自分の心に感じる違和感は、そのままにしてしまうと大きなシコリになっていきます。
小さな「あれ?それは違うのでは?」と感じたことは、言語化して相手に伝えましょう。
新しい環境に、緊張の面持ちでやってくる新しい仲間。
そんな新人に気を使って、言いたいことを我慢してしまいます。
でも、その我慢が、後々取り返しのつかないことになる可能性が高いのです。
受け入れる人こそ、知っておいてほしい「アサーティブコミュニケーション」の話です。
小雨降るある日のバス停での話
私の自宅最寄りバス停での話です。
その日は、小雨が降りしきっており、傘がなくても、あっても微妙に濡れる変な雨の日でした。
毎日利用している近所の人たちも含め、なぜが不思議なルールがあります。
「バス停のすぐ近くに待たず、約2メートル後方に離れて待つ」
これは、コロナがきっかけだったように記憶します。
また、雨が降っている時は、雨宿りするために、バス停から離れて待つこともあります。
そんな暗黙の作法があるので、その日1番に待つことになった私は、雨を避けるようバス停から1メートル離れたところで待っていました。
その後、高校生二人組がやってきました。
ところが、その二人は、私が1番にもかかわらず、バス停にピッタリと寄り添うように立ったのです。
しばらく様子見ていたのですが、このままバスが来たら私を抜いて先に乗ってしまいそうな感じです。
ここで、彼らに言葉をかけることにしました。
「君たちは2番目だからね」
高校生二人は、「あ、はい」と答えたので、通じたのでしょう。
さて、バスがやってきました。
いままでなら、1番に待っていた人が先に乗り込みます。
なのに、高校生二人組は、私を無視して先にバスに乗り込んでしまいました。
「あへ?」
鳩に豆鉄砲状態の私は、頭の中で疑問符がたくさんでてきました。
バスに乗り込んで、しばらくして、どうしてもこの違和感が拭えず、
私は勇気を振り絞って、二人のうちひとりの高校生に声をかけました。
「ちょっとごめんね」
と、声をかけて彼の目線より下になるようにしゃがんで顔を覗き込みました。
「さっきバス停で、私が最初に待っていたのわかっていたよね。
この場合、先に待っていた人が1番にバスに乗るんだよ。
お年寄りの場合、君たちが座っている席に座りたがる人が多いんだ。
あとからきた君たちが先に乗ってしまうと、先にバス停で待っていた人が座れなくなるんだよ。
ちゃんと、順番を守ってバスに乗るようにしてね」
思いの外、彼はびっくりした顔をしたあと、
「あ、ごめんなさい」と謝りました。
社会のルールを知らなかっただけのようです。
ま、あとからもう一人の友達と
「あのおばさん、しつこかったね」で、終わらせていたかもしれません。
でも、あの場では、自分に不備があったことに、素直に認めたわけです。
もう、それでOK。
私は気持ちを切り替えて、約束の地に向かうことができました。
アサーティブとは
私は、アサーティブコミュニケーションをとることに決めています。
そのほうが、気持ちを引きずったり、嫌な感情を蓋をしたことで、あとから蒸し返すこともありません。
このアサーティブコミュニケーションとは、相手と自分の両方を尊重する考えで、やりとりすることを言います。
例えば、一緒に友人と喫茶店に入ったとします。
(今では、法律で店内でタバコは吸えませんが……)
その友人から「タバコ吸って言い?」と言われたら、思わず
「いいよ」と答えてしまうでしょう。
アサーティブコミュニケーションの場合、
「悪い。タバコアレルギーで咳き込んじゃうんだよね」
タバコに困ってしまう理由を、さくっと伝えます。
次に、タバコを吸いたい友人に提案します。
「じゃっさ、タバコが吸える場所がある店に変えよっか」
相手は、タバコが吸いたいわけです。それも尊重して、二人の落とし所を二人で探していくのです。
これがアサーティブです。
もし、アサーティブではなかったら、次のような言葉と感情が湧き出てきて、心の中で渦巻いてしまいます。
こっちは我慢しなきゃいけなかったんだよ!!(怒)
なんて、どうどうとタバコ吸いたいと言い張るんだ!!(怒)
うわ、煙で喉が辛くなってきた!!!(辛)
もう、この人と食事にいくの辞めておこう(悲)
怒り、辛さ、悲しみ
この感情がどんどんと膨れ上がって互いのためになりません。
そして、何よりも1番なのが、自分と同じように相手の思いを尊重するという考えです。
まずは、自分のことを言葉で説明したあと、相手からの反応も、相手の自由であるということです。
今回、喫茶店でタバコが苦手と言われた相手。
そこで、相手が我慢してタバコを吸うの辞めるのか、新しい店を探すのか。
それこそ、相手次第なのです。
もし、アサーションコミュニケーションで、相手が離れていってしまったら。
これこそ、相手の反応です。尊重しましょう。
感情ではなく、事実を淡々と伝えるコツ
実は、このアサーティブコミュニケーション。
トレーニングをしないと身につかない、難しいコミュニケーション方法です。
相手に自分の考えを伝えるのは、実に難しいのです。
ここで、ちょっとしたコツをお伝えします。
自分のことを自分の言葉で説明する習慣をつけるのです。
日頃から、次のようなことをやっておくことをおすすめします。
- 自分が苦手でやらないこと、やりたくないことをリスト化
- 自分が困っていることを感情を表す言葉を除外して、説明してみる。
この2つだけです。
さきほどの、バス停での話。
私は、荷物も多く、バスの中でiPad miniを開いて仕事もしたかったのです。
でも、座れずに困ってしまいました。
先に乗ってしまった高校生たちに、憤慨するのは簡単です。
でも、その憤慨の元となる状況は、自分が困っているという事実のみです。
高校生と私。
このジェネレーションギャップで生まれた違和感は、彼らに伝えることで、後腐れもなくなりました。
今までなんとか均衡がとれていた職場などの集団に、新しい人たちが加わります。
互いに違和感を感じることがあるかと思います。
でも、その違和感を言葉にして、淡々と伝えて相手のことを尊重すれば、心の蓋は必要なくなります。
相手に合わせることが、かえって相手を困らせることにつながります。
自分のことを淡々と言葉にするだけでも、視野が広まります。
新しい出会いに向けて、良い関係が築けますように。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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