※大きい小さい どちらにするか これも決断力
「決断力」ときくと、「即決」だったり、「思い切り」だったり、その場で反射的に反応して決めるイメージがあるかと思います。
例えば、ファミレスでパフェを頼むとき、ミニサイズにするか、レギュラーサイズにするか、悶々としていると、「決断力がないねぇ」と同席者に野次られたりします。
ミニサイズなら、食べすぎの心配ないですが、物足りなくなってしまうかもしれません。レギュラーサイズなら、満足しますが、後で食べ過ぎたと後悔するかもしれません。慎重に判断したいところです。
しかし、同席者にとって、注文の段で悩まれるのは、食事のテンポがずれるので、あまり嬉しいものではないのです。
果たして、「決断力」は、即決だけできればいいのでしょうか。
決断力とは
「決断力」とは、
「自分自身の判断・責任で決断する能力」(デジタル大辞泉より)
「決断」とは、
「きっぱり決めること、事のよしあしをさばくこと」(岩波国語辞典より)
改めて調べてみると、決めるまでのスピードが早いというわけではなく、正しい結論に、自分自身を導き出すことなんだと知りました。
例えば、先のファミレスでパフェの大きさに悩んだ場合、
悶々となのか、即決なのか、ではなく、今の自分にとって正しい結論を導き出せるか、ということです。
つまり、自分にとって、カロリーを考慮することが大切であれば、ミニサイズを選びます。
逆に、精神的満足に重きをおいていたら、躊躇なくレギュラーサイズを選択すればいいのです。
悶々と悩むとは、今の自分に必要なことをわかっていないため、メニューを選ぶときに、初めて自分の基準がどうなのかを考え始めているのだということです。
決めるスピードのことではなく、自分の基準が定まっていることが
「決断力」なのです。
まずは想定しておくこと
今、子どもの習い事の発表会の準備をしています。
緊急事態宣言が本日から再開し、期間中に発表会を実施することになりました。
私の担当は、来場者の案内です。
開場から開演までの30分間で、来場者の体温チェックと連絡先を記入した用紙を回収しなければなりません。
想定されることは、予め口頭や文書で案内しても、それに気づかない人がルールを知らずにやってきてしまうことです。
そして、感染対策ガイドラインに沿って、人と人の間を1m以上開けてもらうことが必要です。
となると、会場の外で並ばれると、ソーシャルディスタンスを取らせる仕事も増え、ルールの説明等で接触する可能性も出てきてしまうのです。
また、商業興行と違い、無償でチケットを配布するので、どこの誰がやってくるのか、予め想定することができません。
このように、想定されることを、脳内にリスト構築しておくことで、次なる一手を考えることができます。
父兄である我々は、素人なので極力接触をなくすことを第一に考えます。
そこから派生して考えられるのが、作業工程です。
極力、仕事を減らす必要があります。
そして、その次に考えられるのが、そのための準備内容です。
会場の外に長蛇の列を並ばせないために、予め入場のタイミングをずらしておきます。そのために事前に抽選して入場順番を分けるようにします。
というように、何を一番大事にするのか。それを守るためにできる方法はあるのか。と事前に方針と選択肢をたくさん用意しておくのです。
現状と想定のすり合わせにより決断する
さて、実際、うまくいくのでしょうか。
実は、まだ発表会はこれからなので、もしかしたら中止になるかもしれませんし、係の方のポテンシャルがどのくらいなのか不確定なので、どうなるか未知数です。
しかし、私は現実におきたことを、今まで脳内にリストアップしておいた選択肢とすり合わせ、最適な方法をどんどん繰り出すだけだと考えています。
それにより、決断スピードが早くなり、事態を収拾させるとふんでいるのです。
入場時の検温で、基準値より高いため入場をお断りする際、ゴネるひとがいたら、「ほかの人から即距離を置くようさりげなく誘導・・・」
入場時間より、早くきて列を作っていたら、
「車の中で待機していただくようご案内・・・」
等など、イメージトレーニングのように思い描いていれば、そのときは堂々と対処できるのです。
「決断力」とは、
判断する基準を明確にする、つまりテーマを決めておく。
そして、基準に沿った行動や決定事項をたくさん用意しておき、迷いなく手段を選べられること。
ということだと考えます。
事業を行う経営でも、まったくもって同じことが言えます。
価値観、基準が明確であること。
それにそった、計画や予算が組まれていること。
そして、定められた基準にそって、実行できたのか、きちんと評価すること。
この三段階で、フィードバックできるように、経営を営んでいっていただきたいのです。
そして、その評価の方法の一つとして、経理を活用していただくことをオススメします。
評価者の思いや偏りが一切なく、実態を正直に打ち出しているのが、数字です。
その数字を積み重ねる経理で、今現在の事業の状況を確認して、当初の基準に沿ってすすめられているか、逐一確認することもできます。
ぜひ、みなさんの決断力を維持するための経理を考えてみてはいかがでしょうか。