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経理のPDCA「予実管理」

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怒涛の決算を終えて、申告書を提出、そして納税終えたら、なんとなく、次の事業年度になだれ込んでいませんか。

人間は、都合悪いことは忘れるようにできてきます。

決算の時、あれほど反省していたはずなのに、いつの間にか同じクセがでてしまったりします。

 

そんなときは、経理業務の中に、しくみを組み入れることをおすすめします。

はい、「予実管理」です。

 

決算予想を立てる時期に予算まで組む

 

「予実管理」とは、予算と決算の差異を確認することです。

予算書までいかなくても、社長の頭のなかで、売上見込を出すことはあると思います。

しかし、私はあえて、「予算書」の作成するべきだと考えています。

 

損益計算書は、下の図のとおり、入ってくるお金(売上)から、どのように使われているかを表したものです。

※損益計算書の構造

予算書は、主に営業利益までの見込みを勘定科目ごとに、金額に置き換えたものです。

これを、翌期が始まる前、当期の決算を迎える前の決算予想を立てたあとに、予算書まで組み上げてしまうのです。

決算予想を立てる時、利益や損失が出た訳を、しみじみと噛み締めていると思います。

その鉄が熱いうちに、当期の反省や継続すべきことを加味した予算書をざっくりと作っておけば、なだれ込むように始まる次年度のスタートを、逃すことなく切ることができます。

当期の反省は、早く解消すべきなのです。

 

事業内容によって、粗利率などは異なります。

売上見込を立てたら、原価率を掛けて原価を算定し、ざっくりと粗利まで出すだけでも、出しておきましょう。

 

年間予算から月割予算へ

 

ざっくりと出した予算書は、年間の数字で出します。

そうしたら、その金額を12で乗じると、月割予算書が出来上がります。

月ごとの金額を出すことで、月次決算のときに決算額と予算額を比較することができます。

これが、「予実管理」です。

とくに異常がなければ、想定内で決算の金額がでてきますが、異常値が出た場合、月割予算額との差異が大きく出てきます。

この毎月の「予実管理」で、問題点を洗い出すことができるのです。

 

予算より原価が高い場合、売上が少ない場合、一体何が原因なのか。

もしかしたら、材料の高騰が予想以上に響いているのかもしれない。

材料の納入が止まって、現場が動かないことで売上があがってこないのかもしれない。

 

予算と決算の差異を、目で見ることで、原因の洗い出しを俯瞰的な視点で見えるようになります。

 

予算書は行動を正してくれる予言書

 

月次決算で、予実管理を繰り返していくと、次第に支出のクセが改善されていきます。

最初は、月次決算時に異常値に気づくのですが、見積段階で、明確におかしいことに気づけるようになるのです。

また、想定外の事象が起こり、予算通りに行かなくなった場合もあります。

その場合、補正予算を組みます。予算の見直しをするのです。

資金が十分にある場合、そうでない場合、支出の仕方も注意しなくてはなりません。

利益をどれくらい残すか、だけではなく、資金をどのくらい残すかも加味して、予算を組み直すこともあります。

こうして、予算書は、経営の道標となっていくのです。

 

たかが予算書、されど予算書。

 

決算終えてからではなく、決算を迎える前に、勢いよく予算書を作ってみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

個人事業主・中小企業教務効率コンサルタント。Notionアンバサダー。「一緒に未来を見る伴走者」として小さな会社や個人事業主の方をフォロー|職種を超えて参加できるバックオフィス構築|オールインワンアプリ「Notion」を使った経理ノウハウなどのオンラインセミナーを開催|ほぼ毎日更新ブログ「経理戦略会議」管理人。メルマガ50代からのひとり仕事を毎日配信。

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