かつて、仕事場には紙がたくさんありました。
そして今、紙がなくなり、サーバーというところにデータがたくさんあります。
かつて、紙で情報伝達と確認をしていたのを、今ではデータという架空の空に貯めています。
まるで手に届かない場所に、無数の石を置いているような感覚に陥ります。
これが、ペーパーレス化を躊躇してしまう、いくつかある要因の一つです。
この壁を乗り越えるために、Notionを活用した事例を紹介します。
もうデジタル化は避けられないようです
会社や事業での経理の終着点は、いくつかありますが、そのうちの一つに、税務署に提出する確定申告書というものがあります。
これは、経理で作成された決算書を元に、税金の計算を行い、申告するために提出します。
以前、申告書提出には、原本と控え(原本をコピーしたもの)の2部を税務署に提出し、収受印(提出したのを確認したぞと、税務署の窓口で押印されるデータ印のこと)を控えに押してもらい、返してもらっていました。
ところが、令和7年の1月から、この収受印が廃止されます。
税理士に申告を依頼している場合、ほとんどが電子申告をしています。
この場合、影響は変わらずですが、問題は、自分たちで紙提出している場合です。
銀行の借入や、その他事業を証明するために、確定申告書の控えが必要になるので、
別の方法で証明をすることになります。(法人の場合)
- 申告書等情報取得サービス(e-Taxより)
- 納税証明書の交付請求(有料)
- 税務署窓口での閲覧(見るだけ)
かつては、収受印が押された申告書控えをコピーするだけでOKだったのが、
これだけ、手間が増えてしまうのです。
もし、それを避けたいのであれば、紙で確定申告書をやめて、電子申告をするようになります。
となると、電子で申告書を作成しなければならず、専門知識も必要になり、確定申告書作成ソフトを活用するようになります。
そうなると、今現実的なやり方として、クラウド会計ソフトに付随している、法人税確定申告書ツールを活用するようになります。
※マネーフォワードの場合は、別途申告書作成シフト「達人シリーズ(有料)」が必要(2024年8月25日現在)
こうなると、クラウド会計ソフトを利用するしか、道はなさそうですが、
その道も、それなりに険しいものになります。
そして、クラウド会計ソフトが苦手とするのが、手入力による仕訳登録です。
データ化したものをインポートする方が、一番効率がいいわけで、
そうなると、最初から仕訳はデータ化するようになります。
つまり、自然とペーパーレス化に経理業務フローが変わるのです。
紙とデータは、似ているようで全く違います
時代がどんどん、デジタル化に向かっていく中、まずは自分たちがすることは、紙からデータを吸い上げる方法を考えます。
私は、その過程でNotionの導入を勧めています。
なぜ、Notionがいいのか。
それは、Notionを作る過程で、データベースの考え方を体験できるからです。
Notionでペーパーレス化を目指す際、次のような過程を経ていきます。
まず、情報を分解するところからペーパーレス化が始まる
今、紙に記載しているものを見てみます。
例えば、人事労務関連の有給休暇申請を例にしてみます。
ここで、紙に書く項目をリストアップします。
- データ名
- 提出日
- 社員名
- 社員の所属
- 申請期間
- 事由
- 備考
- 最初の承認者
- 2番目の承認者
- 最終承認者
この10項目になります。
一つひとつの項目がどこに反映されるか
これをNotionで表現してみます。
このプロパティを作る時、ひたすら考えていることは、一つのプロパティがどこから来て、どこへ流れていくのかです。
例えば、
休暇期間→社員の休みカレンダーに反映させたい。
承認者→承認すべきときに、リマインダーが起動するにはどうしたらいいか。
です。
休暇期間なら、このデータベースをカレンダービューにすればいいわけです。
そして、もう一つは、別のデータベースで管理すべきものは何かを見極めます。
また、各個人の有給取得数をカウントも可能です。
まず、Notion数式で、休暇申請の日数を算出します。
このように、一回それぞれの情報をインプットしたら、自動でいろんな計算や表示、そして内部統制まで管理する方法を考えることができるようになります。
そして、何が何でも一つのデータベースにしないものも洗い出します。
今回のケースなら、ユーザーは、別のデータベースで社員台帳を作成することで、
社員データベースから、有給取得日数をチェックすることも可能になります。
このように、Notionを使うことで、一つの情報をどこまで派生させるか、考える機会を得ます。
これが、紙だったら、都度必要なときに同じ情報を何度も入力することになります。
データベース思考とは、一つの情報をどこまで展開するかを考えます。
逆に、紙思考は、いくつビューを作成するかを考えます。
この違いは、全くもって異なるのです。
ペーパーレス化のとき、最初に心がけること
このように、職場のデジタル化を目指すとき、一枚の紙からどれだけ情報を分けていくかになります。
バックオフィスの思いは、いかに書類を作るかではなく、いかにデータを分解して、一回の作業で済ませるかで、考えていきます。
でも、難しいことを考えず、次のように捉えるとわかりやすいはずです。
送られてきた紙、手にした紙を、間髪入れずにデータ化するにはどうしたらいいか。
ただ、手にした紙をPDF化するだけでは、ペーパーレス化はできません。
その紙に書かれている情報が、他のデータベースで役に立つかどうか、想像していくのです。
簿記を勉強した人なら、「簿記一巡」の考え方に似ているので、経理担当者なら想像しやすいかもしれません。
もう、待ったなしで、外堀からデジタル化が進んできています。
慌てて高額なシステムを入れてしまう前に、まずは、自分たちがデータベースの考え方を習得することが、お金を守る意味で自衛になるでしょう。
ただ、PDFにして、どこに保存する?だけでは、デジタル化とは言えない、そんな時代が来ます。
ぜひ、積極的に自分たちからデジタル化を目指してみましょう。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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