先日、地元の施設で育った一匹のコウノトリが巣立ちました。
放鳥は2022年8月3日に行われましたが、実際に巣立ったのが翌々日の5日の夕方でした。
3日かけての放鳥は、個体差や天候にも影響があったようです。
いずれは、巣立つもの。成長を信じてひたすら待つ姿勢は、人育てにも大いに参考になりそうです。
環境づくりはしっかりと
放鳥が行われる当日(8月3日)、実際に見学に行きました。
この日は猛暑がひどく、早々に家に戻り、YouTubeライブで見守りながら過ごしました。
それでも、巣立とうとしないことから、一旦は施設の天井の網を閉じて夜を越し、翌日再度、放鳥できるよう網を開放し、また翌日の夕方にやっと、巣立っていきました。
ここの施設は、絶滅危惧種であるコウノトリの保護と繁殖を行なっている千葉県の施設です。
一組の夫婦がおり、数年に一回ほど子育てをしている、ある種子育てのベテランです。
今回放鳥されたのは、よその動物園で生まれた卵を託されて育ててきました。
よその親鳥が孵化させられなかった卵を、無事にヒナを誕生させたプロフェショナルです。
飼育している職員も、知識が豊富であるのはもちろん。育てたコウノトリを野生に戻す事を目的にしているので、個体の成長をギリギリまで見極めて、放鳥するタイミングを直前に公表しています。
卵から孵化させ、幼鳥から成鳥にするまでは、しっかりとした環境で飼育しつつ、餌の取り方や飛ぶ練習をして、放鳥まで段階を踏んで育てています。
人を育てるにも、全く同じです。
生命を維持させるのではなく、巣立った後の生活ができるよう準備をするまでを含めた環境を提供することが、一番大切にしなければならないのです。
必ず巣立つ事を信じ抜く忍耐
普段暮らしていた広大なゲージの天井を開放し、ひたすら巣立つまで待ち続ける事を「ソフトリリース」と言うそうです。
放鳥の日程は、人間が勝手に決めているわけなので、鳥自身が自ら巣立つかどうかは、わかりません。
実際に、放鳥までの様子を見ていると、親鳥が一切構っていない様子にびっくりしました。
どうも、四足歩行動物の親子をイメージしてしまい、なぜ子供を追い出そうとしないのだろうと、疑問を持つほどでした。
それにしても、親たちの「我関せず」「いてもいなくても、どっちでもええよ」的スタンスには、脱帽です。
巣立つ本人も、外部的要因で圧迫を受けて外に逃げ出すこともなく、自分に一番適したタイミングを知っているかのようでした。
確かに、あの猛暑の中、巣立つのは命の危険すら感じます。
いつ、飛び立てばいいのかを、自分自身で考え抜く時間を、しっかり与えている事に、一つの感動すら覚えるのです。
果たして、自分達も、ここまで子供たちの成長を信じることができただろうかと。
そういえば、高校時代の恩師もおっしゃっていました。
「教育とは、忍耐です。」
気の短さで、巣立とうとする子供に、圧を与えていないだろうか。
振り返る必要がありそうです。
巣立った後の居場所にこだわらない
コウノドリのテリトリーは、非常に広いです。
千葉県のこの施設から飛び立ったものは、京都で目撃されたりします。
また、この「ヤマトくん」は、古巣付近からそれほど遠くないエリアを彷徨いており、
施設横の小屋に、巣を作ったりしています。
※平成29年に放鳥された「ヤマトくん」
自然に帰ったコウノトリは、もう人間が介入できる存在ではなくなります。
これは、人を育てる極意に通じるものがあると思うのです。
教育の基本は、次のように考えています。
① 手取り足取り、必要なことを伝えるは、幼鳥の頃だけ。環境を作り、自信をつけていくこと。
② 育てることの最終目的は、自分で独り立ちすることであり、施すことではない。
③ 最終段階の巣立ちは、本人にタイミングを任せ切る。忍耐で待つ。
この3点です。
人間の場合は、社会の仕組みが複雑なので、困ったときに頼れる存在を作ることも大切ですが、基本は依存させることは、もはや教育ではないでしょう。
お客様に対しても同じだと考えています。
講師である私に依存させるのでなく、自分で行動できるまでをフォローすることが、私ができるサービスだと思っています。
サービスを通じて、お客さまが自信持って前を向けるようサポートするまでが、私の仕事です。
コウノトリにとって、子育てしやすい環境を人間が作ったように、私も環境づくりに勤しんで参る所存です。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
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ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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