「ああ、なんて生きづらいんだろう」そう思いながら、働いていました。
就学前の子育てしながら。
この生きづらさは、どこからきているのだろう。
20年以上前の当時、保育園に預けて働いていたときに、
「こうだと何とか生きていけるのに」と思っていたことをまとめてみます。
なぜ、子育て中に孤独を感じるのか
実は、このネット記事を見て、子育て中だった当時の私に、ハグしてあげたい気持ちになりました。
子どもが急病……キリン社員は模擬体験 子育て支援のカギは 「当事者目線」にあり
去年の秋頃の記事なので、すでに読まれた方もいらっしゃるかと。
子育て中のわたしが、一番欲しかったもの。
それは、この「当事者意識」だったのです。
唯一、この時期に働く女性に共感してくれる存在が、「ママ友」と「保育園の先生」だけです。
職場に、同じような立場の人がいれば、そうでもないのですが、様々な年代で構成される職場という場所は、基本、子育ての現実を「わかっていない」人たちでいっぱいなのです。
故に、「当事者意識」も芽生えるはずもなく、働く母は、孤独と戦うようになっていくのです。
当時は、少数派でした。我慢して黙るしか、仕事を続ける術がありませんでした。
それぞれの理想の形
それでも、様々な部署に異動しながら働いていると、楽しいことも知っていきます。
経理部門に異動になったときは、同じような働く母たちがたくさん在籍していました。
上司は厳しく、口数も少ないのですが、家族になにかあると、「ああ、休みなさい」と自然に振る舞っていただきました。
働くのと同じように、休むことも自然体でいられた上、誰に何がおきても、全員でフォローするのが当たり前でした。
あの部署で働けたことが、子育てと仕事の両立について、ひとつの正解を得たように思えます。
家族
パートナーの背後に、パートナーを取り巻く社会がうごめいています。
未だに根に持っていることも、いくつかあるほどです。
本人が悪いわけではないのですが、同じ家族でさえ、
「おい!こら!真面目に子どもの病気と向かい合え」と、何度思ったことか。
突然の熱で休んだりお迎えいったりするのが、いつも母である私の役目になっていったこと。
これは、相当きつかった記憶があります。
保育園のお迎えに行ける時は対応してくれていたので、平均的なお父さんに比べたら、頑張ってくれていたと思います。
それでも、働く母の苦しみと孤独には、よくわかっていない節があるのは否めませんでした。
私が「こう合ってほしかった」と思うのは、まず、子どもが熱出て、パートナーからSOSでたら、自分で対処できるようにすることです。
なにも、仕事をすっぽかせとは言いません。パートナーが追い詰められている状況を、どんな手を使ってもいいのです。かわりにベビーシッターを手配するならできるはずです。
つまり、司令塔の役割をスイッチングする。
これに尽きるのです。
そして、「大丈夫」と安心させることが、一番大切なことでしょう。
職場
職場に、同じ境遇の人がいるかどうかで、まったくもって難易度が変わってきます。
一番たいへんだったのは、私以外、全員独身という職場でした。上司に当たる人は、結婚されていましたが、子育て経験がありませんでした。
子育てのプロと言われる幼稚園の先生は、若い方が多いので、出産育児の経験がありません。結構、幻想をいだいていることもあるので、子育ての理解が一番むずかしい世代なのかもしれません。
職場に、同じように苦労した人がいるかどうかで、子育てと仕事の両立の難易度がまったくもって変わってしまいます。
同じ仕事でも、人員構成によって、こうも変わるのかと。
家族の場合、コミュニケーションを取ろうとするので、改善の余地はありますが、
職場の場合は、ほぼ「ガチャ」です。運があるかないかで、仕事と育児の質が変わってしまうのです。
私が、職場にあるといいなと思ったことが、一人一人の負荷をかけるのではなく、みんなで負荷をシェアする発想に変えることでした。
「えー。お子さん熱で、もう帰られるのですか?このあと、〇〇はどうするんですか!」
ではなく、
「えー、大丈夫ですか?早く帰ってあげてください。あとは、〇〇なんとかするので」
です。
そのためには、職場の上長の考え方を変えないとできません。
「〇〇さん、またお子さんの熱でいません!」と言わせるのか、
「〇〇さん、お子さんの熱で帰るので、AシフトからBシフトにチェンジしよう」となるのか。
これは、職場の上長の腕にかかってきます。
地域
私は、この地域には恵まれていました。
保育園待機時ゼロでしたし、保育園の先生が素晴らしく、なんど先生の胸の中で泣いたことか
(母親である私が、号泣したという……)。
まず、子どもに慣れていないお母さんは、とかく不安です。
「大丈夫ですよ」と声をかけてくれる保育園の先生がいるだけで、もう十分なのです。
この問題は、各地域の自治体によるものなので、もし、よくないなと思ったのなら、可能なら引っ越しして、地域を変えることも視野にいれてもいいと思っています。
子育てにいい条件を揃えている地域とは、次のように考えます。
- 保育園入園待機時ゼロ
- ベテランから若い先生まで、偏りのない人員で構成されている保育園
- 子どもはもちろん、親の変化に敏感な先生がいてくれること
- ママ友との時間が作れること(保育園年長さん)
- 市役所の担当者が、様々なケースを踏まえ、アドバイスできる技能を持っていること
保育サービスが充実しているのは、当たり前なので条件に含めませんでした。
このように、制度だけ充実しても、働く人にとって使いにくいものになることもあります。
あくまで、制度をよくしていくのは、「人」です。
この「人」が充実しているかどうか、仕事と子育ての生活の質も変わってくるはずです。
相手の立場に立つとは
家族も、職場も、地域も、いずれも関わっている人たちが、働く母の孤独を理解できているかどうかで、その後の仕事と子育ての両立がうまくいくかどうか、変わっていきます。
そこで、さきほど紹介した記事のキリンビールでは、1ヶ月、疑似体験として、働く母の体験をするという研修が行われているとのことです。
厳密には、「介護」「家族の病気」「子育て」の中から選択して、1ヶ月間、労働時間の制約と、帰宅後に仕事を持ち帰ってはいけないという条件で働いてみる、ということらしいです。
当事者からみたら、「現実は、そんなもんではない」と言いたくなりますが、これだけでも、経験したことのない人からみたら、相当キツく感じるそうです。
子育てに限らず、一番たいへんな状態の人が身近にいたら、「当事者の目」で共感できるようにしておきたいですね。
まさか、こんな自分にも、あんな大変なことが降り掛かってくるとか、ありえる話です。
他の誰かが、なにか困っていることがあるかもしれません。
身近にそのような方がいらっしゃるなら、当事者意識を持って、どうしてあげたらいいのか、考えられるようにしておきたいものです。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
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ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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