個人事業主の方は、ぜひとも自分で経理を。
会計ソフトを扱いながら、マニュアルどおりに処理していくのもいいですが、
どうもソフトの中がブラックボックス化して、どのような仕組みで決算書ができあがるのか、イマイチわからないものです。
ここで、基本に立ち戻って「白色申告の収支内訳書」を読み解いてみてはいかがでしょう。
所得とは、なにか。この基本的なものを理解するのに、ちょうどいいのです。
手持ち資金管理と、損益管理は似て非なるもの
いろんな方の帳簿を見る機会がありました。
よく見るのが、経費と生活費と、社会保険料、そして納税をまとめて、「支出」にカウントしている点です。
確かに、手元にあるお財布からでていくものなので、キャッシュアウトとしては、同じ「支出」になります。
でも、事業の利益を計算する上で、この「保険料」「納税」「生活費」は、帳簿に混ぜてはいけないのです。
預かった手書きの帳簿を、まずは会計ソフトに入力する仕事の場合、この経費にしてはいけないものを、わざわざ除いていました。
そして、あえて、その事実を説明することもありませんでした。
理由は理解できたからです。
手元の資金がいくら残っているのか、把握することも大切だからです。
でも、このお金の収支と、事業としての損益は、似て非なるものです。
売上ー経費=所得とは
売上ー経費=所得
これは、誰もが知っている計算式ですが、この「経費」の意味を、よく知らないケースがあるようです。
財布から払ったものが、「経費」ではなく、売上を作るためにかかったものが「経費」なのです。
そして、売上があろうがなかろうが、支払わなければならないのが、「社会保険料」や「所得税や市民税」になります。
ゆえに、この社会保険や税金は、経費にならないのです。
キャッシュアウトの中身 | 売上金に直接関係あり | 所得控除 |
経費 | ◯ | ✕ |
社会保険・所得税など | ✕ | ◯ |
そして、帳簿の記載できるのは、この「経費」だけに限られます。
正直、実生活にピンとこない考え方でもあります。でも、税金の根拠は、あくまで売上から経費を引いた金額を元に、計算されるのです。
社会保険や税金は固定費ではない
そして、個人事業主の事業が上手く行くために、分析すべき数字は、この所得と経費と売上の関係で生まれてきたものに限られます。
数年間、できれば3期〜5期ほどの、売上金、原価率(仕入など)、粗利(売上ー原価)、固定費(売上なくても、事業を続けるために必要な経費)の変化を分析することです。
そして、社会保険や所得税や市民税などの支払いは、手元に残った利益から払う、最後の支払いととらえるようにします。
なぜなら、これらは、売上を上げるための努力や工夫に一切関係ない支払いだからです。
ゆえに、確定申告のときに、残った所得から最後に控除する「社会保険控除」「生命保険料控除」という扱いになっているのです。
年明けて、社会保険料控除証明書(国民年金)、健康保険料控除証明書が役所から送られてくるのは、この「所得控除」であるゆえなのです。
帳簿でつけず、この控除証明書で、確定申告
もちろん、所得税は経費になりません。
この考え方に慣れることで、経営分析ができる第一歩だと思っていただければ。
消費税については、また、別の考え方になります。
ある意味、経費の意味合いもある、どうもわかりにくいものです。
仕事がうまく行っているかどうか判定する「経営分析」のための損益。
財布からお金がでていくものを把握する「キャッシュフロー」のための帳簿。
これは、まったく別物です。
そして、この基本的な経費の捉え方を知るのに、白色申告で使われる「収支内訳書」になります。
- 売上
- 経費
- 減価償却費
- 経費の支払いとともに発生した源泉所得税の内訳
- 届け出のとおりに、専従者給与が支払っているか
- 地代家賃の内訳
- 借入金の利息の内訳
正直、お国のために集計されているものもあります。
今後の青色申告や、複式簿記、消費税、そして法人になって、企業会計の考え方と、発展していく際、基礎として根付くのが、この収支内訳書になるのです。
この帳簿の基本を押さえたしくみを、Notionで作成しました。
日々の帳簿で、どのような情報を盛り込んでおけばいいのか。
また、帳簿に入れてはいけないものは何なのか、
体験できるようになっています。よろしければ、ぜひ。
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=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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