※子育てのコツは、特にありません。
私は、共働きをずっと続けてきました。
頼る親もおらず、夫婦だけで3人の子どもを育ててきました。
働く母にとって、育児情報は必須です。困ったときにググれば情報は手に入ります。いい時代になりました。
しかし、どこを見ても「やること」ばかりであることに気づいたのです。
おそらく、自身の子育てにある程度落ち着いてきたから、そう感じたのでしょう。
それにしても、子どもの年代ごとに見ていっても、たくさんのものがネットで溢れています。
「離乳食の作り方」「子育てグッズ(ガジェット系と似てます)」「夜泣きの対応」という乳幼児向けの情報から、
「イヤイヤ期の乗り越え方」から「中学生になったら・・・」「受験期の親の対応」など、思春期に至るまで。
気が遠くなりますね。
巷にあふれる「これやんなきゃ」症候群
大量にある情報を、どのように選べばいいのでしょうか。
困ったとき、親である私達は、どうしても「やること」ばかり注視してしまいます。
なぜなら、親である自分の不手際から、目の前に繰り広げられる現象が起こっていると、思ってしまっているからです。
しかし、やればやるほどドツボにハマっていきます。
子どもも、やってほしいことはよく理解できていないけど、施す親の対応ではないことに感づいて、ますます手に負えなくなっていきます。
そんなときは、一旦やっていることをやめるしか手立てはありません。
「やらないことリスト」を上げてみる
そこで、今までの経験から、私にとっての「育児でのやらないリスト」が出来上がってきました。
ちなみに、3人の子どもの構成は、男(社会人6年目)、男(現社会人2年目)、女(中3)です。参考にしてください。
① 子供部屋の片付けや掃除はしない
子どものプライベートエリアに、親が侵入しないようにします。畳からきのこが生えてきそうであっても、そこは足を踏み入れません。
② ランドセル内をチェックしない、忘れ物チェックしない、遅刻しそうでもほっとく
学校からクレーム来てもスルーする勇気を持ちます。担任を無視するのではなく、柳のようにいなすことがコツです。
③ 子どもの食器を洗わない
家事をしない、が本音ですが、生活が回らなくなるので、せめて子どもが自分で使った食器くらいは自分で洗ってもらいます。ようは、「お手伝いをさせる」と同じです。
④ 入学願書も親は書かない
これは、高校受験から適用します。自分の人生は、自分で落とし前をつけさせます。
⑤ 時間管理をしない
傍からみても、何も言いません。親が先回りして注意しても、本人が気が付かないかぎり、それは単なる小言にしかなりません。
この①から⑤は、実は、思春期を迎えたときを想定した内容です。
特に男子は、母親が自室に入ってくることをとても嫌がります。これ一つだけでも母親が犯してしまえば、親子の修羅場を迎えます。
このように、この「やらないことリスト」とは、思春期を迎えた子どもが、親にやってもらいたくない内容になっています。
小さい頃から、子どもが自分の尊厳を、親の手助けなしで自分で守れるように、することが目的となっているのです。
なぜ「やらないことリスト」なのか
就学前のこどもに、いきなり「やらないことリスト」を敢行すると、とんでもないことになります。家庭内は崩壊してしまいます。
この「やらないリスト」を目指して、子どもの発達段階に合わせて、徐々にこの「やらないことリスト」が、子ども自身でできるようになるようフォローしていくのです。
子どもが生まれる準備のときに、親は、この完成された「やらないことリスト」を頭の中に作っておくのが理想ですが、正直ここまでやらないなんて、育児放棄だと思うのが普通です。
しかし、生まれてきた自分の子どもの発達に合わせて、自分一人で、できるようにフォローしていくスタンスが、ちょうどいい子育てになるのです。
ここまで手放してしまえば、自然な流れで、親でしかできない「親から子への文化の継承」や、「一緒に楽しむ人生」を親子で築き上げるようになっていきます。
本来の親がやらなければならないのは、身の回りの世話ではなく、この「人生の生き方」のような、形にならない価値観を共有することなのです。
そして、金銭的面倒をみること、社会的不利益を受けないよう守ることが、親にしかできないことなのです。
これらに、時間やリソースを投入するため、「やらないことリスト」が必要です。
思春期を迎えた子どもが、自信持って大人になっていくことを手助けとなるように、自分だけの「子育てやらないことリスト」組み立てていってみてください。