、お客様と仲良しになるつもりであれば、それは、ラポールではありません。

私の場合、このラポールと経理の経験から得られる情報によって、お客様へより為になる知識と技術を提供できるよう、励んでいます。

=編集後記=

【昨日のできごと】

今回から引き継いだ法人税確定申告書。一から必要なところに数字を埋め込む作業を開始。
思いの外、大変。でも、来年への業務効率化のアイディアが生まれてきます。

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この記事を書いた人

個人事業主・中小企業教務効率コンサルタント。Notionアンバサダー。「一緒に未来を見る伴走者」として小さな会社や個人事業主の方をフォロー|職種を超えて参加できるバックオフィス構築|オールインワンアプリ「Notion」を使った経理ノウハウなどのオンラインセミナーを開催|ほぼ毎日更新ブログ「経理戦略会議」管理人。メルマガ50代からのひとり仕事を毎日配信。

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