「年間300万円満たない副業でも、帳簿を適正に保存していれば事業所得に区分されます」
今朝のニュースで、パブリックコメントをうけて、国税庁の回答に動きが見られました。
確かに、税金が増えたり減ったりするのは、生活に直結するので気になります。
ただ、税金のためだけに帳簿をつけるべきなのでしょうか。
この仕事が正しいかどうか悩むとき
とあるところに、二人の女性経理ウーマンがいました。
正社員として経理をしながら、土日は演奏活動をしています。
音楽を志した人なら、一度は通る道ではないでしょうか。
「はたして、プロと言えるのだろうか、自分は」と悩むタイミングがきます。
クラシックの世界は、家一軒分の金額が動きます。
楽器代もそうですが、あれだけレッスン代を払って修練してやっと、音が鳴るわけです。
人様の前で演奏して、報酬を頂くためには、それ相当の努力と金銭をかけています。
楽器1艘購入するのに、田舎の田畑を売った話も聞きます。
しかし、頂く報酬は、損益バランスが崩れており、相当期間は赤字が続くわけです。
本当に、この仕事はやっていていいのだろうか。
1人は辞めてしまいました。
しかし、もう1人は、「恩師の教えを守るのが私の務め」と言って、体を壊してまでも続けました。
果たして、この副業は正しかったのでしょうか。判断する方法があるのでしょうか。
お小遣い稼ぎから社会通念上のしごとへ
さきほどの例は、子どもの頃から続けた習い事の延長で、お小遣いを稼ぐレベルの話です。
ふたりとも帳簿をつけていませんでした。
そんな二人に、ある女性が言いました。彼女は、出版業界で請負業務の仕事をしている人です。もちろん、所得税上は「事業所得」です。
「二人ともさ、自分の仕事に帳簿つけてみたら?」
二人は、仕事で会社の経理をやっています。しかし、自分の余暇活動に帳簿をつけるという発想はありませんでした。
帳簿つけとなったら、二人はがっつり複式簿記で仕訳をきることができます。
早速、開始仕訳をいれて、年間の経費を集めて仕訳を切ってみました。
楽器購入時は、一気にお金がなくなるけど、減価償却で費用を分割することができます。
また、弦楽器の場合、弓の張替えも経費にいれます。
ときどき受ける有名先生のレッスン代も、研修費として計上してみました。
もちろん、リハーサル本番での移動は、交通費です。
悩むのが、本番後の打ち上げでしょうか。領収書がないので、経費に入れないことにしました。
謝礼としていただいたものは、すべて売上です。年間で集計してみたら、そこそこ頂いていたことがわかりました。
もし、帳簿をつけていなかったら、いただいた売上をそのまま、打ち上げの飲み代や、楽器メンテナンスに消えていったので、自覚しないまま、なし崩しでお仕事をしていたでしょう。
しかし、経理ウーマンである二人は、余暇だと思っていたことが、実はしっかりとした仕事であることにきづくことができたのです。
出演料が格安な演奏会は、断る勇気を持つことができました。
自腹での飲み会は、自然と距離を置くことができるようになりました。
帳簿付けは税金のためだけではなく自分のために
確かに、税金のために、帳簿つけして保存する必要があります。
これは、あくまでお国のためにやることです。
しかし、たとえ必要ないと言われたとしても、一回自分の仕事を測定する意味で、帳簿付けをすることをおすすめします。
仕事の方向性、やり方、得意先のタイプなど。
帳簿をつけてみて、「あれ、これじゃいけないのでは」と気付くようになるのです。
ただ、利益がのこらないから辞めるのか。体を壊してまで続けなきゃいけないのか。
客観的なものさしを持つことで、冷静に判断することができます。
副業の損益と、お金の流れをチェックすることはぜひ、やっておくようにしましょう。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
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ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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