いいドラマは、人をより深く感動させます。
これには、ちゃんとしたからくりがあって、ものすごく計算された脚本の為せる技によるものです。
実は、この方法は、これから事業計画を作る上で、役に立つのではないでしょうか。
参考にできる点を見つけていこうと思います。
テレビドラマ「silent」に見る、練られた脚本の凄さ
最終回前の、第10話を見終えた私は、興奮のあまり、家族に、脚本の凄さについて語りまくりました。
普段はドラマを一切見ない我々です。理由は、テレビドラマの演出があまりにも単純明快すぎるものが多すぎて、あまり期待していなかったからです。
今回、私が「参りました」と脱帽した「silent」というドラマは、次のようなストーリーです。
「高校生のとき、互いの声と言葉に惹かれて、本気で純な愛を育ててきた2人。高校卒業と同じくして、彼の耳が“若年発症型両側性感音難聴”を患い、直に耳が聞こえなくなることに悩み、理由を告げずに別れを切り出す。そして8年後、偶然に再会した2人をきっかけに、奇跡と再生の物語が回りだす」
つまり、悲しみの底にいた人たちが少しずつ再生していく物語です。
若い二人を取り巻く友人、家族も、それぞれ抱えた苦しみがあって、少しずつ立ち直る姿も丁寧に描かれています。
ドラマには、伏線という仕掛けがたくさんあります。
話が進むたび、前に仕掛けられたものが回収されるたびに、「座布団1枚!」と叫ぶほど、見事な脚本です。
人を感動させるポイント
いい脚本のことを、「よく練られた脚本」と言われます。
この「練り」こそが、ビジネス戦略にも使えるのです。
登場人物のストーリーを組み上げておく
ストーリーを作る前に、登場人物のストーリーをまず、詳細に決めておきます。
実は、先に全体の物語をざっくり決めてしまうと、あとから登場人物たちの背景がズレてしまうリスクが出てきます。俗に言う、ストーリーの辻褄合わせのため、前提を変えてしまうことです。
実は、テレビドラマで、週が進むたびに、そのような現象が起こるのをよく見ます。
主人公に弟がいる設定で、伏線を作っておきながら、なぜかお兄さんになっていたりします。
しかし、登場人物それぞれの目線で作られたバックボーンストーリーをしっかり作り込んでいれば、設定も変わることなく、伏線もたくさん仕込むことができるのです。
裏テーマ、物語の軸がぶれない説得力
商業用なので、途中の評判で設定を変えて、テーマを濁らせてしまうことがあります。俗に言う大人の事情です。
この場合、しっかり練られた脚本なら、そのようなことは起こりにくいものです。
理由は簡単です。誰もが納得できる説得力があるかどうかです。
世相を理解し、求めるものにターゲットを絞る。
これは、誰もがわかっています。
しかし、この見込みを見間違えて、見当外れのテーマになってしまうと、あっというまに物語が破綻してしまうのです。
感動には、作り手の伝えたいものを、太い軸のように中心に添えていないと、簡単に揺らいでしまうことを知っている人は、数えるほどしかないのかもしれません。
表面だけではない、誰もが気づかずに抱えていたものを、物語の軸にして、ゆっくり皮をめくるようにストーリーを進めます。そうすれば、自分への気付きと同じペースで視聴者が心を動かすことができます。
こうして、辿ってきた道があるから、ドラマへ対しての感動と重なって喜びになるのです。
心の動きにあわせた緩急
人が理解していく過程には、共通した流れがあります。
一番わかり易い例で言えば、日本昔ばなしでしょう。
おじいさんと、おばあさんの日常生活の描写から始まり、突如イレギュラーなことが起こります。
なぜか大きな桃が流れてきたり、中から成長しきった赤ん坊が出てきたり。
日常生活の中で助けた鶴が、美しい女性に化けて恩返しにきたり、傘をもらったお地蔵さんが、生活物資を運んできたり。
いつもの日常から突然事件が起きて、物語にスピード感が生まれます。
この速度感が、わからなかったことがわかりかけた人の思考速度にあっているのです。
