これは「Notion Community Advent Calendar 2022」の4日目の記事です。
https://adventar.org/calendars/8074
昨日はチャベス(@ChabesuB)さんの「Notion と ブログ – チャベログ」でした。
とある学校教務室での出来事
同僚A「鈴木さーん、経理部から電話!」
やっと、授業が終わって、事務所で一息つけようとした瞬間、緊張が走ります。
恐る恐る受話器を取ります。
経理部「鈴木さんですか?請求書がまだです。稟議書に書かれている支払日が近いので、とりあえずFAX送ってください!」
受話器を握りながら、震える声で「はい」と答える。
頭の中で、こんなことを思い巡らせます。
「あれ、請求書は、今どこにあるんだろう……(汗)」
これは、経理に配属される前の、学校現場で働いていた私の実体験です。
経理部には、3つの「K」があります。
「怖い」「キツい」「厳しい」
です。
その後、立場が逆転することになり、私は嫌われる経理部員になりました。
逆に、嫌われてナンボと開き直る自分になっていたのです。
経理と現場とのノイズが起こる原因は何か
なぜ、経理部は嫌われるのでしょうか。
理由は簡単です。経理部の緻密な仕事が現場で見えていないからです。
例えば、先程の請求書を紛失したかもしれない疑惑を起こした私を例にします。
- 「経理に直接請求書を処理してもらえばいいじゃん」
とんでもない。
その請求額が正しいかは、現場担当者でないとわかりません。
予算執行の権限は、現場の責任者にあります。 - 「支払日の前日でも、請求書が届いていればいいんじゃない?」
冗談を言わないでください。
各部署から集まった請求書を元に、総合振込をかけます。その資金移動でさえ、経理部長の権限で行います。
また、前日に銀行にデータを送れば、振込手数料が高くなります。支払実行日より、〇〇日前に手続きが必要です。 - 「でも、学校行事に使う物品代なので、参加者の入金が確認できないと、支払いもしたくないんだけど」
いまさら、そんな事言わないでください。
そうであれば、業者に交渉して支払日の変更をかけてください。
数えたら、きりがありません。
このように、経理が「3K」になるのは、外部のステークホルダー(取引先、税務署や銀行など)からの信頼を守るために発動しているのです。
そして、経理部で行われていることが、完全にブラックボックス化されているため、現場との齟齬が起きてしまっています。
Notionで経理と現場の乖離を埋めてみる
経理部に置かれたパソコンには、次のツールがインストールされています。
会計ソフトと、その帳票を証明させるため作表するのためのExcelです。
外部とのつながりは、電話、FAX、メール、この3つしかありません。
逆に、経理部が現場に出かけるときは、非常事態のときです。
(現場担当者の不正経理、人事異動対応、POSが不通のとき、組織編成など)
つまり、現場サイドからは、非常に使えないツールが「経理部」なのです。
私は、これを解決する方法として「Notion」を提唱しています。
現場と経理の頭の中を連携させる
先程の請求書紛失したかもしれない疑惑。これを避けるには、請求書の決済ルートを見える化にする必要があります。
経理の正規のルートをたどることは、省略化できません。
しかし、まずは情報共有するレベルで、軽くNotion上共有するのは、互いのフラストレーションを解消することができます。
まずは、現場からの情報を収集します。
現場担当者とシェアしているページには、Noway Formを埋め込んでいます。
この情報は、経理ページのデータベースに集約されます。
経理部では、ここに集められた情報をもとに、正式な書類が提出されていないものを、ピンポイントで探すことができます。
小さい会社であれば、これだけで内部統制も取ることができるので、一挙両得です。
経理部と経営者との情報連携にNotion
小さな会社で、特に問題になるのが、社長がすべて経理に任せきりになってしまうことです。
ひとり会社ならいざ知らず、複数人集まれば、悪いことが起こるのが経理の世界です。
それを防ぐのに、Notionページを経理と社長で共有するだけでも効果はあります。
支払情報をデータベース化して、社長にもタグ付けしてもらいます。
「決裁済」タグになったものを、経理が支払業務に取り掛かるルールにします。
また、同じデータベースで、ビューを変えると、資金繰りカレンダーにもなります。
このように、Notionの基本機能だけで、小さな会社であれば十分な内部統制ツールになります。
経理担当者の脳内をアウトプット
また、経理業務の進捗状況をNotionで管理することもできます。
すべて、基本機能のみで運用しています。
データーのリレーション、ロールアップを駆使すれば、経理のような決まったルーティン業務には、十分絶えられます
残念ながら、Notionは、経理の精度をあげるものに向きません。
でも、現場や経営者との連携をとるためのツールとして、活用すれば、社内は穏やかなものになるでしょう。
そして、この社内Notion構築を、経理部が旗振り役に買ってでることで、何気に経理に有利な仕組みを、社内が喜んで使ってもらえるという、嬉しい効果が得られます。
小さな会社であれば、これで十分な社内DX化を図ることができます。
「うちに導入してみようか」と思われたら、ぜひ、検討してみてください。
請求書をなくした疑惑をかけられたその後
さて、請求書無くした疑惑の鈴木さん。その後どうなったのでしょう。
実は、机の引き出しに後生大事にしまわれていました。
入金ないのに、先に支払うことがないようにと、上長から言われたのを信じていたのです。
こんなとき、気軽に経理に相談すべきでした。
そんなやりとりも、さきほどの「経理連絡票」に、一言コメントを残していれば、経理部も困ることはありません。
Notionは、自由に組み上げるツールです。自分たちが幸せに仕事ができる環境作りに一役買うこと請け合いです。
少し話は反れますが。
個人事業主やひとり社長が、経理しずらい理由は、組織経理の場合と同じです。
自分の中で、嫌いな自分と対峙しなければならないからです。
そんなときも、Notionに置き換えてしまえば、冷静に経理ルーティンをこなすことができます。
もう12月。
Notionで経理をされている方は、どんなページに育っていらっしゃいますか?
1年間頑張った自分を、愛でてあげてくださいね。
明日はJim Okada | KAUCHE(@jim__okada)さんの「情シスとしてのNotion活用法」です。お楽しみに。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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