経理タスクをマニュアル化しないわけ

iPhoneのマニュアルは、ほぼ紙切れ、というか無いに等しいです。

実際は、ネットで確認できますが、感覚的に使えるよう、製品がデザインされているため、
マニュアルの重要度が低くなっています。

 

さて、経理の現場で、よく重宝されるのが、「業務マニュアル」です。

 

確かに、入ってきたばかりの新人さんが、すぐに戦力になるには、この「業務マニュアル」が事細かに書かれていることで、可能にしています。

 

しかし、私は、この「業務マニュアル」は、必要ないと思っています。

なぜなら、経理業務の効率化を阻むものに化けていくからです。

 

では、どうすれば、業務の均一化と効率化を両立させたらいいのでしょうか。

 

私は、「共有」がキーワードであると考えています。

 

経理タスクは流動的

 

経理業務は、一見して定型の仕事に見えます。

しかし、実際は、イレギュラーの連続を捌き切る「イレギュラー切り抜刀斎（るろうに剣心より）」として、対応し続けているのではないでしょうか。

 

理由は簡単です。現場のお金の流れは、川の水のように生きているからです。

 

いつも締切を守れる人が、締切後に請求書を出してきた。

入ってくるはずのお金が、入金されないので、資金繰りが狂った。

など、経理のミスを誘導させる事案が発生するのは、ある意味日常茶飯事です。

 

これらを整えて、数字にまとめていく仕事は、完成した帳票からしたら、定型の仕事になりますが、

発生現場サイドからみたら、定型にできないことがたくさんあるのです。

 

よって、これらを、一枚のExcelなどにまとめてマニュアル化したとしても、

大して役に立たないものであり、まして、全員に共有することもできないのです。

 

 

一番必要なのは、情報共有

 

 

では、どうしたらいいのでしょうか。

 

私は、経理こそ「情報共有」だと考えています。

 

経理には、毎月や毎日のルーティンを行なっています。

しかし、それ以外のことを、経理に関わる人たちによって、現状を共有することが、一番の解決策であると思うのです。

現場の人が、なぜ経理が滞っているのか知ることで、自分の仕事の仕方を見直すきっかけになります。

社長は、取引先の現状を、経理を通じて知ることで、経営判断に結びつけることもあります。

また、経理も、情報を通じて現場の苦労を知ることもできます。

 

このように、どんなに小さな組織でも、情報を共有しているところは、どんどん進化していくことができるのです。

 

特に、経理の仕事は、たくさんの情報が集まります。

ここの業務を、単なるルーティンリストを作るだけにしてしまっては、少し勿体無いように思うのです。

 

 

ひとり社長やひとり経理担当者の仕事とは

 

 

まずは、日次と月次のルーティンと、実際にやった作業をタスクとして記録して行きます。

 

実際にやったことと、日付を記録して、１ヶ月積み上げたものが、当座のマニュアルになります。
ここに、問題点や次月に持ち越しの内容を、記録してあれば、なお、良いでしょう。

私は、日次タスクと、月次決算タスクを分けておいた方が、後々分析する時にわかりやすいので、分けて作っています。

なぜなら、日次タスクは、発生させる作業であり、月次決算タスクは、発生したものを整えていく作業であるため、仕事のタイプが異なるからです。

 

それぞれ、１ヶ月のデータを作れたら、そのデータを複製して、日付とチェック等のデータをクリアにします。

この時に、前月の作業日を確認して、翌月のスケジューリングを粗方決めておくことができます。

また、翌月持ち越しの案件も、ここで確認できるので、「あ、忘れてた」を防ぐこともできます。

 

２巡目は、このタスク一覧から漏れていたタスクを追加する、またはいらないタスクを削除して行きます。

 

この、２巡目のタスク見直しがとても重要です。

一旦マニュアルにしてしまうと、個々で追加訂正してしまうのですが、全体のタスク一覧として、みんなで共有していれば、リアルタイムで訂正追加をすることができるのです。

ここが肝です。

 

この場合、Excelデータで作っていると、データ修正の時にファイルが増えてしまったり、修正中に誰かが覗いているために、変更できなかったりします。

しかし、私がおすすめする「Notion」だと、このような問題は起きません。

 

このように、２巡目、３巡目と、毎月データを見直していけば、生きたマニュアルとして社内全員で、共有することができるのです。

そして、絶えずタスク一覧を変化させていくことを、経理担当者がメンテナンスしていくのです。

 

この、経理タスク管理方法を、オンラインセミナーで詳しく解説しています。
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動画販売「経理タスク管理Notion入門」

 

ひとり社長や、ひとり経理担当者の方にも、有効だと思います。

「あれ、これって、やってたっけ？」「あ、忘れてた」を防ぐ備忘録にもなります。

ぜひ、取り入れてみてくださると、気持ちも楽になることと思います。