韓国ドラマ2025から学ぶビジネススキル「中小企業社長」「コンサル業務」

エンターテイメントを通じて、仕事スキルをUPしよう！！！

ということで、2025年にNetflixで配信されたドラマのうち、2つをご紹介します。

中小企業やスタートアップで頑張る社長へ。

コンサルティング業務で頑張る方へ。

今回は、ひとりビジネスに近い業種に、よりすぐりの作品の解説をいたします。
（少々のネタバレもあります）

ぜひ、お正月休みにごらんください。

韓国ドラマ「テプン商事」が教えてくれる、中小企業経営のリアル

ドラマが描く、現実そのものの苦難

舞台は1997年、韓国IMF通貨危機という最悪の状況。遊び人だった二代目のカン・テプンが、突然父の中小商社を継ぐことになり、会社再建に挑む物語です。

このドラマ、何がすごいって、事業承継や資金繰り悪化、詐欺まがいの起業塾による被害など、中小企業が密かに抱える悩みがリアルに描かれているのです。

韓国のIMF危機も日本の中小企業も、「困難の山と谷だらけ」。

そんな現実を、脚本が忠実に落とし込んでいます。

正直、観ていてヤキモキする展開も多いです。なかなか苦難から抜け出せない。

でも、それこそが中小企業経営の現実なのです。

経営戦略とマーケティングの視点

ドラマの中で、テプンたちが繰り出す経営戦略が面白いです。

動画による商品紹介、流通の中抜きによる原価削減など現代のマーケティング手法を先取りしているのです。

タイの財閥に対して、取引メリットをロジカルに説得する営業力も見事。

ここは、現代の経営者にも通じる学びがあります。

経理の私が唸った、有能な経理の描き方

経理コンサルタントとしての私が最も感動したのは、経理のオ・ミソンというキャラクターです。

第二話で、返品された高級生地をなんとか売らなければ…という場面。

営業マンたちが頭を抱える中、ミソンは「返品したほうが損が少ない」と数字からロジカルに説明するのです。この発想、営業マンにはないわけで。

即座に数字を言える能力。これが有能な経理の証です。そして、有能な経営者は、経理が有能であることに最大の価値を置きます。

ドラマを通じて、この真理が描かれています。

お金よりも人を優先する経営

テプンは、多くの紆余曲折を経て、新米商社マンから本物の社長へと成長していきます。彼が大切にしたのは、お金よりも人。

テプン商事の社員たちは「家族」と呼ばれ、固い連帯感で「ワンチーム」を形成します。この人間性と価値観が、会社を支える土台になるのです。

同士を見守るつもりで

このドラマ、なかなか楽にならない現実を描きながらも、人間的な成長と希望を感じられる作品です。

だからこそ、同士を見守るつもりで観てほしい。苦難から抜け出せないストーリー展開でも、それが現実の忠実な描写なのだと理解して観ると、深い共感と勇気をもらえます。

経営の現場で戦っている皆さんに、ぜひ観ていただきたいドラマです。

「ダイナマイトキス」から学ぶ！理想のコンサルタント像「コン・ジヒョク」の仕事スキル

生計を立てるために「子持ちの既婚者」だと偽って育児用品会社に就職したシングル女性コ・ダリムと、そんな彼女を好きになってしまうチーム長コン・ジヒョクの切ないオフィスロマンスが描かれています。

一見すると、よくあるラブコメドラマに思えるかもしれません。

しかしこのドラマが優れているのは、職場での人材育成、リーダーシップ、そしてコンサルティングの本質が丁寧に描かれている点です

このドラマでは、コン・ジヒョクというキャラクターの仕事ぶりに目が留まりました。

恋愛要素も魅力的ですが、それ以上にこの人物のコンサルティングスキルの高さに注目せざるを得ませんでした。

クライアントの変化を見逃さない洞察力

ジヒョクの観察眼は本当に見事です。

ダリムがストレス性胃炎でお腹をさすっている表情をキャッチし、ランチを残す、食後のコーヒーを断るという行動から食欲不振を察知。そして何も言わず、あわびのおかゆを買ってきます。

