企業のDXとは、誰もが使える高性能なツールを導入して、新たな企業文化を創生することをさします。
情報共有、進捗管理、データベースの機能を自由自在に構築できます。
しかし、そのために導入に失敗してしまうケースも。
「DX化って、よさそう!」
でも、少しお待ち下さい。
果たして自分たちは、DX化を受け入れる土壌を持っているかどうか、推し量っておきましょう。
大きなシステムを導入したことで起こる失敗とは
一般的にDX化のためのシステムを導入する際、言われていることは、
「システムを入れたら、万事解決と思うな」
です。
システムを導入する意味は、会社全体の情報を必要なところで共有できるようにするためです。
ひとつの数字が、営業→製造→経理→経営者といったように、会社の中を駆け巡るわけです。
部署に特化したツールに毎度入力するのではなく、一つのツールで管理して、各部署のツールにインポートする方法で、効率化を目指すことができます。
これが、ペーパーレス化を可能にして、業務効率も果たし、リモート業務も可能にするわけです。
確かに、夢のようなことを、大きなシステムを入れることで、すべてが生まれ変わるように錯覚しがちですが、実際のところ、そうは上手く行かないことがほとんどです。
なぜ、そうなってしまうのでしょうか。
それは、今までの仕事の流れを変えずに、ツールだけ変えようとするからです。
その現象は、どこからくるのか、細かくみてみましょう。
失敗の原因
仕事を見ずに、作業に頼っていた
今までの業務ルーティンに頼り切ってしまい、仕事の意味を忘れているケースです。
なんとなく、他の部署から集まってきたものを、決められた作業で裁き、上に上げる。
確かに、作業はそのとおりですが、なぜ、この部署で集約しているのか、理解しないまま仕事をしているケースがよくあります。
経理でよくあるのが、記帳代行です。
データでくると、よくわからないけど、請求書や領収書を手打ちで入力すれば間違いがわかりやすいという話がよく聞きます。
しかし、データで大切なのは、消費税計算の端数金額より、数字が集まったときに出てくる違和感に感じるかどうかなのです。
原紙資料(領収書などの原本)からの手入力でこだわったとしても、実際は慣れていない新人が入力していることケースがほとんどです。
ある意味、ノーチェックで集計されているようなもの。手作業しているから「安心」ではないという現実を、早くから知っておく必要があります。
めんどくさいことを簡単にしようとする
業務フローの中で、現場で評判が悪いものがあります。
それは、数字の入力です。
「これ、経理部がやればいいんじゃないか」
とよくいわれます。でも、
現場で一旦入力されたものをチェックできたほうが早いし、間違いに即対応することができます。
それを知らずに、「面倒だから、機械にやってもらおう」とすると、必ず無理がきます。
どんなに面倒な仕事でも、現場でやることに意味があるものは、あくまで現場で完結させることです。早期に対応できることで、効率化に貢献できます。
断捨離できたはずの業務も、システムに負わす
これは、よくあるケースです。
いままでのやり方や慣習を絶対に崩さず、人の手の代わりにシステムにやってもらおうとすることです。
紙の時代であれば、必要だったことも、ペーパーレス化によって、やらなくていい仕事がでてきます。
逆に、今までだったらスルーできたことが、データ化によって仕事が増えることもあるのです。
それを知らずに、ただ、今までのやり方に固守してしまうことで起きる弊害が、失敗につながります。
どれも全体像を捉えないために起きる失敗
これらの失敗の要因は、社内全体の連携図を作成できていないことで、引き起こされています。
営業で生まれた数字は、営業だけのものではなく、社内全体に共有されているのです。
社内風土によって、派閥が発生したりすると、よく「俺達の仕事、お前たちの仕事」と選別しがちに。
これが、間違った習慣となって、長年会社内に残ってしまっているのです。
厳しいかもしれませんが、自分たちが築き上げたものが、正しい方向に向けられているか、判定できなければ、DX化は難しいと思われます。
システム入れる前にやること
では、それでも、会社の競争力をつけるためにも、時代の流れに乗ってDX化を果たしたい場合、次の点をクリアできるかチェックしてみます。
数字やタスクがどのように社内をかけめぐるか、設計してみる
現場で生まれた数字やタスクが、どのように集約されるのか。
これをフローチャートにあらわしてみることです。
ここで、確認すべきことは、同じ数字などを、何人の手で入力されているか、ということです。
一つ生まれたものが、社内または協力会社の人と共有する前提で、システムを組み立てます。
情報の活用方法が、そのままシステムの柱となるのです。
システムが上手く運用できるか、お守り役を決める
昔、オフィスコンピューターを使っていた時代、システムに不都合が起こると、よく業者に電話をして、エンジニアの方がやってくるまで、業務をストップしていたものです。
しかし、今は、何かあったら、社内でお守役の従業員が、メンテンナンスできるようになり、システムの進化は目覚ましいものがあります。
外部のエンジニアか、社内の従業員か、どちらが迅速に対応できるかと思えば、社内に担当の従業員がいるほうが運用をスムーズでしょう。
導入するシステムが、自分たちで構築できて、メンテナンスもできるものが一番理想になるのです。
このシステムのお守役ができる従業員がいるかどうかで、その後のDX化の成功につながるかどうか、決まってくるのです。
古くなった仕組みを捨てる覚悟と失敗を許容する度量
最後に、一番大切なこと。
小さな会社の場合、社長の思いが一番反映されています。規模的にも、ひとりの熱い思いが行き届く、大きさです。
しかし、いい面も悪い面も反映されやすいため、トップの思い次第で、社内の風紀が定まってしまう欠点もあります。
DX化とは、単なる「ペーパーレス」でもなく、「リモート勤務ができる」ことでもなく、「しっかりしたシステムを入れる」ことではありません。
今までの考え方や、やり方に再度疑いの目を持ち、見直すところから始まるのです。
例えば、一旦部屋の中の荷物をすべて出して、改めて必要かどうか見直しながら断捨離する過程と似ていると思っていただければ。
つまり、トップの方の覚悟と度量がなければ、小さな会社がDX化して生まれ変わることは、ないのです。
DX化で、今まで分断されていた社内を、一つの力にまとめる大きなきっかけとなります。
それが、新たな競争力となって、より発展していく大事な軸になっていくはずです。
社員全員が、安心して取り組んでこそなし得るもの。
その結果を受け止める覚悟と度量を持つことが、一番最初にやるべきことなのかもしれません。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
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今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
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