組織にNotionの導入を進めるとき、必ず出る悩みがあります。
それは、決定権がある人への説得と、既存のシステムに問題を感じていない人への同意をなかなか得られないという問題です。
もし、ムリに押し通してしまうと、起こるのがハレーションです。
下手したら、自分自身の進退に影響でてしまうこの問題。
これに諦めず、前に進む方法がないか、考えてみました。
なぜ導入すべきと思ったのか 言語化しよう
先日、「Make With Notion Tokyo Showcase」で、多くの方々にお話を伺うことができました。
その中で、一番多かったのが、
「会社・組織への導入に説得する自信がない」
でした。
組織への説得は、まずムリだと思うのに、いくつか原因があります。
- 現状に甘んじている。
- 変わりたくない人が多い。
- 上層部が必要性を感じていない。
おおよそ、この3つです。
あと、予算がないのもあります。
技術的な問題としては、セキュリティの安全性です。
これが担保されなければ、導入はしないと判断されると、どうしようもありません。
しかし、例えばNotionを導入しようと思った人からみたら、なぜ今のままでいいのか不思議に思うはずです。
どう考えても、今導入しなければ、いろんな損失がどんどん広がっていくのが目に見えています。
自分の仕事に誇りがあれば、なおさらです。
なぜ、今のシステムだと駄目なのか。なぜ、Notionを導入したほうがいいのか。
だれもが理解できるよう、言語化することが求められます。
このめんどくさい作業ですが、改めて言葉にすることで、自分の思いを整理することができます。
まず、説得する相手ごとに、コピーライティングをしていきましょう。
- お金を出すことを決められる人(経営陣)
- 実際に現場に導入することにGOサインを出す人(現場上長)
- 新しいシステムを使う現場の人
この3つのコピーライティングを作ります。
思わず「もう、やるっきゃないっしょ」と言わせるには、それぞれの悩みと今垂れ流している損失を明確にしていきましょう。
経営者なら、組織全体の利益、未来に向けての新事業の可能性を見出します。
現場の責任者には、マネージメントの効率化を目玉にします。
現場の人には、作業が楽になること、時間が短縮すること、ミスが減ることに訴えかけます。
そして、それぞれの立場で共通するものが
「守・破・離」です。
この3つの言葉をもとに、導入までのイメージ図を描くことで、安心して変化を受け入れる体制が生まれてきます。
守・破・離に沿って新しい価値観をインストール
この「守・破・離」とは、日本の伝統的な学習・習得過程を表すものです。
主に、武道・芸事の世界で用いられてきました。
始めはできない状態から、熟練の腕を身につけるまでの過程がまさに、組織の成長段階でも当てはまるのです。
- 守(しゅ):基本を学び、忠実に守る段階。師の教えや既存の方法を正確に習得します。
- 破(は):基本を理解した上で、新しい方法を試みる段階。既存の枠組みに捉われず、自分なりの解釈や工夫を加えます。
- 離(り):基本や応用を超越し、独自の境地を開く段階。完全に自由な創造性を発揮し、新たな価値を生み出します。
これを、新システムの導入に当てはめると次のようになります。
守(しゅ):今まで大切にしてきたものを洗い出す
今までやってきたやり方は、意味があります。
なぜ、これほど手間をかける必要があったのか。紙ベースでの管理では、どのカテゴリーの項目を重要視していたのか。
もう一度洗い出すのです。
そうすると、今までの歴史が浮かび上がってきます。
経理に例えると、かつて不正経理事故が起きた場合、その項目のチェックが非常に細かくなってしまい、時間をかけるようになったりします。
- 前払いでもらった売上を、計上するまえにスルッとマイポケットに入れる。
- 現金の金庫から、現金をちょろまかす。
- 外注費を過剰に支払って、担当者にキックバックされた。
- 事務所にある自動販売機の現金を抜き取る……
こんな不正経理が起こると、二度と同じ過ちをおこなさないために、厳重なチェック体制が組まれます。
そうした歴史の繰り返しが、無駄な工程が残ってしまうのです。
