ひとり仕事に関わらず、経理につきものといえば、「仕訳入力」です。
私は、電卓機やテンキー入力のスピードを上げるべく、ブラインドタッチで、短時間で入力する方法を編み出してきました。
しかし、今の時代は、それはそぐわないものです。
理由は一つ。テンキー早打ちができる人が経理をせず、誰もが経理をする時代になったからです。
これからの経理のあるべき姿を、考えてみました。
仕訳乱れ打ちの終焉
会計事務所勤務時代では、記帳代行を請け負っていたので、
領収書を始めとした「原資資料」をお預かりして、ひたすら会計ソフトに打ち込むことをしていました。
もともと、経理時代でも請求書チェックで電卓の乱れ打ちもやっていたこともあり、
ブラインドタッチ、かつコードも暗記して、スピード挙げて入力することが多かったのです。
「えいやっで入れちゃって」「乱れ打ちでいいから急いで」
よく、そんなオーダーが来たものです。
だからこそ、言えます。
仕訳入力は、極力避けるべきです。
入力スピードを上げるかわりに、やるべきことは「簿記の基礎知識」を知っておくことです。
経理=経営管理でもあるので、貸借対照表や損益計算書を読み取る力が大切です。
今の時代は、会計ソフトの性能がアップし、APIによる他ソフトとの連携もスムーズになりました。
また、税制改正により、紙保存の義務から、電子保存を中心に移行していることから、
ご丁寧に、領収書を見ながら仕訳入力をする必要がなくなっています。
メールに送られた領収書のNotion保存から、会計ソフトへのインポートへ
現在、私は、ほとんどの経費を、Amazonを始めとした通販や、ソフトの利用料のサブスクリプションを占めています。
それ意外だと、次のような構成になっております。
・カフェでの仕事:
PayPayによる支払い+紙のレシート→スキャナ保存による仕訳入力
・事業用カードでネット決済:
カード決済+メールによる電子領収書→Notionに保存
うち、プライベートカードで購入したものは、Notionからcsvファイルを出力し、会計ソフトにインポートする。
・旅費交通費(タクシーアプリGo):
カード決済+メールによる電子領収書→Notionに保存→csvファイル出力して会計ソフトへインポート
電子取引保存、とりあえず手持ちのソフトでやってみる NotionとiPad mini6
・旅費交通費(Suica):
Excelに集計→csvファイル変換後会計ソフトへインポート
・ガソリン代や店舗で購入したとき:
紙のレシートをカード明細に添付して保存
カード内訳は、APIで会計ソフトと連携しているので、無理にスキャナ保存をせず、原資のまま保存しています。
メールで送られた請求書や領収書は、すべてNotionに集約し、電子取引保存の要件を満たすと同時に、会計ソフトへのインポート用ファイルの元データとして流用します。
これで、いちいち仕訳入力をする必要がほとんどなくなりました。
今、乱れ打ちしているのは、主に、ブログ執筆など、文字を打ち込むくらいです。
これも、いずれは、音声入力に取って代わるときがくるかもしれません。
Notionから会計ソフト(マネーフォワード)へインポート実演を、YouTubeで公開しました。
作業のイメージをつかめるかと思います。
チェックも自分でできます。
私が、頑張っていた仕訳の手入力と違い、今では随分と楽な方法が取れるようになっています。
では、本当に経理が楽になったと断言できるのでしょうか。
私は、その逆だと考えています。
仕訳の手入力の良さは、入力時の違和感で、間違いを発覚することができた点です。
今のようなインポート一つで仕訳入力できてしまうと、間違いに気付くチャンスが失われているのです。
会計事務所では、入力後のチェックは、試算表から行っています。つまり、表になった段階で間違いを見つけていくのです。
これは、簿記の知識、試算表の仕組みを理解していないとできないことです。
「楽になったから、仕事が減った」のではなく、
「楽になったから、できることが増えた」ととらえていただけるとうれしいです。