この緩急が、脚本や演出にきちんと表現されていると、人は素直に感動するのでしょう。
こうして、よく練られた脚本をもとに作られたドラマに、人は時間を投じて見てくれるのです。これを表したのが、視聴率であり、今だとSNSトレンド◯位です。
脚本作りをビジネス展開に落とし込んで見る
ビジネスにおける成功とは、いかに感動してお金を払っていただけるかにつきます。
ドラマや映画と同じ理屈です。
提供する商品に、ストーリーがあるか
私は、勢いでひとり仕事をはじめたので、正直このストーリーがよく分かっていませんでした。
ただの記帳代行ではないなら、何を売っているのか、わかりにくい状況です。故にサイトも継ぎ接ぎのように見えるし、見にくいUIにもなっていきました。
私は、いい脚本を知って、自分に足りないものに気づかせてくれたように思います。
ただ、過去の仕事の焼き直しではなく、使っていただく方の性格や人生、その背景まで見えるようにします。
マーケティング用語でいれば、「ペルソナ」に該当するのでしょう。
ただ、設定を明確にするのではなく、その人の過去と未来が語れるのかが、ビジネスの軸になっていくのだと思うのです。
軸をまとう技術と知識を高める
いい脚本には、優れた演出、技術、演者が必要です。
それと同じように、いい商品には、提供する側に技術と知識が絶対不可欠です。
とはいっても、背伸びする必要はなく、提供者の自然な振る舞いが、技術と知識が滲みでてきます。
人より少し経験があって、人より好きで入れ込んでいただけで、買い手にとってはとてもありがたく見えます。
しかし、時代はどんどん進んでいます。それに対して、新しい知識を吸収し続ける姿勢は、欠かしてはいけないのです。
そういう意味で、勉強は続きます。その覚悟を持ったときに、初めて自分軸に強固な説得をまとうことができるのだと思うのです。
ビジネスにおける感情の緩急は「継続」のみ
よくInstagramの広告を見て思うのは、広告の打ち方に、自分都合であることがよくわかります。
最初に徹底的に広告を打ち、ある程度人が集まると影を潜むという現象。
これは、最初にインパクトを強く出す手法と同じです。
ドラマはいずれ終演を迎えます。だから、緩急をつけられるのです。
しかし、商売であるビジネスは、お客様が商品を欲しているときに、提供できるように露出し続けることが求められています。
ただ、ビジネス展開によっては、この考え方は変わってくるので、一概に、どれが正解で、何が不正解であるか、決められません。
もし、ひとり仕事で、淡々とコツコツと仕事を続けるのであれば、露出も淡々とコツコツと露出し続ける必要があります。
売り方と露出の波を同じようにしておくことが大切なのではないでしょうか。
ここからも、ビジネス営業の戦略も、物語の展開を作るやり方に似ていると思っています。
さて、来週の最終回(放映が2022年12月22日)では、どのように伏線回収をされていくのでしょう。
私は、それが楽しみです。実は、今第一話から見返して、どこに未回収の伏線があるかチェックしています。
物語の世界にハマったとき、ただ感動するだけにしておくのは、もったいないです。
もし、事業展開をどうしたらいいのか、いまいちわからないのであれば、評判のいいドラマや映画、舞台を見ましょう。そして、どのような仕掛けをしているのか、宝探しをするつもりで見てみると、いろんな気づきをくれるはずです。
作り手の熱い思いが、どのように伝わってきたのか、自分なりに分析してみると、面白いので、ドラマが気になる方は、ぜひ、最初の第一話から見ることをおすすめします。
そして、ただの娯楽ではなく、仕事として時間を使えることで、大手を振ってドラマに時間を費やすことができます。
ぜひ、やってみてはいかがでしょう。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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