2022年、サッカーワールドカップ。
初戦ドイツに勝った日本に、みんなが歓喜に湧いた中、ふっと我が子が生まれた頃を思い出しました。
あの悲劇から、日本サッカー協会が地道に積み上げてきたこと。
それは、「失敗からのネタ拾い」と「子供時代の大切さ」です。
ドーハの悲劇〜日韓ワールドカップ〜未来へ
ドーハの悲劇のあと、次のワールドカップの年に、我が次男が生まれました。
通常、出産から退院までの間、産婦は新生児室に3時間おきに来て、我が子に授乳します。
いつもなら、粛々と母たちは真面目に世話をしに、新生児室にいきます。
しかし、1997ワールドカップ対カザフスタンの試合中継の間、だれも新生児室に行きませんでした。
試合後一気にママたちが興奮状態で、我が子の世話をしにやってくる、ちょっとしたカオスな状態だったのを覚えています。
「ママたちはいいわねぇ。部屋のテレビで観戦できて」と看護師にぼやかれたのは忘れられません。
そんな子が5歳になったとき、日韓ワールドカップが始まりました。
そして、その翌年、日本サッカー協会が新たにアンダー6のカテゴリーを作り、指導マニュアルを作り上げました。
「あの日韓ワールドカップの決勝フィールドでやることに、意味がある」として、アンダー6の子どもたちが一堂に集まって、試合をするイベントに参加したのも覚えています。
このアンダー6の指導で肝になっているのが、「勝ち負けではなく、ボールと戯れることを大切に」だったように記憶しています。
当時のスポーツ少年団が、勝負にこだわるばかりで、スポーツの楽しさを伝えられていないことに危惧していた時期でもあります。
子どもは小さな大人ではありません。
- 子どもの年齢によって、異なる特性をふまえること
- 子どもを取り巻く環境が、自由に遊べることが難しくしている
- 早期教育の弊害
など、問題提起し、その解決策として、キッズプログラムを。そして正しいエリートプログラムを提示したのです。
そして、この方針によって育ってきた子どもたちが、今のワールドカップ代表選手なのです。
ただ、つけ刃的に対策してきたわけではありません。脈々と、正しく裾野を広げて、山の高さを高くすることに、丁寧に育成してきたのです。
辛い失敗は、タスクの宝庫
まだ、ワールドカップが続いているので、このあと日本がどこまで勝ち進めるか、まったくもってわかりません。
ただ、試合をみて思ったのは、当時の選手より、動きが洗練されている点です。
選手の所属チームをみると、ほとんど海外です。たくさんの経験値を積める環境をてに入れられるようになったことを示しています。
では、どうやって海外で活躍できる選手が増えてきたのでしょうか。
失敗から糧を得て、本当に強いサッカーを積み上げてきた結果だと思います。
日本のガラパゴスとしていられない、世界に通用する人材を育てるには、どうしたらいいのか。海外のケースも研究し、子どもたちを取り巻く問題にも目を向けるなど。
地道に、海外に通用する人材を育ててきた結果でしょう。
失敗を、糧にするとは、今まで良しとしてきた常識を見直すことです。
具体的に、どのようなことをされてきたのかは、知りません。
ただ、ドーハの悲劇から、糧を得て今に至っていることは、素人の私でも感じるものがあります。
これは、私たちの人生において、大いに参考になるはずです。
失敗したこと、辛かったこと。これらは、なるべくして起きたことです。
そこから、立ち直って、失敗から次に繋げるネタをいかに拾い上げるかが、未来の成功に繋がっているのです。
目の前の結果は、長き努力の賜物
失敗からの成功には、時間が必要です。
短期ですぐに結果をだすのではなく、10年後を想定した目標に向けて、地道にできることを重ねるのです。
もし、私たちの周囲で、上手く行っている人、成功している人、成果を上げている人がいたら、今に至るまでの努力の賜物であることを知るべきです。
ちょっとやってみて、上手く行かないから辞める。
初めて見たけど、慣れず、諦める。
これは、普通の人の場合です。
失敗したときに、未来を思い描き、それに向かって地道に続ける。
もう、これしか正解がないのではないでしょうか。
そんなことを思いながら、日本代表に「おめでとう。切り替えて次に行こう」と、心のなかで、声をかけた次第です。
=編集後記=
【昨日のできごと】
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