私は、自分の人生で、ひとつの指針を持つようにしています。
航路権の三原則から着想して、余裕があり、譲れるものがある方が、困っている人に譲歩するというものです。
航路権の三原則とは
海や湖で舟を帆走させるとき、ぶつかりそうになった時のルールがあります。
航路権の三原則というものです。
互いに移動しているとき、接触の際、命を落とすリスクがあるからです。
厳密に決められており、太古の昔から全世界共通の約束事として、今に至ります。
それだけ、接触は絶対に避けなければならないのです。
海の上は、国境や人種を超えた人たちが、往来しています。
言葉の共通語よりももっと昔に、海の上で仕事をする人たちは、航路権を共通理解しています。
これは、今でも変わりありません。
風を自由に操れる方・操作し易い方が譲るという思想
航路権とは、ぶつかりそうになったときに、どちらの艇が優先権を保有しているか、定められています。
風の力を使った艇同士をもとに、作られました。
大原則として、風を自由に扱えない方が、優先権があるのです。
実際に、どのような三原則なのか、ご紹介します。
スターボードサイド(右側)とポートサイド(左側)
スターボードサイドを、艇の右側。ポートサイドを艇の左側といいます。
読んでいる方にわかりやすいように、「右側」「左側」と、ここでは表記します。
ヨットでは、舵とメインセイルを操作する人(スキッパー)と、艇の安全管理と補助(ジブ)セイルを操作する人(クルー)の2人乗りがあります。
そして、もうひとつが、クルーがいなくて、スキッパーだけの1人乗りです。
この2種類が、ヨットの基礎を練習するときに、用いられています。
航路権三原則のうちの一つが、このスキッパーの座る位置で判断しています。
このスキッパーの座る位置が、艇の右側か左側かで、優先権が決まります。
スキッパーが右側に座っていれば、優先権があります。
左側にスキッパーが座っている艇が、譲らなければならないのです。
風上と風下①
では、同じ右側(または左側)にスキッパーが乗っている艇が近づいてきたら、どうしたらいいのでしょうか。
それは、風上にいる挺が、風下にいる挺に航路を譲ります。
風上と風下②
真後ろから風を受けて帆走する挺同士が、接近したどうしたらいいのでしょうか。
これも、風上にいる方が譲り、風下にいる挺に優先権があります。
絶対にものにぶつかってはいけない
海上や湖上で、挺同士がぶつかったとき、どちらかが沈没する可能性が高くなります。
本当に、海難事故となり、乗っている人の命に関わるのです。
航路権以外にも、挺を運行する際、守らないといけないルールがたくさんあります。
船舶2級など、免許を取得する際にも勉強しますが、舟は、絶対にものとぶつかってはいけないと、厳密に決められています。
また、仕事で水上にいる舟(漁船や漁網)に近づいては行けないことも、決められています。
また、海上衝突予防法という法律があり、動力のある船は、ヨットなどの非動力船を避けるように決められています。
これらは、空の航路、陸上の道路交通の法律にも反映されているとおりです。
強者は弱者を優先する。
これが大原則で、強いものがそうではないものに路を譲るのです。
不利な環境にずっといるとは限らない
この航路権三原則を知って、思ったことは人生という航路も同じ三原則だと気づいたことです。
幼い頃は、弱者でした。
親や先生、周囲の大人たちに助けられ、たくさんのものを譲ってもらって大きくなったことに、再確認しました。
そして、おとなになった今、子育てや後輩など、少しだけ人生の先を歩む自分として、たくさん譲ってあげてきたことを思い出しました。
おとなになった今でも、自分が弱者だなと思うこともあります。
逆に、有利だと思うこともあります。
弱者になったり、強者になったり、状況によっては様変わりするのが、人生なんだろうと思うのです。
もし、同じ環境で、有利な人と不利な人が鉢合わせになったら、
私は、この航路権の三原則を思い出すことにしています。
弱者であっても、引け目に感じることはありません。
譲っていただければいいのです。
また、自分が強い立場にたったときは、周囲に譲ることを忘れてはいけないと肝に命じています。
人生を豊かに生きる秘訣は、このような基本的なことなのではないでしょうか。
航路権を勉強するきっかけについて
今、十数年ぶりに、私は学びをしています。
地元のヨットクラブで、一人乗りのディンギーセーリングをするために、検定試験を受けるためです。
勉強しながら、気が散っていたのか、この航路権は、まさに人生の三原則のように見えてきました。
おそらく、私だけだと思います。
セーリングは、できなくても仕事になんの影響もありません。
逆に、遊ぶことに時間が使われ、仕事に影響でるかもしれないのです。
でも、一見、邪魔とおもうこの知識は、人生の何処かできっと、役に立つのではないかと、よぎりました。
そもそも、キャリアに直接関係ない、過去の経験が、以外にも自分を助けてくれたことがいくつかありました。
どのような人でも、必ず一つ以上は、思いがけない経験を持っているものです。
充実した人生を送るには、この何気ない経験一つ一つを、忘れないようにしておくだけでもいいのではないでしょうか。
そんなことを考えながら、必死に航路権三原則を覚える私でした。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
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今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
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