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思い込みによるコミュニケーションの失敗事例

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「鈴木さん、その怪我は90歳のおばあさんでも、完治したんだから、大丈夫ですよ」

ちょっと待ってください。お年寄りの転倒事故も、とても大変な怪我ですが、私のケースといっしょにしてほしくないです……。

これは、とある健康診断で問診の医師に言われた言葉に対して、私が言いたかったセリフでした。

きっと、慰めたい気持ちで、親切心でおっしゃってくださったのでしょう。

でも、この言葉を受けた私にとっては、要らぬ親切だったのです。

営業などの仕事で、お互いのコミュニケーションが上手くいかないとき、根深い問題に発展しかねない状態になります。

理由を深掘りして、傾向と対策を考えてみました。

燕には、コミュニケーションの齟齬はなさそうです。

目次

思いやりが思い込みであるケースが多いわけ

健康診断の問診で、手術歴を問われた私は、「橈骨遠位骨折」と問診票に記入しました。

橈骨遠位骨折とは、転んで手をついたとき、手首の骨を折ってしまう怪我のことをいいます。

よく、お年寄りの方が転んで手をついたら、手首を骨折してプレートを入れる手術をするケースがあります。

一般的な手術は、一泊で済むこともあるそうです。

しかし、私の場合は、その他諸々あって、2週間から3週間の入院でした

橈骨遠位骨折リハビリの記録・治療編

そんな事情だったのに、たった6文字の漢字で、お年寄りの怪我と同じように捉えられた医師の言葉に、私はとても悲しい思いが込み上げてきたのです。

「いや、先生、結構な大怪我で創外固定までしていたんですけど……」

でも、その医師は、専門外だったらしく、ピンとこなかったのか、

「いやいや、大丈夫大丈夫……」といって、問診を終えたらさっさと診察室を出ていかれました。

残った看護師さんから、次の検査の場所を教えてもらいながら、私は釈然としません。
その90歳のおばあさんは、後遺症もなく完治したかもしれないけど、私はピアノが弾けなくなってしまったんだよなぁと。

 

このように、思い込みで相手を慰めようとすると、かえって憤りを産んでしまいます。

よかれと思って、かけた言葉が、かえって相手をキズ付けることがあります。

これを、コミュニケーションでの失敗と私は呼んでいます。

お客様との対話で、このようなことがあれば、その次はないかもしれません。

この医師だけではなく、私も同じ失敗をしたことがあります。

誰もが起こりうる、コミュニケーションの失敗なのです。

相手の言葉にひっかかる理由は、自分にある

私は、仕事柄、ことを明確にして伝えることが多いです。

「いいかもしれませんねぇ」「うーん、お好きなほうでいいのでは」

経理会計・税務などの世界では、そのような曖昧な表現は、致命的な事故に結びつくので、極力明確にして伝えるようにしています。

でも、この明快な言葉が、相手によって強すぎるケースも起きています。

私も、いきなり厳しく言い切ることはしません。

要望があれば、お伝えするべきことは、きちんとお伝えしています。

でも、実は、当初オーダーしたことが本音では違っていたということがよくあります。

このような時、必ず起こるのがコミュニケーションの失敗なのです。

私が早く、相手の本音に気づけば、このようなことは起こらないでしょう。

でも、ここまでくると仕事を始める前に、相手の本音を探る作業をしなければならないとなると、仕事の範疇を超えてしまいます。

では、サービスを提供するこちらサイドが、気を使わなければならないのでしょうか。

わたしは、この問題は、オーダーを出すお客様が抱えているものだと思っています。

ここは、早急に結論を出さず、よく、深掘りをしておくとよいでしょう。

同じことをお伝えしても、スルッと理解していただき、納得される方と、そうではない方にわかれます。

前者は、本音とオーダーが一致しています。

でも、後者は、本音とオーダーに大きな違いがあるのです。

私の言葉に、厳しさを感じる場合、それは、お客様自身に、ご自身の本音に気がついていないのです。

これは、お客様に限った話ではありません。

私自身も同じです。

相手の言葉に、「カチン」と来た場合、それは私にとって解決していない問題だったりするのです。

先程の、健康診断での問診で、私が釈然としなかったのは、怪我でピアノが弾けなくなったことの悔しさを、解決させていなかったからです。

もし、すべてクリアしていれば、相手がどんな言葉を発しようと、一切気にすることはなかったはず。

相手の言葉に、なにか引っかかる場合、それは自分に原因があるということです。

そんな言葉を発する相手に、文句を言っても事態は変わりません。

自分が変わるしかないのです。

思い込みをしないための技術「傾聴」

とはいっても、このようなことは、事前に起こらないようにしたいもの。

どうしたらいいのでしょうか。

まずは、必要以上に自分に引け目を感じることがないようにします。

自分はあくまで、相手にとって鏡に過ぎないのです。

自分に対する言葉は、鏡に写った相手に向けてかけられたものです。

そして、事前に相手のことをよく話を聴くことです。

カウンセリング用語で「傾聴」ともいいます。

ただ、直接的に「〇〇をやってください」と言われたとしても、なぜ、そのようなオーダーがでたのか、対話を続けることで、相手に気づいてもらうことが目的です。

そうなのです。相手のことを理解しようとすると、思い込みによるコミュニケーションの事故がおこります。

傾聴の目的は、相手自身に相手のことに気づいてもらうのです。

これが、コミュニケーションの事故を防ぐ、一番の方法なのです。

 

先程、例に出した健康診断で問診してくださったお医者様。

もしかしたら、ご自身のお母様の怪我だったのかもしれません。

当初は相当心配されたでしょう。でも、完治したので、君も安心したまえと、優しさから発した言葉だったのです。

せっかくのお気持ちを、素直に受け取れなかったことは、残念でした。

これからの人との対話で、大いに参考にしていく所存です。

=編集後記=

【昨日のできごと】

自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。

かずこのお気に入り
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今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。

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この記事を書いた人

個人事業主・中小企業教務効率コンサルタント。Notionアンバサダー。「一緒に未来を見る伴走者」として小さな会社や個人事業主の方をフォロー|職種を超えて参加できるバックオフィス構築|オールインワンアプリ「Notion」を使った経理ノウハウなどのオンラインセミナーを開催|ほぼ毎日更新ブログ「経理戦略会議」管理人。メルマガ50代からのひとり仕事を毎日配信。

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