ここで、今行われているやり方のきっかけを見つけて、引き続き守るべきか、手放すべきか、判断する必要があります。
破(は):思い切って新しい価値観を取り入れる
次に、破(は)です。
ここでやっと、新しいシステムを導入します。
前のやり方を踏襲すると、守のみで破になりません。
Notionの場合、組織全体の情報やノウハウを全員で共有することで価値が生まれます。
今まで、属人化されたことで、安全性を担保していたやり方だと、せっかく新しいやり方を導入しても、思った効果が生まれません。
ツールが新しくなっただけでは、破(は)にならず、ただ、やりずらい環境が残るだけです。
このためには、いままでの人事体制では破にならないなら、人の入れ替えも必要なのかもしれません。
どうやって、新しい試みができる環境がつくれるか、人事権のある人の役割も期待されるところでもあります。
離(り):新しい体制で運用始める
最後にやっと、離(り)です。
ここで、いままでの仕組みを手放して、まったく新しいシステムで運用するようになります。
これは、会計ソフトを入れ替えるときの工程に似ています。
まずは、旧ソフトで出力されたものを、新しいソフトに入れていきます。
次に、旧ソフトと新ソフトのそれぞれ、数字に相違がないか確認します。
最後に、旧ソフトを手放して、新しいソフトで経理をしていきます。
このときに、経理フローも旧と新の同時運用の時期があります。
そして、無事に新しいソフトで運用しても問題ないと判断したら、旧ソフトをひっそりと閉じるようにします。
このように、離(り)をいきなり目標にせず、守破離の順番で新システムの導入を計画すれば、ハレーションが起こりにくくなります。
一番の説得力 お金と時間です
これで上手くいくのは、みんなが「変わる」ことを受け入れた場合です。
問題の本質は、変わることを拒む人です。
どんなに、事細かに、安全な導入を進めても、それを阻止する人が必ずいます。
ここで、一番の特効薬はお金です。
すべて金額に変えて、どちらが得か、数値化することで説得することになります。
予算や人事の権限を持つ人への説得は、実は意外とすんなり行くケースが多いです。
組織全体のことを考えれば、今までのやり方に固守するリスクが高と判断すれば、変わることにGOサインを出します。
問題は、現場の人です。
また、新しいことを覚え、手間がかかるなら、いままで通りでいいと考える人達です。
組織全体のこと、対外的なことは経営者の仕事で、自分たちに責任がないと思うと、自分のことしか考えないのは当然でしょう。
この場合、どれだけ短縮できて、どのくらいラクになるか数値化することで、変わったほうが有利だと思えるように説得する必要があります。
普通の会社なら、トップダウンの決定事項で進めることができます。
営利企業なら、経営者に向けた説得をします。
ボランティア団体などの場合は、経営者にあたる理事長や現場担当者の両者に説得します。
そのとき、前に言語化したものと一緒に、数値化が欠かせません。
「なんだ、簡単に導入できないなら、ま、いいか」
わかります。
知らない人に、新しいことを説明する手間は、本当に大変です。
でも、誰かが一歩前に進むことをしないと、組織の競争力が落ちるのは明白です。
こうして、それが自分の生活に及ぶのです。
私は、守破離の破を担う人を応援しています。
ぜひ、みなさんがいるその場所に、新しいことにチャレンジすることを、当たり前のようにやっていただきたいのです。
そして、今までのやり方を守る人、新しいことにチャレンジする人、そして最後に今までのやり方を手放す決断する人、それぞれに寄り添う人をおいていただきたいです。
できたら、守と破を見守る人は別々が望ましいですね。
最後に一つ、圧倒的な破の効果を望むなら、Notionがおすすめです。
今までの業務を事務作業から事業の営みに昇華します。
どうせ、時間とお金をかけるなら、大きな効果を望みたいところです。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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