経理でもっと、実力をつけたいと思うなら、簿記検定や国家資格よりもNotionを取り入れてみなさい。
そんなお言葉を、女神様から言われたわけではありませんが、
本当にNotionを介して経理業務を整えたら、仕事がやりやすくなりました。
Notionは、プログラミング言語を知らなくても、クリックだけで同じようなシステムを作り上げることができるツールです。
無料でほとんどの機能がつかえ、ページもブロックも制限なく利用できます。
(いくつか数量制限されていますが)
経理がやりやすくなった正体は、Notionの考え方やしくみにありそうなので、少し深ぼってみました。
簿記知識だけではない、Somethingのある経理マンに
経理の仕事を極めたいなら、まずやることは、簿記検定を受験することです。
個人事業主、小さな会社レベルなら、簿記3級は持っておきたいもの。
それより、もっと、業績UPを経理サイドから担いたいのであれば、簿記2級あれば十分です。
上場を目指したり、連結決算や税効果会計といった、法律で求められた処理をするのであれば、簿記1級または、税理士資格試験の簿記論と財務諸表は勉強しておくといいでしょう。
ただ、この簿記検定で求められるものは、あくまで簿記です。
10年前なら、まだつぶしがききますが、いまなら、正直、簿記の知識だけでは、現場が回らない現実があるのです。
今で言う、デジタル化、DX化、IT化です。
人間の手で処理をする時代から、機械で集計し、それを分析する時代になりつつあるのです。
そんな時代に、経理に求められているのは、この機械の動線を考案し、会社や事業全体が滞りなく運用する仕組みを、作ることです。
下手すれば、簿記の知識が邪魔になる局面もあったりします。
では、どうやったら、簿記だけではない、キラっと光るSomethingのある経理担当者になれるのか、
私の例を引き合いにしながら、見てまいりましょう。
Notionを導入して気づいたこと
私は、建設業を営む中小企業に、ひとり経理で回せる仕組みをNotionを中心に組み立てました。
現場から経理へ。経理でのタスク管理。経理から経営者への情報提供(内部統制、キャッシュフロー)。
以前は、週3日出勤していたパートが、週に1日、そして半日で済む仕組みを作りました。
また、
- GoogleChromeの拡張機能「リモートデスクトップ」で、ネットバンキングを操作
- 経理に必要な情報は、すべてNotionに集約する
これにより、経理担当だった私は、事故で骨折した腕のプレート除去手術+リハビリがあっても、経理業務が滞りなく進められるようにしました。
会社の社長さんや、現場の職人さんの協力があってこそ、実現したのですが、
思いの外、副産物があったことで、Notionを自分で組む効果に、今更ながら、感嘆したのです。
ベテランの目線で仕事が見えるようになった
経理は、間違いのない作業と締切に追われる仕事です。
大抵は、作業を滞りなく進めることに、全力集中してしまいます。
しかし、Notionを間にかますことで、短期間でベテランの視点を持てるようになりました。
経理の仕事を作業として働く場合、数字や情報を下から上へ投げ入れるような仕事になります。
しかし、ベテランと言われる、経理の責任者は、数字や情報を上からの拾い上げ、関係各所にいきわたるよう、全体の流れを見ています。
この全体に思いを馳せるチャンス、自分たちでDX化することが、経理担当としての成長を得ることができたのです。
まずは情報共有が命であることがわかった
内部統制の中核は、情報共有
Notionで、経営者が経理の情報をリアルタイムでチェックできるようになると、内部統制も手間がかからずに行えるようになります。
会計の帳票以外に、決済用資料を作成し、それを決裁にまわして社長の了解を得る。
それから、支払準備に入って……。
以前は、内部統制というと、チェックしたという証拠を残すために、多くの手間がかかっていました。
Notionでページを共有し、決裁者がボタンを押すだけでチェック終了します。
決裁された様子を、経理が確認したら、即支払準備に回ります。
以前なら、急な支払決裁のために、社長が事務所に戻るまで待機、といったことが当たり前でした。
それが、シームレスにできることで、
- 情報は属人で抱えるリスクを知る。
- 情報は、リアルタイムで共有することに価値を覚える。
この2点に気付くようになります。
ボトムにも、自分以外の状況を知ることで、仕事の優先度がわかる