これは、コンサルタントに必須のクライアントの状況変化を察知し、先回りして支援するスキルそのものです。

クライアントが言葉にできない課題や懸念を、行動や表情から読み取る。この洞察力こそが、信頼関係構築の第一歩なのです。

さらに、パーソナルカラーの知識があり、第一話ではパーティドレスを試着なしで一発で一番合うものをセレクトする。

これは、リサーチ力と分析力、そしてクライアントの潜在的なニーズを見つける力の証明です。

クライアントを本気で成長させる伴走力

ジヒョクは、ダリムに報告書作成のアドバイスをして、アウトプット力を飛躍的に向上させました。

「筋トレと同じ。痛めつけて新しい筋肉をつける。苦しくても続けていれば得られる」という哲学で、事業継続の考え方を教えています。

韓国語で「ヌンチ（nunchi）」という言葉があり、「些細だけど他人の気持ちを嗅ぎ取る能力」を意味するのですが、ジヒョクはまさにこのスキルの持ち主です。

日本語でいえば「空気を読む」「察する」でしょうか。どうやら東洋独自の考え方を指した言葉のようです。

まさにこれが、顧客を育てるコンサル能力であり、クライアント支援にも発揮されているのです。

コンサルティングの本質は、答えを与えることではなく、クライアント自身が課題を解決できる力をつけること。

ジヒョクは、見守る目線でダリムの成長を辛抱強くサポートしています。

真骨頂は「成果を正当に評価し、言葉で伝える力」

しかし、ジヒョクの本当に優れた点はここからです。

チーム自体は「消える予定のハリボテ部署」でした。

誰も期待していなかったプロジェクトを、ダリムが一人で立て直しました。

執拗に継続し続ける継続力、チームの士気を高める力、メンバーのポテンシャルを上げるリーダーシップ。

本来のダリムには、これらのスキルを持ち合わせるポテンシャルを持っていたのです。

そして12話で、ジヒョクはダリムにハッキリと伝えます

「消える予定のチームを、ここまで育てた。辞めるのはそれからだ」

これは、コンサルタントとして非常に重要な場面です。

クライアントの見えない努力と積み重ねた成果を、ちゃんと見ていて、言葉にして本人に伝えること。

12話のエレベーターホールで、敵対するキャラクターとのセリフ

「人は本能的に感じ取る。育ててくれる人か、食い物にする人か」

これは、コンサルタントとクライアントの関係性を端的に表しています。

現実のコンサルティング現場にも必要なスペック

ジヒョクの本質は、愛の力ではなくプロフェッショナルなコンサル能力です。

彼はダリムの潜在能力を見抜き、適切なアドバイスと機会を与えることで、彼女を開花させました。

この一言があったからこそ、最初は「自信がないから無理」（第一話）とあきらめていたダリムも、自信を持って最終的に投資という支援を受けて、起業します。

これぞ、プロのコンサルタントなのです。

私自身も、経理コンサルティングの現場で、クライアントの成長を本気で支援し、その成果をしっかり評価して伝える――この視点を大切にしていきたいと思います。

ヒロインの相手役から学ぶこと

とにかく、韓国ドラマの男性俳優は、かっこいい。

民族的に日本人にない特性を持っています。

• 高身長
• 骨格の良さ
• 筋トレで筋肉を纏う習慣
• 英語のセリフもきれいに決める
• 長尺なドラマ収録にもめげない気力と体力と集中力

イケメンだけでは片付けられない、素晴らしさ。
そんなハイスペックの美貌に惑わされますが、キャラクターへの造詣も深く分解して自身の体や心に落とし込む技能の高さにも、おもわず脱帽してしまうのです。

「テプン商事」での俳優、イ・ジュノ。

彼からは、事業をなんとしてでも続けるひたむきさと、危機を好機に変える機転。
2代目社長が体験する事業承継の厳しさを学びます。

そして、「ダイヤモンドキス」での俳優、チャン・ギヨン。

元モデルのナイスバティと、東洋のクールビューティー男性版の俳優。
でも、このヌンチスキルを撮影現場でも発揮するところから、御本人にもコンサルティング能力の高さを持ち合わせていたことが、容易に想像できます。

これらのドラマは、とものNetflixにて配信中（2026年1月1日現在）です。
（けっして、Netflixの回しものではありませんが……、下記の画像をクリックするとNetflixサイトに行きます）

「ビジネススキルをエンタメから学ぶ」

それもあってもいいのではないでしょうか。