事業計画、予算書。これらは、お金を動かす時に必ず求められるものです。
助成金や補助金、お金の借り入れ、または新規事業の出資など。
これから始める未来に道筋をつける資料は、わたしたちの行動をブレさせないために有効ですが、ときに経営判断を遅らせる要因になったりします。
まず、予算書の弱点をよく理解するところから、経営が始まると言っても過言ではありません。
実は、中小企業ではあまり見ない予算書
予算書。実は一番よく見かけていたのが、学校のPTAや地元の自治会の総会資料でした。
総会とは、その団体に所属している構成員が一同に会して、前年の総括と今年度の方針を確認承認するために行われるものです。
決議機関としては、一番強力であり、総会でしか決議できないものもあって、執行部は準備に相当な気を使う仕事でもあります。
しかし、中小企業では、総会という名の会議は、身内で行われるケースが多いです。
同族会社(ほぼ親族だけで役員が構成されている)であれば、夜の家族での晩酌が、実は会社の定期株主総会だったりします。
このような株主総会で、予算書をわざわざ作って、承認を得ることはまずありませんでした。
法人の成り立ちによって、予算書が欠かせないところ、別になくてもなんとかなるところがあります。
予算書が必要ない法人は、基本お金は自分で稼いでなんぼの法人(営利法人)です。
そして、予算書が必要な法人は、お金は寄付などで集まってくる法人(公益法人)です。
また、営利法人で予算書が必要なときは、補助金申請や借入の申し込みなど、お金を拠出してくれる相手に説明するときです。
「お金だしたんだけど、ちゃんと決められたとおりに使っている?」
というアンサーで、事業計画や予算書が使われているのです。
実は、予算書にはメンテナンスが必要です
といいつつ、実は、公益法人で財務諸表から予算書がなくなっていることをご存知でしょうか。
予算書は、事実をまとめる財務諸表ではなく、次年度の未来に向けての計画を数字に置き換えたものにすぎない、ということです。
では、作らなくていいのでは、ということですが、
税制上優遇されている公益認定を持っている法人は、新しい事業年度が始まる前日までに、理事会で決議された事業計画と予算書を行政に提出しなければなりません。
では、一旦提出した予算書は、絶対に従わなければならないのでしょうか。
基本、従います。
でも、世の中、何が起こるかわからないのが常です。
公益法人で、緊急の支出が起こるときは、たいてい災害などの突発事故による援助のケースがほとんどです。
しかし、今の時代、移ろいが早く、1年立たないうちに計画になかったことが行われることもあるかもしれません。
このようなときは、法人は「補正予算」をくみます。
つまり、一旦作った予算書を、これから残されたお金で、再分配をするのです。
この補正予算が、きちんと追いきれているなら、予算書は正しく機能していることになります。
でも、当初作った予算書のまま、形骸化している場合もあります。
それでは、予算書の意味がありません。
予算書は、決めるべき人たちが、コミュニケーションする場所と機会を提供しているようなものです。
このまめな、コミュニケーションがなければ、その団体は一部の人に運営を任せてしまっている、活気のない団体とも言えます。
予算書とキャッシュフロー計算書の二刀流で経営判断
とはいえ、中小企業の場合、話し合いも何も、経営判断は、社長の独断で進めることが多いです。
チームだとして、少人数です。
そこで、いちいち補正予算を組むのは、ナンセンスとも言えます。
これが、予算書を作るデメリットでもあるのです。
予算書だけでは、経営判断には向かないということです。
では、どうすればいいのでしょう。
私は、目標に進むための道しるべとしての「予算書」と、日々のお金の流れをキャッチしつつ、数年後のキャッシュの状況を見る「キャッシュフロー計算書」の二刀流で、未来を予測していくことをおすすめしています。
たいてい、黒字が生まれにくいときは、この先の運転資金の状況が見えていないときが多いです。
予算通りに運用していれば、お金がなくなる心配がありません。
でも、緊急で物入りになったとき、あとからどれくらいで回収できるかを、チェックする必要があります。
これに役立つのが、キャッシュフロー計算書で、予測を立てる方法です。
Notionで簡易版を作ってみました。
Excelでつくるより、データとして仕訳を登録するだけなので、Notionに慣れている方ならやりやすいかと思います。
こちらのテンプレートは、キャッシュフロー計算書を簡単に作れるよう、デフォルメされたテンプレートです。
複製して、ご自身の経理に利用してみてください。
実は、未来のキャッシュフローを入力する際、予算書を作る方法で数字を決めていきます。
予算書を作るより、この未来へのキャッシュ・フローを作れば、中小企業の経営であれば、ほぼ間違いないでしょう。
予算書とは、未来の自分への約束です。
未来の自分がわかれば、今やるべきことも見えてきます。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
=おすすめのサービス=
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