このシームレス情報共有は、ボトムで働く者の意識が大きく変わります。
かつては、自分たちが安全に仕事(作業)することが正しいと思っていたところ、
自分がやった仕事のその先を知ることで、仕事のやり方が変わってくるのです。
例えば、紙で現場から経費精算が回ってきた時代。
紙に書かれた情報しかわからず、規定外の処理をひたすら見つけ出すことに、命を燃やします。
しかし、すでに現場の現状を情報として把握している場合、
異常値が出た現状を改善することに、命を燃やします。
表面でしか見ない経理から、社内の改善を促す経理に変わり、それが本当の意味での内部統制になっていくわけです。
Notionの機能から経理業務の効率化を考える
では、具体的に、Notionの何が経理業務をやりやすくしているのか、ピックアップしていきます。
見やすいUI(ユーザーインターフェイス)
人目で、数字の意味がわかりやすく、ほしい数字を見つけるのに簿記技術がいらなくなります。
Excelで作られた表とくらべて、まるで雑誌をみるような気軽さで、ページを開くことができます。
この「雑誌をみるような」がポイントです。
経営者が持つべきスキルは、簿記の帳簿を読みこなすことではありません。
リンクドデータベースでひとつのデータベースを使い倒す
ひとつのデータベースで、様々な目的に沿った表示を、遠隔で表示できる方法があります。
それは、リンクドデータベースというブロックで作られたデータベースです。
これで作成する時、既存のデータベースから選択することができます。
その仕組を使って、入出金データを違う表で表示することができるのです。
支払データ(買掛金)と、売上データ(売掛金)をひとつのデータベースにすれば、ここまで展開することができます。
- 経理担当者では、入金消し込みと、支払い請求書の消し込みに活用
- 支払いデータで、決裁者に情報をチェックしてもらえる
- 入出金データをカレンダー表示にすることで、簡易的キャッシュ・フローができる
このように、一つの情報が、いろんな場所で、違った表示で仕事に活用できるのです。
このデータを作成する人は、このあと活用する人のことを考えるようになります。
リレーション
得意先、取引先、担当者のデータベースは、一つのデータベースに、リレーションされていることで、効率があがります。
たとえば、
とある支払いデータに、取引先、社内担当者の情報を連携することで、より詳しい情報にたどりやすくなります。
とある支払時に、先方の情報が変わったことが判明したら、そこにリレーションで連携されている取引先データを訂正すれば、元データにも反映します。
あっちこっち、訂正巡礼の旅に出なくてすむのです。
オートメーション・テンプレート
タグの変更だけで、必要な情報が自動更新されます。
たとえば、経理で支払情報ができたとき、社長に通知が表示されます。
そして、社長が決裁したとき、経理に同じように通知が表示されます。
これは、オートメーションという機能を使った仕組みです。
また、予めデータベースの様式をテンプレートにしておけば、誰が作っても同様のデータを作ることができます。
いくつかテンプレートを作ることで、担当者以外でも業務にとりかかりやすくなり、仕事の属人化を防げます。
マニュアルの一極集中化
とにかく、迷わない、悩まない。
これが、経理業務が円滑に進むための、必要最低条件です。
それには、仕事のやり方をまとめたマニュアルを、Notionに集約します。
それによって、どのようなキャリアでも、仕事の手順を知ることができるのです。
このように、困ったときは、Notionのマニュアルをみる!
と全員が知ることで、相談先が明確になり、業務でフリーズする時間が短縮できるのです。
以上のようなことが、プログラミングを全く知らない人でも、自分たちで仕組みを作り上げることができるのです。
この「自分たち」が肝です。
仕組みを作って、運用し、改善することで、自然と経理能力がUPしていきます。
基本は、簿記ですが、これからの時代は、この仕事の流れを見て、形にする能力が求められます。
それを叶うツールが、Notionなのです。
=編集後記=
【昨日のできごと】
Notion大学文化祭にゲスト参加。楽しかった!
東京の街の移ろいに、びっくりしながら都内を散策しました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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