小さなカーブだけど、連なることで、強くなります。
強度を計算すれば、当たり前の答えですが、それを目の当たりにしてみると、人の強度も、もしかしたら計算できるのかもしれないと思っちゃいました。
知らなかったけど珍しいらしい、地元のアーチ橋
手賀大橋は、私がセーリングするときによく拝んでいる橋です。
この橋の存在で風がコロコロと変わる要因で、出艇、着艇の難易度が上がるので、正直なところ、ヨット乗りにとっては力が試される厳しい場所でもあります。
私は、この地に住むようになってから、30年すぎております。
その間に、旧手賀大橋から新手賀大橋に変わる過渡期を知っているので、少しだけ、この橋にまつわる話をしましょう。
水難事故が多い場所だった
この土地の歴史を調べると、昔、大きな水難事故があった記録があります。
当時は橋ではなく、渡し船のようなもので、人の往来を支えていました。
昭和19年に起こった、学校の研修で集まった先生方50人近い人が定員を遥かに超えた乗船で、多く殉職してしまった事件が今でも語り継がれています。
水深は深くないし、そんなに幅も広いわけではないのですが、冬は圧倒的に水温が下がり、穏やかだと思ったら、急に風が入れ替わって風力が強まったり、とにかく難しい場所です。
そこで、昭和39年に、最初の大橋が竣工されました。
別のところで使われていた橋の資材を利用したため、材料不足となり、岸から相当な距離を埋め立てて、橋の距離を稼いだ設計になっていました。
私が覚えている旧大橋の限界
当時の写真が見つからなかったので、柏市公式ページから借用させていただきました。
おわかりでしょうか。できたばかりの新手賀大橋の手前に、茶色の橋が水面スレスレのところに架かっているのを。
これが、旧手賀大橋です。
片方ずつ開通させながら、新旧の橋を利用していた貴重な時期の写真です。
橋の部分は、黄色の線で囲った、たったこれだけ。あとは、両岸から盛土でつくった道路がきて、車は、水の上を走るような形で、沼を渡っていたのです。
この盛土が、沼の水質を悪くした原因の一つにもなって、また、周辺の人口増加により、交通量が増えたため、始終交通渋滞を起こしていた状態でもありました。
記憶にあるのは、一度、この橋を渡って国道6号から国道16号にいくのに、1時間以上かかっていたこと。
いまでは、たったの15分あれば、スイスイ行けます。
橋の下から見上げると
こうやって、いろんな問題をクリアしながらできた橋は、土木の世界では、とても有名になっているようです。
こうやって、アーチが連続している橋は、どこでも作れるものではないようです。
とくに、この橋マニアにとって、したから構造を見るのは、とても貴重です。
こうしてみると、橋は、大きな構造と、小さな構造のかけ合わせで、強度を保っていることがよくわかります。
仕事で必要な心の強さはどのくらいか
人は、鋼鉄ではないので、弱くなる時期があったりします。
でも、強くいられる形をつくっておけば、多少弱っても大丈夫だと気づきます。
そして、自分がどんなタイプなのかを知ることで、どんな構造が適しているのかわかります。
圧倒的な技術や能力、カリスマ性、影響力など、強いものをもっていれば、吊橋や斜張橋のような、雄大な橋が向いているのかもしれません。
しかし、小さく小回りの効く控えめなタイプなら、桁橋やトラスといった構造が、適しているかもしれません。
自分が、どのような規模になりたいか。目指す場所がどのような場所なのか、
それによって、自分を支える構造を選ぶようにします。
私は、連続アーチ橋の構造を選択してみようかと思っています。
まずは、ひとつアーチをつくり、それを繰り返し続けることで、橋を大きくしていく方法です。
最初から強度を決めてしまうより、橋をつくりながらアーチのカーブを決めて連なっていけば、臨機応変に対応できるはずです。
実際の土木の世界では、最初からしっかりと強度計算をして、材料等を定めていきますから、こんなアバウトな作り方はありえません。
でも、人の心は、環境や状況によってゆらぎがあります。
ただ強いだけではなく、柔軟になることも求められるので、最初から計算し尽くさないほうが、良い心の橋ができるのです。
大きなタスクと小さなタスクも同じ考えで
一つのアーチの中に、たくさんの小さな構造が掛け合わせています。
橋の作りを、タスク管理に落とし込んでみても、面白いかもしれません。
自分のいる環境によっては、大きなアーチが一つでいいかもしれないし、手賀大橋のように、連続したアーチにしたほうがいいかもしれません。
その中に、また細かい構造があって、その繰り返しがまるで、タスクをこなす日々の自分と似ているように感じたのです。
タスクを繰り返して習慣化し、何も意識しなくても、継続できるような自分に変わるこそ、これぞ人にとっての強度があがることだと思うのです。
自分にとって、一番最適なルーティンを見つけたら、これこそ強みです。
今回取り上げた手賀大橋は、できる前から周辺の人の生活を支えるために、いろんな方法がとられてきました。
当時できることで、とにかく人の往来を支えることが、昔から今も変わらない思いです。
渡舟から、資材が足りず、盛土でカサを稼いだ旧大橋。そして、満を持して土木業界でも珍しいとされる連続アーチ橋へ。
人の成長も同じです。
そのとき、そのときできる方法で、自分を支える橋を作っていきましょう。
陳腐でもいいわけです。必ず、次にグレードアップした橋を作れる時が来ます。
その日まで、ルーティンを繰り返して支える橋を強くしていくのです。
ちょっと、強度が足りないかなと思っても、繰り返し繰り返し続けること。
そんな構造の橋をもっておけば、この先、なんとかなるものです。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
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今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
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