ひとり仕事を続けたいと思うなら、数字から逃れることはできないと思っておきましょう。
売上〇〇円、経費〇〇円、利益◯円。
これだけでは、仕事を永久に続けることは難しいです。
行動を変えるために読む数字は、誰からも教わることはありません。
なんでもお見通しと言われる会計事務所では、どの数字を重点に置いてみているのかを、わかりやすくまとめてみました。
お小遣い帳ではいけない、その訳
どうやら、税理士に丸投げする方が、効率が悪いのかもしれません。
開業当初は、売上も経費も少なく、自分で経理も確定申告も自分で行うことができます。
まだ、独学でなんとかなるレベルです。
でも、軌道にのって売上が増加してくると、取引数も増えて経理の手間が大きくなっていきます。
この時点で、ひとりで経理や確定申告をするよりも、この段階で税理士にお願いするケースが多いようです。
確かに、お小遣い帳レベルだった記帳を、経営に耐えうる経理に変える際、専門家にお願いするのは、当然のやり方です。
しかし、今まで自分で経理してきたのを、いきなり他人に任せることで、すべて他人任せになってしまうのは、非常に怖いことでもあります。
今まで、見えていた目に、突然目隠しされたようなものだからです。
このことを考えると、開業当初から、事業に耐えうる経理を自分でやっておくことが、一番効率がよく、安全とも言えるのです。
開業したら、収支計算書ではなく、損益計算書と貸借対照表を読めるようにしておくことです。
これが、無駄なく、安全に自分の資産を守ることに繋がります。
自分で読めるようにしておきたい数字とは
さて、開業当初、どのような数字を読めるようにしておけばいいのでしょうか。
事業などによっては、これ以外に必要な数値はあります。
損益分岐点、自己資本比率など、経営に必要な指標はいくらでもあります。
でも、すべてに通じて確認しておきたいものは、次に上げる2つの数字から押さえておくといいでしょう。
最低限知っておきたい数字を、順追って解説していきます。
貸借対照表
貸借対照表とは、「資産」「負債」「資本(元入金)」の3つのお金がどれくらいあるのかを記したものです。
この帳票から読み解けるものは、次のとおりです。
- 来年以降に事業で使えるお金(純資産)。
- 他人(他社)に返すお金(負債)。
- いますぐに使えるお金(流動資産)。
- すぐに現金化できないお金(固定資産)。
貸借対照表ができあがったら、まず、目を通す場所は「純資産」です。
設立当初からの成長度合いが簡単に知ることができます。
この数字から、これから何ができるのかを判断することができます。
貸借対照表は、自分の未来の姿を映し出しているのです。
損益計算書より、まずは貸借対照表を読み込みましょう。
貸借対照表を自分で作るために必要なこと
月次試算表ができたら、まずやることは、数字のチェックです。
正しく仕訳登録が行えているか、確認します。
- 通帳と帳簿の普通預金の残高が一致しているか。
- 売上計上したけど、入金がまだのものは、こちらの認識と一致しているか。
- カード払い、これから業者へ支払うもの、借入金残高が一致しているか。
最低限は、この3点を確認します。
勘定科目でいれば「普通預金」「売掛金」「買掛金」「未払金」「借入金」です。
損益計算書の粗利
粗利とは、売上から原価を引いた残りの利益のことを言います。
別の名称で、売上総利益とも言われています。
この数字からわかることは、今やっている仕事がムリをしていないかどうかを確認できます。
粗利が多ければ、自分は有利に仕事ができている事がわかります。
逆に、粗利が少なければ、自分が不利になっている状況であることがわかります。
もし、ここで黄色信号が点滅していたら、即着手して置かなければならないことは次の通りです。
- 材料や外注費が高すぎていないか。
- 適正な値付けをされているか、いないか。
この判断は、決算を迎えるころにわかっても、もう遅すぎます。
できたら、毎月月初(毎月1日)に、数字を固められるようにしたいところです。
ここで、外部に記帳を任せてしまうと、それが叶いません。
私は、自分自身で経理をするべき理由が、このためでもあるのです。
粗利は、生きた数字です。鮮度を絶対に落としてはいけません。
粗利を確認する方法
では、自分で経理した場合、正しく仕訳登録がされているか確認する方法を知っておきましょう。
- 前月、同じ月の前年、前々年からの推移を見て、変わりないか確認する。
- 業界の平均値と比較する。
1.は、会計ソフトから集計することができます。
2.は、業界の統計資料から読み解きます。
ちなみに、この業界別粗利統計は、ChatGPTから教わることができませんでした。
AIよりはググッた方がいいでしょう。
経理は自分のためにやろう
このように、自分の仕事が安全に進められているか確認するためには、即日の数字で判断できるようにしておきたいものです。
私は、ひとり仕事であれば、経理と確定申告は自分でできるようにとお伝えしている理由は、そこにあります。
気づいたら、すでに時は遅し。
そんなことが、たくさんこの目でみてきたからです。
また、自分の仕事の結果なのに、税理士に聞かないと自分で把握できない社長の多さに、一抹の不安が拭いきれないということもありました。
そして、いままでお世話になっていた税理士と連絡がとれなくなったことで、慌てて駆けずり回る社長さんも、何度かお目にかかったこともありました。
会計事務所は、このあたりを外注で承り、社長にレビューするのを生業としています。
でも、それでは、本当に社長や個人事業主である「ひとり仕事」の方々の力になっているのだろうかと、疑問に思うわけです。
雇われて働いていた頃の私は、それでお給料を頂いていたわけですから、お客様に自分で経理をした方がいいですよとは、言いませんでした。
でも、今の私は、ひとり仕事として経理の相談を受ける身となっています。
当時思っていた本音を、やっと自分の手で発信することができるようになったのです。
ひとり仕事であるならば、経理と確定申告は自分で行えるようにしましょう。
もし、わからないことがあれば、相談に乗っていただける税理士の先生を探すこともできます。
効率の良い経理方法については、それぞれの方々の環境に合わせたものを提案しています。
先のことを考え、コストを正しく抑えたい方こそ、自分で経理を続ける仕組みを、作っておくことをオススメします。
=編集後記=
【昨日のできごと】
昨日に引き続き、Zapia Notion Chatworkの連携設定。なんとかできました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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