人前で話すのに、必要なこと。それは、「間」です。
この「間」を会得するのに、私はまだまだ習得できずにおります。
社会人1年目の話し方トレーニング
学校を卒業し、初めて社会にでた現場は、学校でした。
小学校教諭の教職をとっていたので、子どもたちの前で話すには、場数はある程度ふんでおりました。
しかし、学校は専門学校だったことで、ほぼ大人である学生を前に、話をするのは、とても緊張していたのを覚えています。
授業も持っていたので、これはなんとかせねばならぬと、職場の先輩に相談しました。
「落語を聴くといいよ」
そう言われ、当時NHKの番組で、落語をやっていたものを録画をとり、週末にまとめて見ていたのを思い出します。
今思えば、ただ、見ただけでは身につきません。
でも、噺家さんの目線、動き、高座に出てくるまえのお囃子。
すべてが、絶品と言われる所以が、「間」だったのを思い出しました。
その後、毎日学生の前で話をする日々が続き、話芸といいながら、結局はコンテンツなんだと自覚したのが、社会人4年目くらいでした。
噺家の話芸は、高座に上がった瞬間から始まる
先日、初めて生の高座を聴く機会がありました。
高座に上がるまで、どんなお客様がいるのか、あえて事前に見ず、出てきた瞬間で、どのように話し始めるのか、決まっているようでした。
この瞬発力は、すごかったです。
次に、お客さんをどのように聴く準備として耳を開いてくれるのか。
最初の世間話から、すっと落語の世界に誘うさり気なさが、まさに「絶品」と言われる所以だと、知ることができたのです。
私は、噺家になるわけではないのですが、人前で話すときの配慮は、大いに勉強できると思っています。
最近は、オンラインで話す機会が増えました。
You Tubeなど、最初の数秒で、サクッと話題を紹介して、聴く方を待たせることなく本題に入る話し方に慣れてしまっていました。
でも、生身の人間の話は、温度が必要です。
いきなり、本題に入って、わーっと喋るのは、ただ、自分だけのガナリにすぎません。
話す人が緊張しているのではなく、聴いている人も、期待という心のこわばりを持っていることを、改めて気付かされました。
話し方のバリエーションを作る
では、どうやったら、良い話し方を身につけられるのでしょうか。
これは、もう、場数を踏むことです。
ただ、話して終わりでは、改善はできません。
きちんと振り返ることも必要です。
今回、生の落語を聴いて、次のようなポイントを考えてみました。
- 話すことに緊張するのは、自分だけではなく、聴く人も緊張している。
- 声量よりは、声質を大切にする。
- 立派な話しをして、感動してもらうことに固執しない。
- 話を聴く人が、自分の中で練り直せる時間を、話の中で作る。
- 自分の声を、振り返りとして聴く。
聴く方も、緊張しているのだから、自分の緊張よりは、聴く人ファーストで、緩めて差し上げましょう。
そういう意味で、場を温めるのは大切です。導入は細ければ細いほど、本題の話が聴く方にしっかりと届くようになります。
自分の声をしっかりと聴いておきましょう。
そして、むりやり感動させるのは、傍から見て痛いものです。感動させるより、最初にいかに心を開いていただくかです。
難しいテーマを話すときこそ、導入は丁寧にしておきたいです。
そして、「間」。
この間は、それまでの話を受けて、聴いている人が自分なりに落とし込むための時間です。
間を詰めるのではなく、自分の呼吸を大切にして、自分の頭の中で考えるスピードで、話せるように練習します。
だんだん早口になりがちなのは、音楽を演奏していても同じです。
テンポを一定にするには、心拍数を一定にしておく平常心を鍛えておきたいものです。
そして、話したあとの自分の話を、聴いておきましょう。
大事な振り返りです。
恥ずかしくて、聴きたくないと耳を塞いでしまうと、改善することができません。
実は、私は自分が話す声を、一度も聞いたことがありません。
自分の声が聞こえた瞬間、すぐに動画を止めてしまっていました。
でも、この振り返りこそ、話し方を鍛えるのに一番効率がいいのです。
うまくいったときの話しであれば、なんとか聞き返すことができるはず。
自分の良さを知る機会になるので、お気に入りのものを聞き返すようにしましょう。
自戒をこめています。
最後に、動画ばかりで話さないことです。
リアルで、人前で話す機会を、積極的にとりにいきましょう。
噺家さんが、どのような練習を重ねて、高座にあがっているのか。
それを知るだけでも、練習方法の参考になるかもしれませんね。
今度、その機会を得られるのであれば、また、高座を聴きに行こうと思います。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
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今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
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