※会社の健康診断 判定を他人任せにしないのが一番です。
決算を迎えたとき、大いなる夢を描いて始めたものが、芳しくない結果を得なかった場合、どうしたらいいのでしょうか。
夢が実現しないとわかると、とたんにモチベーションが下がるのは、当たり前のことです。そこを無理して、「経理を続けましょう」と言っても、人任せになっていくのは、致し方ないでしょう。
そこは、知恵と仕組みを使って、乗り切る考え方を知ることが大切です。
理想と現実
夢や希望を抱いて事業を進めても、思い通りにいかないことがあります。
いや、思い通りに行くことが稀なのでは、と思ってしまうほどです。
これが、理想と現実であり、モチベーションが薄れ、経理をおろそかになっていくきっかけになっていきます。
しかし、上手くいかないのは、運でも、外的要因のせいでもありません。
その状況に甘んじて、軌道修正をしなかったことが、原因であるのです。
現状打破には新しい風
この場合、マーケティングの考え方が大いに役に立ちます。
商売は、需要と供給のバランスの上に成り立ちます。
需要があるところに、求められているものを供給しない限り、利益は出ません。
特に、親の代から事業を引き継いだ場合、昔からの顧客と今どきの顧客のニーズがずれて、経営戦略の切り替え時の判断に悩むこともあります。
このように、軌道修正がしにくくなっているときは、経営者である社長の視野が、慣れによって固定化されています。そのため、新しい知識とやり方を得るために、外部コンサルティングを導入するケースが散見されます。
外部コンサルティングは、様々なケースを手掛けているので、社長にとって楽に改善できると思いがちですが、残念ながら、当たり外れが多く、報酬に似合った結果を得られるとは限りません。
現状を打破するには、社長自身が新しい風を探す必要があります。
与えられた知恵より、自ら探しに行く知恵が、会社にとっても一番適切なものなのです。
健康診断で、病院に「痩せましょう」と言われても、ピンとこないけど、自分から健康になるためにあれこれ情報を収集した方が、モチベーションが維持し続けるのと、同じです。
メタ認知と生産性と経理チェック
社長がやるべきことは、次の3つです。
① メタ認知で現状を把握する。
外部コンサルティングなど、他人の頭から結果を求めないようにしましょう。
そのためには、現状を正しく知る方法を知っておくとよいです。
「メタ認知」とは、現状を客観的視点で分析することです。今までのやり方や、考え方のクセ、人として好き嫌いなどの主観的な思考では、改善策も偏ったものになり、現状を打破することはできません。
② 事業の生産性を高める
次に着手することは、経費の見直しをします。
費用対効果はどうだったのか。
もっと成果を上げる方法はなかったのか。
人材を上手く活かせていたか。などなど
業務の効率化を上げることで、事業が上手く回りだすことはよくあります。
③ 随時、軌道修正を行う
軌道修正をするには、それなりの正しい根拠が必要です。
その根拠を得る方法が、日々の経理なのです。
月次決算での予実管理、資金繰りなどの運転資金の確保など、社長自ら情報を得る仕組みを、社内で構築しましょう。
こうして、現状をしっかり受け止めて、分析して改善することを、繰り返し行い、会社としての習慣化されていけば、着実に夢は現実に近づいていきます。
経理担当者が行う経理だけが、経理ではありません。
社長の視点で、チェックがされることが、社長が行う経理なのです。
チェック項目は、事業によって、規模によって、異なります。共通しているのは、他人任せではなく、社長自ら情報を取りに行くことです。
もし、社長の経理がやりにくいのであれば、仕組みを変えましょう。
社長が、自ら答えを出せる環境を作れるようにすれば、経理を続けられるようになります。是非、取り入れてみてください。