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なぜ中小企業の社長はどんぶり勘定になってしまうのか

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八百屋の釣り銭を入れるカゴ。

私が子どもだった頃、近所の八百屋さんに必ずあって、いい感じにゴムが伸びて、流れるようにお客さんに釣り銭を渡していく。

そういえば、子どもの頃の駅のキヨスク。

朝の通勤ラッシュで、瞬時にお金の受け渡しをしていくあの様、かっこよく見えた。

でも、今の時代、そんなどんぶり勘定をやっていては本当の恐ろしいことに巻き込まれます。

同じどんぶりだけど、ラーメンどんぶりはOKです。

目次

会計事務所の仕事は、社長のどんぶり勘定にエビデンスをつけることだった

会計事務所の仕事は、税務申告です。

そのために、日々の記帳はとても大切で、1年のほとんどが、記帳指導と月次の数字の報告に明け暮れています。

実は、この月次試算表。

社長の頭の中で弾き出した数字を合っていればOK。と先輩税理士に言われたことがありました。

社長の思っていることと違いがあれば、試算表が間違っていると……。

当時はそんなものなのかと信じていましたが、最近の電子化をみると、それはマズイことではないかと、背筋が凍るようになりました。

昔の社長は、どんぶり勘定だったかもしれません。

でも、それは、自ら取引先に出向き、手形や小切手を受け取り、ついでに相手先の社長と世間話をするなど、数字以外の情報量があったからこそ、どんぶり勘定がなりたっていたのです。

でも、今は、電子化がすすんで、自分の血肉で直接稼いたお金を触ることがなくなっています。

感覚による情報が極端に少なくなっており、苦手に思っている経理ソフトを他人に頼み、それでも、どんぶり勘定を進めていくと、いい解釈しかしなくなってしまいます。

決算過ぎて、会計事務所から、「実は〇〇だったので、××しておきます」と、報告きて初めて、問題の大きさに気付かされるケースが多いのです。

経理のプロとして、決算前に問題点を社長に伝えることはしていますが、それにして、後の祭りになって、初めてことの重大さに気づく社長が、ほとんどです。

なぜ、どんぶり勘定になるのか

1. 時間とリソースの不足

中小企業の社長は、通常、営業、経営、マーケティング、財務など、すべての業務を一手にこなしています。

特に小規模な企業では、専任の経理担当者を置くことが難しく、社長自身が経理業務も兼任することが多くなります。

このため、細かい数字や計画的な財務管理に時間をかける余裕がなく、結果的に「ざっくりとした管理」や「感覚的な判断」に頼ることが多くなります。

2. 経営の優先順位が曖昧

社長が経営において直面する問題や課題が多岐にわたるため、どうしても売上や集客、従業員の管理などが優先され、財務管理が後回しにされがちです。

日々の現場の対応に追われる中で、数字をきちんと管理することの重要性が薄れていくことがあります。

3. 財務知識の不足

多くの中小企業の社長は、専門的な財務知識を持っていない場合が多いです。

特に、長年の経験から「感覚的にわかる」という理由で経営をしている場合、細かな財務データを分析し、必要な措置を講じることが難しいことがあります。

経理や財務の専門家がいない場合、どうしても経営数字をおおざっぱに扱ってしまうことになります。

4. キャッシュフローの把握不足

売上が上がっているからといって、必ずしも会社が健全に経営されているとは限りません。

キャッシュフローの管理が不足していると、実際に手元に現金がない状態になり、資金繰りに苦しむことになります。

しかし、売上の感覚で経営していると、このような問題に気づかずに「どんぶり勘定」になりがちです。

5. 経理システムやツールの未整備

会計ソフトや経理システムを活用することは、効率的に財務管理を行うために非常に重要です。

しかし、システム導入や使い方に対する知識が不足している場合、紙ベースやExcelでの手作業による記帳に頼ることになります。

これでは、正確なデータ分析や管理が難しく、どうしてもざっくりとした計算や見積もりに頼らざるを得なくなります。

6. 経営の安定期に陥る

企業が成長し、安定した経営が続いていると、社長が自分の経験と感覚に頼りがちになります。

過去の成功があると、細かい数字を管理することなく、経験則でやり繰りできると考えがちですが、これが「どんぶり勘定」の原因になります。

7. 外部のアドバイザー不足

もし、外部の専門家と連携できたとしても、専門家たちは、社長の本気度がどこまであるのかを推し量り、どんぶり勘定のまま、そのままにするケースが多いです。

つまり、大切なことだけど、話しても価値を感じてくれないなら、最初から諦めるというのが現実です。

 

会社経営に必要な知識を学ぶためにできること

「簿記を勉強してください」

これは、私が経理代行をしていたときから、口酸っぱく言い続けていることです。

でも、ほとんどの社長さんは、かっこよく決算書が読めれば良いと思っているため、簿記よりも経営分析で試算表や決算書の数字から電卓を叩くことに、力を注いでいます。

そして、社長同士の集まりでは、正しい数字を見ている社長は、数字の大切さを口にすることがほとんどありません。

仲良くしているようで、経営というゲームのライバルでもあるわけですから。

本当に大切なことは、みんな口にすることはありません。

 

その試算表。本当に現実を表してる数字でしょうか。

もしかしたら、都合の悪いものは翌月にまわしていませんか。

健康診断の数値を改ざんして、奥様に糖尿病がバレないようにする、患者さんに非常に似ています。

数字を正しくしてこなかった社長のその顛末は、ご想像にお任せします。

 

今は、お金の電子化が進み、数字とお金の距離が短くなってきています。

正しいバックオフィスを構築し、正しい数字を即時でチェックすることが、朝飯前にしておかないと、事業継続は難しいと思っていただければ。

=編集後記=

【昨日のできごと】
週末は、地元のNPO法人の決算と定期総会準備に。
Excel管理からNotionに変えて、来年はもっと楽になるはず。

 

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この記事を書いた人

個人事業主・中小企業教務効率コンサルタント。Notionアンバサダー。「一緒に未来を見る伴走者」として小さな会社や個人事業主の方をフォロー|職種を超えて参加できるバックオフィス構築|オールインワンアプリ「Notion」を使った経理ノウハウなどのオンラインセミナーを開催|ほぼ毎日更新ブログ「経理戦略会議」管理人。メルマガ50代からのひとり仕事を毎日配信。

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