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領収書の束にはその人の物語がある 事業の領収書、プロの見方

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アメリカアカデミー賞を複数受賞したとのことで、娘に誘われて映画を観てきました。

とにかく、「寿司」「天ぷら」「洋食」「イタリアン」「和食」「中華」など、あらゆるの料理を、お重に詰めるだけ詰め込んで、観終わったあとはお腹いっぱいで大満足という、そんな映画でした。

その冒頭で、とある国税庁の調査官が、主人公に言い放った言葉が今でも心に残っています。

「領収書には、その会社の物語が紡がれています」

それって、どんな意味だったのでしょうか。

おもしろかったものは、まずはTwitterに。

目次

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

どうやら、私の近辺の専門家の方も数名観にいかれているようです、この映画。

物語は、中国系アメリカ人の確定申告から始まります。

全くもって、家庭に心を砕けない、コインランドリーのオーナーである女性。家族は、心もとない夫、恋愛対象が女性である娘、そして、だいぶ老いたオーナーの父親の4名。

まったくもって、集中できないなか、家族の問題をスルーさせながら、確定申告の準備で食卓には大量の領収書の山と格闘しています。

そして、いざ、申告しに税務署に向かいますが、提出時に、すでに税務調査並のチェックが、調査官から入ります。
(このあたりのシステムは、日本とアメリカは違う?)

この時、夫から別の世界線とトリップする端末をセッティングされるオーナー女性。調査官との対面やりとりで、心ここにあらず状態の中で、一枚の領収書を経費として認めないと言われます。

そこから、摩訶不思議な設定で、冒険活劇が始まるのです。

税務署内で、領収書や申告書の紙を撒き散らしながら、カンフーアクションがされる様は、なんとも痛快です。

これ以上はネタバレとなるので、控えますが、最後には、領収書をキレイにまとめ上げることができ、それとともに家族が抱えてきたわだかまりが解消されたところで、物語が終わります。

この映画から感じ取れるものは、人によって全く違ってくるでしょう。

娘は、演出のこだわりに感動していたようですが、私は、元会計事務所職員として、一つ担当していた会社様の問題解決に翻弄し、安堵の中の疲労感に浸る感覚を思い出すという、マニアックな感想を持ちました。

領収書の束に物語がある

会計事務所職員は、所詮、サラリーマンの雇われ労働者です。

税務調査に立ち向かう会社経営者の方、個人事業主の方の心理的圧迫は、理解していたつもりでしたが、この追い込まれ方だと、私の認識は甘かったことに気づきました。

人は追い込まれると、何をやらかすかわかりません。

映画でも、その追い込まれて変わったことをするシーンに、誰もが共感するのではないかと思うのです。

では、しれっと混ぜておいた領収書から、「これは経費に認められません」とピックアップする時、会計の専門家たちはどのような思いを抱くのでしょうか。

あくまでも、調査は、売上内容を元に、経費をチェックしていきます。

この映画を例にすると、コインランドリーを主な生業としているので、洗濯機関連の修繕費は、経費となります。しかし、売上には、全くもって関係のない「調理道具」など含まれていたら、これは、完全に生活に関わる領収書とみなし、経費から除いていくのです。

しかし、売上の中に、オーナーが作っているお弁当代金が計上されていれば、その「調理道具」は経費になります。

こうやって、売上内容から、一般常識的にありえない領収書は、どんどん除いていくのです。

 

でも、そこで経費性のない領収書からは、その人の人生の物語が垣間見れます。

「ああ、ここのお宅は、〇〇が好きなんだな」

「よくもまあ、同じスナックに通っているな」

「百均のレシートには、なぜかコンサート団扇。この日の旅費は、〇〇の福岡ヤフードームでコンサートしているから、〇〇推しなんだな」

などなど、経費性に欠ける領収書は目立つため、ここまで情報収集できてしまうのです。

経費だけの領収書の束を見れば、仕事がうまくいっている証拠です。

仕事に専念していることがわかります。

しかし、経費に認められない領収書をシレッと入れる場合、仕事がうまく行っていないのばバレバレです。ストレス解消にお金がキャシュアウトしているので、心の乱れも、そこから伺い知れるのです。

たがが領収書、されど領収書。

相当な数の領収書を見てきた専門家は、一枚のレシートを持った瞬間に、このひとがどんな人なのかわかります。

この映画の冒頭で、税務署の調査官が言ったセリフ

「領収書は、その人の物語です」は、本当です。

経理=人生を整える

経理のやり直しを言い渡された主人公は、家に帰って申告書を作り直すのですが、その過程で、別の世界線で、家族の問題に直面してバトルを繰り広げます。

そして、家族それぞれが抱いていた問題が顕になり、それに立ち向かうのです。

そして、お互いの思いが整理されたとき、なぜか申告のやり直し作業が終わって、きれいにまとめ上げた領収書を見て、税務署の調査官から「問題なし」と言い渡されるのです。

私は、「経理は自分を整えるツールだ」と言ってきています。

まさに、それを映画にしたのが、今回観た「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」でした。

専門家によっては、あまりにも夢物語すぎて、専門性が全くもって見当たらない、この映画には賛否両論の意見があったかもしれません。

しかし、納税者側から見たら、税務署の存在や、経理がうまくいかず、翻弄される様は、他人事に見えなかったはずです。

何がなんでも、経理を整えることで、自然と人生も整う。

この方程式は、全世界共通のものだと確信しました。

日本の確定申告が終わった今、これからの人生をよりよいものにするため、経理をきちんと整えて参りましょう。

経理の基本は「白色申告の帳簿つけ」から

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=編集後記=

【昨日のできごと】

今回から引き継いだ法人税確定申告書。一から必要なところに数字を埋め込む作業を開始。
思いの外、大変。でも、来年への業務効率化のアイディアが生まれてきます。

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この記事を書いた人

個人事業主・中小企業教務効率コンサルタント。Notionアンバサダー。「一緒に未来を見る伴走者」として小さな会社や個人事業主の方をフォロー|職種を超えて参加できるバックオフィス構築|オールインワンアプリ「Notion」を使った経理ノウハウなどのオンラインセミナーを開催|ほぼ毎日更新ブログ「経理戦略会議」管理人。メルマガ50代からのひとり仕事を毎日配信。

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