「これは、逃げ恥以上の快挙では?」
2025年4月期のテレビドラマが、今、SNSで大バズリにバズっております。
「波うららかに、めおと日和」
物語の舞台が、昭和11年。帝国海軍の夫とその妻の物語が、まさに自分のルーツの物語であり、第一話から視聴していました。
ところが、今までのドラマにないポイントが数多く出てきて、気づいたらバズり散らかす結果となったのです。

REVISION公式ページより コア層視聴率1位
当初は、物語の世界観に浸りに浸っておりましたが、最終回に向けて周囲が盛り上がったあたりから、私の目は、だんだんと冷静になりつつあります。
ここで、なぜ人気がでてきたのか、一人の個人事業主のブランディングに当てはめながら、考察してみました。
前評判はなかったその理由
今回のドラマヒットは、テレビの歴史始まって以来のマイナス環境からスタートしています。
世間を揺るがすスキャンダル、会社経営の問題点、数上げればきりがない大騒動の中、スポンサー提供のCMが放映されなくなったことで、他局に比べて条件が悪い状況下でした。
テレビをつければ、自社製作ドラマの予告編、舞台や映画の宣伝が多く、異様な空気を醸し出しています。
そんな中での前評判は、よくなくてほとんど注目浴びることがありませんでした。
キャストも、ヒロインの相手役の方は、役者の実績がありつつも、ネットまたは深夜帯のドラマでの出演が多く、ほぼ無名といっていいほどでした。
もし、地上波ゴールデンタイムにも実績のある役者だったら、ここまで低い評判とならなかったでしょう。
実は、この状況。
個人事業主が実績ゼロからスタートして事業を起こすときの環境に非常ににています。
- 資金 なし
- 人材 一人
- 実績 なし
- 評判 もしかしたら所属していた会社から悪い噂を流されるケースも……。
このドラマが盛り返した要因を見つけていけば、私たちの営業・仕事術に参考になるかもしれません。
バズりのポイントは複雑に絡まり合っている
では、このドラマのバズリ要因を、私なりの視点で洗い出してみます。
コンテンツの質がよい
このドラマは、原作マンガの実写版です。
これだけだと、不安要素が残りますが、私はドラマ制作のプロが気合を入れて作っている様子が手に取るようにわかります。
- 脚本ストーリー
原作どおりのストーリーではありませんが、原作ファンにとって外してほしくないセリフ、シチュエーションはほぼ落とさず脚本に盛り込まれています。
そして、ドラマ全体と1話の中に、感動のピークをセオリーどおりにおとしこんでいます。
これは、視聴する人にとって、安心して未知の物語を見る大きなポイントなのです。
- 音楽
主題歌は、オーディション番組から生まれた新人ダンスボーカルグループによるものです。ラップが得意なグループなので、昭和11年の舞台に似合わないのではと思いがちですが、逆に令和の私たちと昭和11年の架け橋になるような役割を持たせていることに気がつきます。
劇中音楽も、脚本ストーリーに合わせて、絶対に外すことなく編集されています。
基本、ドラマ・映画音楽は、人の感情に沿うように作られています。この曲を耳にしたら、あのドラマを思い出すなど、ドラマのアイコンとして音楽に役割を持たせています。
このドラマの劇中音楽も、外すことなく、役割を果たしているので安心して視聴できます。
そして、場面と音楽、視聴者の感情の波にピッタリと合わせてくる編集が、毎話しかけています。
- キャラクター設定
正直、原作にそっくりなキャストが起用されているわけではありませんでした。
しかし、マンガの世界を実写にもってくる際、起きてしまう「生臭さ」が一切ありません。
このあたりの解説は、専門化に任せることにしますが、宝塚愛好家である私なりの分析は、以下のとおりになります。
- 軍人特有の男臭さがなく、美形男子であり、夢物語として受け入れられる。
- 役のキャラクターと、役者の固有キャラクターが一致していた。
- 脇を固めるキャストに、宝塚OBが複数いたこと。
つまり、実車でありながら、マンガの夢の世界を画面の中で作って成功しているのです。
限られた資金の投資場所は、ウソのないものに集中
