経理担当者は、損な役回りです。
頑固、融通きかない、屁理屈、いい塩梅にしてくれない、やさしくない……。
現場から。経営者から。部下から。嫌われやすい部署ナンバーワンかもしれません。
でも、それには、周囲にはわからない事情があるのです。
このブログで、経理担当者が救われ、周囲の方も関わり方を見出していただければ、嬉しいです。
誰もわかってくれない、「簿記」という言語
なぜ、経理担当者は怖いのでしょうか。
理由は簡単です。
物事をすべて見通した目で、仕事をしているからです。
周りからみたら、なぜそんなことになっているのか、理解できないため、怖く見えるのです。
考えてみてください。言葉の通じない人だけど、なぜか自分より物事をよく知っている海外の人が、その場を仕切っていたら、怖いに決まっています。
経理担当者は、通常、「簿記」を使って仕事をしています。
すべての取引、お金の動き、それらを記録していくのが仕事です。
この仕事は、根気のいる仕事ですが、だんだん慣れてくると、会社ごとの癖というものが見えてきます。
「慣習だけど、これは、正しくない取引では?」
「あれ、このままいくと、運転資金が……」
これらを理解できるようになると、もうその経理担当者は、レベルがレベチ、つまり、最強スペックを持ち合わせるようになっています。
また、新しい取引があるとき、話を聞きながら、経理担当者の頭の中で、仕訳を切ったりしています。
このときの、遠くを見る目が怖がられたりします。
現場や、経営者は、それぞれの立場からしか、視点がありません。
(比較的、経営者の方が視野が広いですが……)
でも、それらを統括して、状況を把握しているのが経理を担当している人なのです。
私も、経験がありますが、不思議と手にした帳票から、臭うことがあります。
今までの経験から、「おかしい」と嗅ぎつけて、調べると間違いがあったということがあります。
簿記で、すべてを把握して、仕事を通じて筋肉が鍛えられ、嗅覚も育っていったりするのです。
だから、経理担当者が化け物に見えてしまうのは、しょうがないわけです。
残念ながら、決算書が読めますというレベルでは、この域に達することは難しいです。
難局に何度もぶつかってきた、経営者の視点。
何回も、会社の取引を簿記で記録してきた経理担当者の視点。
この2つがうまく相互作用することで、そこの会社はもっと強くなれるのは、想像しやすいでしょう。
経理担当者と、それ意外の人のそれぞれのミッション
お互い、言葉が通じないわけですから、いきなり会話を始めても、ただ困惑するだけです。
ここは、両方の言葉を知っている経理担当者が、うまく使い分けて伝えるようにしましょう。
専門用語は、極力使わない。
専門用語は、該当しない人からみて、拒絶した気持ちをさせてしまいます。
もし、そうさせてしまったら、もう一度心を開いていただくのに、時間がかかるのです。
でも、経営者の方に、わかりやすい言葉で伝えると、「そんなことわかっている」と自尊心を傷つけることになりかねません。
できたら、立場の上の方が、その塩梅を伝えてくださるのが一番有り難いです。
でも、そうも行かないのも現実。
ここは、全体を見渡すことができる、経理担当者の采配次第となります。
基本は、難しい専門用語は、わかりやすい言葉に置き換えられるように準備しておきましょう。
経営者の方は、顧問税理士先生から、教わることができるので、そのあたりをお任せしてしまうのも、一つの手です。
間違いは、怖がられても毅然と伝える勇気を。
もし、間違えた処理がでてしまったら、経理担当者の仕事として、関係するところにアラートを出します。
本来、それが仕事なのですが、慣習に従って、なあなあになることもしばしば。
これが、不正経理の始まりだった、ということもザラにあります。
経理において、すべて把握しているのが経営者ではなく、経理担当者です。
ゆえに、「これは、経理が勝手に処理した」として、責任を負わされることもあるのです。
ここは、感情を一切入れることなく、淡々とアラートを発して報告することのみ、考えましょう。
その先の判断は、組織が考えます。
ただ、その答えを受けられるかどうか、そこは、経理人、会計人としての誇りを守るようにしましょう。
必要とあらば、転職したっていいのです。
私のように、独立することもあってもいいのです。
やさしいだけではだめ。根気強く言い続ける
経理担当者は、現場の方々に対して、協力をお願いすることが仕事になります。
しかし、お願いすることが、なぜ必要なのかを理解していないと、ただ
「経理に言われたから」としか、認識してくれません。
ここで、やり方が2つでてきます。
一つは、「経理は怖い」を利用して、恐怖から行動を促す方法。
もう一つは、嫌われるのがいやで、甘やかして、手助けしまうという方法です。
私は、両方の経理担当者を見たことがあります。
そして、私は、恐怖感を使って、行動を促すタイプの経理担当者でした。
でも、この両方は、お互いにとって、いいことはありません。
一番は、淡々とお願いごとを、何回も繰り返して、飽きずに言い続けるというものです。
もし、やっていただけないなら、それなりの結果を突きつけるのみです。
経理において、例外的な仕事は、不正のリスクが高くなるので、避けたいものです。
しかし、一切、人間的感情を捨てて、淡々と伝えると、より怖がられてしまいます。
得意なキャラクター(肝っ玉かあさん、学校の先生など)で演じるように、伝えるのもいいでしょう。
また、やっていただく上で、障害となることがあるなら、それを改善するためのDX化を進めることもできます。
DX化は、楽して正しいことを進めるためのツールです。現場のために、できることを提案するのも、経理担当者の仕事です。
経理担当者は得な役回りです
こうして、巡り巡ってみると、経理担当者は、一番美味しい立場ではないでしょうか。
- 簿記という言語を操れる。
- 仕訳でものを考えられるようになると、取引先のことや、自分たちのことを客観的視点で見ることができる。
- 組織の中で、一番情報量が多い。
- 経営者より早く、危険を察知することができる。
- いざとなれば、会社を守る守護神に。
- 一人ひとりが困ることがあれば、魔法の杖(DX化)で解決できる。
かっこいいじゃないですか!
多少、怖がられたとしても、広い視野を持って仕事をすれば、必ず誰かが見てくれます。
「うちの経理は、いい仕事してくれる」と。
自分にしかできない仕事を、誇りを持って進めていきましょう。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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