フリーランスの方に、「簿記を勉強しましょう」といっても、やる気が出た方はいまのところいらっしゃいません。
経理は、所詮付随業務です。
でも、勉強しておくと、今まで知らなかった世界線が見えてきます。
これを知っているか否かで、今後の業務に影響がでるかもしれません。
経理は所詮、残されたものを処理するための業務
なぜ、経理業務がおろそかになるのか。
毎年、確定申告の季節になると、阿鼻叫喚が聞こえるのは、昔からの風物詩です。
この経理業務に苦手意識を持ってしまうことで、なにか似ているものがあることに気づきました。
経理業務は、ビジネスの抜け殻を処理する仕事ではないかと。
売上を上げるために、経費を使います。そして、残ったものが、領収書や請求書といった帳票が残ります。
つまり、何かを得るために、食事をして運動し、
その栄養素を吸収したあと、残りのものを排泄する過程と全くおなじなのです。
だから、みんな誰もが、経理業務をするとき、なんとも言えない感情が湧いてくるわけです。
経理は、トイレ掃除と一緒だと思うと、この後ろ向きな気持ちになる理由に腹落ちします。
トイレ掃除に取り組むときの工夫があれば、そのまま経理業務にあてはめてみればいいんじゃないか?
浄化槽のトイレだと、メンテナンスが大変だけど、全自動トイレを導入すれば、トイレ掃除が楽になります。
これを経理に当てはめれば、領収書を貯めに貯めるより、逐一水に流して処理してしまえば、経理業務の負荷が軽くなるのは理解できるはずです。
そして、もう一つ似ていること。
月次試算表や決算書を見て、自分の仕事の振り返りができます。
まさに、これこそ健康診断に似ています。
自分の排泄物をチェックして、健康であるかどうか一目でわかるように、決算書をみて、前回の数字と比べて自分の身に何が起こったのか、振り返ることができるのです。
今日のテーマは、このチェック方法を効率よく身につける術として、簿記3級の勉強が最適であると仮定し、どのようなチェック項目があるのか、リスト化してみました。
簿記3級を勉強すると何が変わるのか
では、簿記3級を勉強すると何がわかるようになるのでしょうか。
用語が理解できる
簿記用語を知っていると、最新式トイレ、もとい、クラウド会計ソフトのメニューの意味がわかるようになります。
- 借方
- 貸方
- (月次)試算表
- 総勘定元帳
あと、決算書の用語もわかります。
- 資産、負債、資本金といった貸借対照表の構造
- 売掛金、買掛金、預り金といった勘定科目
- 損益計算書の構造
この専門用語の意味を知っているだけで、会計ソフトの扱いも少しは気が楽になります。
そして、どの会計ソフトも同じような操作方法(一部違うものもあり)なので、初めてのソフトでもなんとか操作することができます。
どこのトイレにいっても、おいてあるもの、操作方法、自分自身の所作は変わらないのと同じです。
一回知っておけば、心置きなく経理業務ができるので、苦手意識を少なくすることができます。
データの流れが見えるようになる
簿記3級では、伝票の種類を勉強します。
そして、それによって仕訳を切ったら、借方と貸方の数字がどのように集計されるか学習・訓練します。
つまり、決算書というゴールを見ただけで、これらの数字がどのように集められてきたのか、理解できるのです。
これこそ、出てきた結果を分析して、原因を特定することが可能になるのです。
まさに、健康診断の結果から、身体のどこが悪いのか判明するのと同じではないでしょうか。
会計では、2つの帳票で原因を探ることができます。
損益計算書は、何を食べて(営業活動など)きたのか、チェックします。
貸借対照表は、身体の調子、今後活動し続けることができるのか、チェックします。
健康診断の数値が悪ければ、今後病気になるリスクが高いことを示します。
まさに、貸借対照表の数字が思わしくないと、今後事業を続けていけるのか、これからの経営方針を考え直すことができます。
健康診断の数値や形状をみて、診断する医師の知識に該当するのが、簿記です。
もし、自分で診断できるようになれば、問題が起きたときに早く手立てを打つことができます。
これこそ、収入の保証がない事業をするものとして、持っておきたい技術です。
本屋さんに行くと、今は「確定申告書の書き方」「決算書の読み方」「財務分析の仕方」といったビジネス書が多く置かれています。
でも、一冊一冊読むと、時間はかかるし、断片的な知識しか得ることができません。
でも、簿記は、これらを網羅して、数字が流れて集約されることを学習します。
とくに、精算表の試験問題は、決算の意味を理解するのに大変役に立ちます。
経営分析の数値は、簿記を勉強しなくても計算できます。
でも、計算した数値を行動に落とし込むとき、いい影響を与えたこと、悪い影響を与えたことが明確にわかると、なお一層、有効な数値になります。
経理業務こそ、少ない工数かつ最大な情報収集を目指す
さて、これまで健康診断の意味を理解する方法として、体系的に知識を得るには簿記が効果的だと説明してきました。
規模が大きいなら、経理業務は人に頼むことができます。
でも、フリーランスといった自分で経理をする人にとって、経理業務は負荷がかかってしまいます。
そこで、貯めて集約する方法をとるか、随時水に流して処理するかのどちらかを選択することになります。
ここは、最新式の設備を整えた環境が良いに決まっています。
この最新式の設備は、経理だとクラウド会計ソフトに該当します。
そのソフトを操作するにあたり、経理用語や簿記を知っておけば、メンテナンス(仕訳を直す)ことも可能になります。
最終的に、経理業務の効率を極めるなら、簿記知識があって、会計ソフトの操作ができるようにしておくことに行き着きます。
もし、今回の確定申告で、とても大変な思いをしたなと思ったら、ぜひ、来年は最新式の仕組みを取り入れるようにやってみてはいかがでしょうか。
その設備や知識を得られるよう、資金と時間を確保できることを目標にしてみてください。おのずと、ビジネスも成長するといった副産物も得られるようになるはずです。
=編集後記=
【昨日のできごと】
昨日も東京へ。世界中のNotionコミュニティをフォローされているフランシスコと懇談しました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
=おすすめのサービス=
◉「まずは相談」それぞれの困りごとにアドバイスいたします。
◉自分の力でクリアされたい方向け
◉公益法人運営サポート
公益法人運営サポートサイト↓