正直、制作予算は通常より少なかったのかもしれない。
そう思う場面がありました。
それは、ドラマの外での番宣、ファンイベント、特番といった付随コンテンツを見れば、違和感がないといったらウソになります。
しかし、ドラマ内で利用される小道具を始め、衣装においては、徹底的に調べ上げて本物に近いものを使っています。
画面を見て、視聴者に違和感を与えて離脱するのを避けるリスクは、徹底的に排除しています。
もしかしたら、他局からのレンタルもあったかもしれません。
でも、それを含め、パワーリソースを投下する場所を間違いないよう絞っており、コンテンツの質を底上げしています。
登場人物とNewType演者自身の成長がリンク
今回の一番のムーブメントといっていいでしょう。
初共演同士、そして相手役は初めてのゴールデン進出ということで、物語の登場人物たちと境遇がリンクしていました。
物語の中で、登場人物たちが思い悩む姿が、リアルな役者自身も追体験していることで、よりリアリティが高まったことは、昨今のドラマではなかなか起こり得ないことです。
また、相手役の軍人は、絶世の美形でありつつ、なにかユーモラスな個性を持ち合わせていました。
普通のイケメンなら、記憶が通りすげてしまうところ、ちょっとおかしな空気感をまとっていることで、ギャップが生じます。そこに、キャラクターの深みが生まれ、ラブ&コメディのバランスが無理なく成立させられています。
最後の最後まで諦めない
これは、制作サイドの話になります。
ドラマを制作するにあたり、正直障害となる壁が数多くあったにちがいありません。
でも、絶対にあきらめないことで、制作チームの連帯感が高まり、一人ひとりが力を尽くしたにちがいありません。
それが、コンテンツ力が高く、何度も見返しても、離脱することなく安心して視聴できるドラマに仕上がっているのです。
裏表関係なく、見る人に届けたい
よく、公式アカウントによる、舞台裏の様子がネットにアップされる時代になりました。
SNSでの視聴率アップを図る戦略の一つで、舞台裏を見せることで、より共感を得る作戦でもあります。
マーケティングの一環ですね。
でも、今回は、この舞台裏こそ視聴者に見てほしいと断言するほど、制作チームのパッションがいつもより高いようなのです。
自分たちがこれほど、幸せな気持ちで作っていて、見ている人にお裾分けしたい!
役者本人がそう言わしめるほど、作り手が一番に楽しんでいることがいいのです。
資金なし、実績なしから食べていくための営業術
さて、このドラマの成功から、ビジネスの成功にどう取り入れるか、当てはめていきます。
まずは、自分が一番熱中しているものであるか
提供しているコンテンツが、自分がいま、一番熱い思いで取り組んでいますか。
小手先の情報提供、気軽につくれてしまう製品。
確かに、儲けを考えたら、極力エネルギーを使わずして売上をあげられるものが得に見えます。
でも、お客さんから見たら、そんなものはすぐに飽きられてしまうでしょう。
まして、今はAIの波が押し寄せています。
情報商材は、高額商品にせず、Kindle本といったテキストコンテンツで提供するなど、よりライトな方法で展開するようになるでしょう。
今、自分が一番熱中できるスタイルはなにか、見当をつけておくようにしましょう。
自分を見せて、お客さんと二人三脚で成長しているか
特に、起業したてのときは、実績はほとんどありません。
私もそうでした。
そこで、仕事で改善してきたこと、自分自身のこと、日常で困ったこと、なんでもブログに書いて、私自身のキャラクターや背景を見ていただくことにしています。
そして、メルマガ(50代からのひとりビジネス)を通じて、毎日の仕事の様子や気づきを発信しています。
しょうじき、多くバズることなくひっそりと続けていますが、お客様との関係は、私自身に共感していただいているので、ほとんどミスマッチが起こることがありません。
自分の日常が、売上につながる。
これこそ、ひとりビジネスの醍醐味でもあります。
資金とマンパワーの投下場所を間違えていないか
ビジネスを始めるとき、最初から資金が潤沢に得られるのは当たり前ではありません。
