「このシステムを入れたら、いい感じになったよ」
中小企業の社長さん同士の会話で、よく聞きます。
でも、よその会社で上手く行っても、果たして自分の会社で成功するかどうか、
それは全く別の話になります。
バックオフィス業務に、システムを導入するときに、一番に気をつけることは、
今までの不都合なことの本当の姿を見えているかどうか、なのです。
技術的に可能だけど、運用できない事件
今、いろんなシステムを作っている会社が、多くの広告を打ち出しています。
楽々精算、kintoneなどなど。
もちろん、Notionも例外ではありません。
これらのツールは、非常によくできており、導入後の効率化に大きな恩恵を与えてくれる素晴らしものです。
また、導入時に、システム屋さんから派遣され、初期設定から運用まで、サポートを受けてくれるサービスがあります。
広告で好印象を持ち、実際に導入に向けて相談し、サポートを受けながら運用できるので、未来の自分たちの姿に、希望を持つようになるでしょう。
しかし、実際のところ、上手くいくケースが非常に少ないのです。
私が体験した中では、
- 頑張ってシステムを導入したけど、細かく入力し続けることができず、結局一部の機能しか使えていない。
- 実際に組んでみたけど、使われなかった。
- そもそもスマートフォンの通信ギガが足りず、固まりがちに。使用を諦める。
などなど、せっかく時間とお金をかけたのに、活用できずに終わってしまうケースがありました。
社長さんからしたら、せっかく予算と時間をかけて作ったのに運用できないことに、落胆の声を出したくなります。
ついつい、従業員に「しっかり使って!」とトップダウンで言いたくなるかもしれません。
でも、そのシステムが、社内の文化に溶け込むかどうか、導入前にきちんとリサーチしなかったことに原因があるのです。
システム入れたいと思ったら、別のところに原因あり
逆に、システムを導入して上手く行ったケースもあります。
これらには、いくつかの共通点があります。
- システムのブランドで選ぶのではなく、工数が減ることに重視した。
- 実際に使う人の性格や能力に合わせている。
- 困った現象の原因を対処法で解決せず、組織全体の問題として検証した。
この3つです。
こんな経験はございますでしょうか。
腰痛だと思っていたら、実は肝機能障害だったこと。
肩こりかと思いきや、実は視力に問題があったこと。
息切れするので、運動不足かと思いきや、実は貧血だったこと。
痛いところを対処法で直しても、なかなか解決できないけど、痛みの原因を見つけて治療したら、改善した話。
これと同じようなことが、業務改革のときに起こります。
経理の場合、上手く行かないケースは、大抵タスクや工程が多すぎることにあります。
いかに、工数を減らせるかどうか、そして、必要な情報はきちんと集約できるかどうか、ここが勝負になります。
こうなると、実はシステムを作った人や、導入サポートに入るエンジニアでは答えが出せません。
理由は簡単です。
機械が対処できるのは、表に現れる現象ところだけなのです。
それを解決する技術はあるのですが、根本原因を見つけて解決することは、ほぼ不可能です。
病院の医師でさえ、原因のわからない症状で、病名を見つけるのに大変な苦労をしています。
要は、困ったことが簡単に解決できることは、現実世界ではありえないと思っておくことが必要なのです。
システムを動かすには、作った人が中にいることが前提
私は、システム導入や経理業務改善の際、3ヶ月の伴走をさせていただいています。
これは、ただ運用を見届けるだけではなく、システムを改善できる人を育てていくのも含まれております。
サービスに入る前に、私が執筆した簡単にすぐ読み切れる簿記の本(Kindle)を読んでいただいています。
こちらで、経理の最終目標のイメージを持っていただきながら、お客さまの環境に合わせて、経理フローの提案をしています。
デジタル化、ペーパーレス化を推奨している私ですが、
あえて手書きのお帳面で帳簿をつけることを選択することもあります。
- デジタルとアナログ
- NotionとExcelと会計ソフト
- システムと人手
このバランスをとりつつ、デジタル、ペーパーレス化への道筋を残すのが、本来の業務改善なのです。
こうなると、経理業務の専門家で、様々なケースを知っている者ではないと、経理業務改善サポートは難しいわけです。
最終ゴールは、社員などの当事者が、自分で構築し、改善できる文化を根付かせることなのです。
そういう意味で、自分たちで手直しがやりやすいツールとして、Notionを進めています。
先ほどのプロ仕様のシステムキッチン。
システム会社が作るツールは、このような過剰装備が普通です。
メンテナンスも、大変そうです。
でも、これほど、火力は必要ないし、オーブンも何個もなくてもいいでしょう。
実際は、コンロは一つでいいのかもしれません。
これは、実際に仕入れ、調理、食事の提供をしてきた人でないと、何を削って、何を残すのか、判断できません。
料理の下ごしらえから、キッチンのメンテナンスまで、実際に実務をこなしている人が、本当の改善業務を進めていけるのです。
なかなか、業務改善が進まない理由は、改善していいという風土や文化、改善する技術を知っているか、できるかどうか。
そこだけなのです。
風土や文化は、会社のトップである社長さんに担っていただいています。
そして、実務担当者にあった技術的な方法の提案、そして実務担当者のポテンシャルを引き出すのが、私の役目です。
あわてて、システムをホイッと導入するのは、ちょっと待ちましょう。
まずは、診断です。
治療計画、治療方法、リハビリテーションと、完治や寛解まで治療等が続くように、
業務改善も、計画、方法、運用練習をセットにして取り組んでいただければと思います。
これが、未来の利益につながるように。
ぜひ、経理屋である私がお手伝いできたら嬉しいです。
=編集後記=
【昨日のできごと】
週末から月曜日にかけて、オフ。
そろそろ始まる年末大掃除に向けてのタスクチェックなど。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
=おすすめのサービス=
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