ChatGPTだけでは、経理はできません。
なぜなら、経理をするための情報を、何回も大量に伝えないといけないからです。
つまり、会計ソフトの設定項目やマスター情報を、すべて伝えることでやっと経理が行えるというしくみです。
でも、どうしてもAIを使って、楽に経理をやりたい!
そう思うのは、効率化を目指す方なら、誰もが思うことです。
では、経理にAIを利用するとしたら、どんなシーンなのか、考えてみました。
すでにAIは搭載されています。昨今の会計ソフト事情
ChatGPTをきっかけに、どんな人でもAIを自由に使える時代がやってきました。
いかにも、AIが今発明されたように見えますが、実は、昔からAIはソフトの中で利用されていたのです。
会計ソフトの場合、自動仕訳はそれにあたります。
インターネットバンキングの情報を、APIで取り込みます。
最初は、一つの取引ずつ、人間が勘定科目を当て込み、仕訳をします。
そして、次に同じ取引がでたとき、AIが過去の情報を元に、自動で勘定科目を当て込むというものです。
ほんの4,5年前の話です。
でも、当時はAIは会計ソフトの外に飛び出してくれることはありませんでした。
会計ソフトを買って、オプションで追加機能として契約し、FinTechというしくみで、銀行口座と紐付けをして、仕訳の自動化をめざしていました。
当時としては、手入力で仕訳を入れていた時代が長かったので、画期的なツールだったのです。
AIを利用するなら会計ソフトの外での活用を考えよう
今は、自分たちで自由にAIを使うことができます。
そこで、AI自身に、経理をするならどんな仕事をしたいか、聴いてみました。
- 請求書の自動認識と処理
- 勘定科目の自動判別
- 予算書作成の自動化
- 決算書の自動作成
- 顧客債権管理
だそうです。
請求書の自動認識と処理
これは、インボイス制度によって記載されている「適格請求書発行事業者の登録番号」が正しいか、自動で判別するものです。
本来は、一枚一枚、このサイトで確認して、チェックしなければなりません。
もし、適格請求書発行事業者のものでなければ、経理処理も変わるからです。
正直、めんどくさい作業です。
これを、AIにやってもらいたいです。
でも、これを実現するには、様々な障壁があります。
- 画像からテキストを認識することはできる。
- でも、その登録番号があっているかは、国税庁のデーターベースにAPIで連携しないとできない。
- この仕事は、素人ではできない。
- 専門家を雇って自社で作るには、お金がかかりすぎるし、非効率。
ということで、これも、会計ソフト会社が開発したものを、課金して利用する事案となります。
お金を掛けないなら、中小企業の取引数が少ないケースなら次の方法で検討していただければと。
- 取引先マスターを作成
- 国税庁のサイトでチェックする。
国税庁インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイト - 取引先マスターに追記する。
いずれも、取引先マスターを作成するしかなさそうです。
私は、こちらもNotionで作成しています。
勘定科目の自動判別
これは、すでに、会計ソフトの中に取り込まれています。
ただし、外部の銀行口座情報をAPIによって読み込んだ仕訳だけに限ります。
それ以外の仕訳は、通常、経理担当者の手で入力されていきます。
かつてはそうでした。
でも、最近は、スキャナ保存された領収書から勘定科目を判別する機能がついています。
freeeというソフトでは、領収書のスキャナ保存をする際、勘定科目を推測しています。
でも、このまま登録してしまえば、AIは間違えた情報を正しいと認識してしまいます。
いずれは、最初は人間の目で、チェックする必要があります。
予算書作成の自動化
もしかしたら、こちらは可能性があるかもしれません。
予算管理は、基本スプレッドシートやExcelで管理している事業所がほとんどかと。
正直、会計ソフトについている予実管理は、イケていないため利用するには、ハードルが高くなります。よって、使われず、予算管理をしない会社がほとんどです。
でも、こちらは自分たちで、AIを活用できる可能性があります。
過去の月次試算表を読み込んでもらい、来期の予算書を作成できるかもしれません。
こちらについては、今後できるかテストを続けていきます。
決算書の自動作成
これについては、AIでなく、会計ソフトが作成します。
よって、あえてAIがする必要はありません。
ただ、科目毎の明細書を作成するのに、AIは活用できるかもしれません。
補助科目データを取り込み、各補助科目の残高の明細を作成せよといれば、ささっと作ってもらえそうです。
こちらも、どうやって読み込ませるか、方法がわかればテストすることができます。
顧客債権管理
これは、売掛金の取引先ごとの補助科目明細を作ることになります。
経理や簿記を知っている身としては、「補助元帳でようない?」と思ってしまうのですが、簿記を知らない方にとっては、「そこはAIで」と思われるのかもしれません。
AIでなくても、すでに会計ソフトで仕事ができていることについては、会計ソフトから見やすい表を作成する方法を考えるとよさそうです。
その方法をAIに考えてもらうと、次のツールを使うといいそうです。
VBAマクロか、API連携。
ただし、会計ソフトのAPIを公開していることが条件です。
となると、Excelのマクロを使用するのが、現実的ですね。
あと、債権回収が遅れている顧客へ、自動で催促メールを送ることも提案されています。
AIの出番は、回収スピードから、リスクの高い顧客を割り出す仕事です。
これなら、AIの得意分野でしょう。
AIで生まれた時間で何をしよう
以上のように、経理におけるAIの可能性を考えてみました。
情報を自動で収集するには、APIを公開してもらっていることが大条件です。
もし、そうでなければ、手動で収集した情報を、AIで分析してもらうことに、活用できるのではないでしょうか。
今回は、経理でのAIの使いみちを考えてみました。
これから、経理フローを構築する際、今まで考えもしなかった「AIが仕事する場所」を考える必要があります。
AIが利用することで、経理担当者は考える時間を得るようになりました。
AIに作業をさせながら、人間にしかできないことに、時間を割いていきましょう。
経営分析も、AIがやってしまいそうです。
これも、ツールを購入すれば、すぐできます。
でも、自分でAIを駆使することが、今後生き残れる経理担当者の条件になっていくと思うのです。
生まれた時間は、このプログラミングやシステム構築に時間を使うといいのかもしれません。
=編集後記=
【昨日のできごと】
地元の沼周辺の清掃ボランティアへ。
外来植物の駆除です。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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