基本、資金はそれほど多くない状態からスタートします。
であれば、事業を続けるためのリソースは、使う場所を厳選しておきたいものです。
小さく始めるなら、固定費も小さくします。
- 事務所を借りずに自宅で開業
- もし提供するサービスに品質維持が必要な場合、課金する。
- 使う道具をケチらない。パソコンは、早くて充電持ちがいいか。利用するのに我慢しないよう、性能も考慮する。
- 発信ツールに必要な道具もケチらない。
お金の使い方にメリハリをつけることで、少ない資金でも充実した業務体制を組むことができます。
ビジネスするなら、広告にお金をかけないといけない。
こういった先入観を捨てて、自分が提供するメニューを信頼いただけるために必要な経費は、きちんとかけていきましょう。
失敗してもあきらめず、続けられるか
正直、ビジネスで成功するのは限られます。
私も、一発で大成功しているものは、ほとんどありません。
また、ブログを書くことも、継続が切れることもありました。
でも、1回失敗したから諦めることはしていません。
こちらの失敗で、お客様に迷惑をかけたとしても、次のご縁に信頼していただくため、黙々と勉強と商品品質を高めること、そして、業務改善を繰り返していくようにします。
そして、それだけのパッションを自分が持ち続けられるコンテンツなのか、冷静に確認するのです。
そして、忙しすぎないように、仕事の調整ができるかどうか、食べるための働き方も選択していきます。
やってみて、だめかもと判断するのは、個人の自由です。
でも、辞めてみても、どうしてもやりたいと火種が心にくすぶっているならば、再開すればいいのです。
ちょっと変わり者であっても堂々としているか
自分でビジネスをする場合、市場での競合とどう渡り歩くか、ある程度の戦略は必要です。
よく、小規模事業の場合、隙間産業を狙うと当たりやすいと言われています。
この場合、小手先で見つけるよりは、人よりちょっと変わっている自分の個性を出すことで、自然と隙間産業になっていたりするものです。
有能なエンジニア、高学歴で実績を持つ実業家。これらは、イケメン系事業者とも言えます。
でも、これからの時代は、イケメンだけでは埋もれてしまいます。
味のあるテイストを併せ持っていることで、他社(他者)との違いを自然に出せているのです。
ただ、正直に、好きなことに熱中して、ありのままの自分でいて、きちんとコミュニケーションを取る。
これだけで、実はビジネスは成り立ちます。
しかし、売上に即つながるかどうか。
これこそ、ときの運、タイミング、自分のいる場所次第で変わります。
こればかりは、あらかじめ予測することも難しいです。
難しい、確率の低いやり方にこだわるより、地道に続けることが、成功の近道であるようです。
自分の仕事にキュンを提供しているか
バックヤードでいくら熱中したとしても、表に出すコンテンツに「キュン要素」がなければ、魅力的に見えません。
実はいいものなのに、わかりにくくしてしまっているのは、この「キュン」が考えられていないからです。
ドラマのキュンは、ドキドキ・ワクワク、ときめきが伴っています。
自分の出すコンテンツには、未来がよくなるワクワク、自分が成長していることにドキドキしていただけるか、ちゃんと設計するようにします。
そういう意味で、ビジネスは、ドラマづくりに似ているのかもしれません。
- コンテンツの質を高めているか。
- 監督、演出、音楽、編集、演技、自分の仕事の見せ方をきちんと構築できているか。
- 人にはないなにかをわかりやすく打ち出しているか
- 資金などのリソースの使い道を間違えていないか
- 失敗しても続ける工夫をしているか
一つの典型的な成功例だった、今回のドラマのヒット。
改めて自分の仕事に落とし込んでみて、まだまだ足りないものを発見することができました。
ただで沼っているわけではございませんよ。
ちゃんと、仕事に活かしてまいりますよ。
これが、ひとりビジネスの流儀なのです。
=編集後記=
【昨日のできごと】
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