経理の効率化は、ただデジタル化するだけではありません。
美しさが伴わないと、本当の意味での効率化は難しいです。
効率化とは、美しいワークフローに支えられて初めてできるのです。
美しい帳簿が導く効率的な経理業務
経理の効率化には、内側からと外側からのアプローチが必須です。
まずは、内側からの美しさにについて、考えてみました。
整然とした勘定科目体系の構築
一番はまず、会計ソフトの科目と科目コードの設定です。
科目コードは、パソコンで言えば、ショートカットキーと同じ役割を持ちます。
手で仕訳入力をする場合、すべて数字とエンターキーで入力を済ませることができます。
帳簿には、摘要欄を入力しなければなりません。
ここも、同じ摘要を繰り返すことがわかったら、入力しながら摘要辞書登録をするのがコツです。
とにかく、テキストとマウスのスクロールを少なくするように設定するのが、会計ソフトへの入力を効率を上げるコツなのです。
科目体系も美しく設定しましょう。
科目には、おおよその順番が決まっています。
コードの並びも、それに合わせるようにします。
そして、他のツールから仕訳データをインポートするために、科目の順番や表示方法も統一します。
効率化とは、同じ作業を繰り返さないことから始めます。
そのために、会計ソフトと他のツールの科目(特に補助科目)は、半角全角スペースのすべてを合わせておきます。
それによって、修正回数を減らして仕訳インポートをすることができます。
視覚的に分かりやすい仕訳入力フォーマット
これは、会計ソフトの仕訳辞書のことをさします。
毎月、定例の支払の場合、仕訳を辞書登録しておきましょう。
Notionでいれば、ページテンプレートと同じ意味を持ちます。
特に、一つの仕訳に2つの取引が発生しているものは、仕訳辞書登録をしておくと、入力の効率化があがります。
例をあげるとしたら、お給料の支払と、借入金返済の仕訳があげられます。
お給料の支払は、源泉所得税や社会保険料、市民税など控除された金額が支払われます。
たった1行のとりひきに見えますが、預かるお金と負担するお金や支払うお金といった、いろんな種類のお金が行き交っています。
現金への借入金返済も同じです。
通帳から1行支払われていますが、元本と利息にわかれています。
また、これらの仕訳は、毎月発生しています。
毎回、仕訳を1から入力するより、仕訳辞書を登録しておくことが、効率化に大きな一歩となるのです。
美しいグラフと図表で財務状況を可視化
経営者は、対して月次試算表を見て、事業の修正や推進を決断していきます。
かつては、会計事務所専用プログラムから、月次試算表なるものを出力していました。
しかし、月次試算表から得られる情報は、表層的な数字しかみていません。
きちんと簿記を勉強していない社長が大半を占めている、今の中小企業の場合、わかりやすい資料を作成するのも、経理の仕事です。
余計な数字を省略し、余白を残したわかりやすい資料には、配色は多くても2色が限界です。
それも、チカチカした色合いではなく、落ち着いたトーンで色を選ぶことで、資料を見る人の脳疲労も軽減することになります。
効率と美を両立させる経理書類の整理術
次に美しくするところは、外側です。
会計ソフトに仕訳入力されたあと、紙やデジタルの資料はファイリングされます。
いまでは、Web取引の資料は、デジタルで保存することが義務付けられています(電子取引保存法)。
この解説は、以前ブログで書かせていただきました。
色分けとラベリングによる書類管理システム
とはいえ、まだまだ、紙も残っているのが、過渡期の特徴でしょう。
新しい法律ができたとて、いきなり紙がなくなることはありません。
この紙のファイリングにも、美しさを求めるようにします。
銀行ごと、科目毎、給与関連、売掛金、買掛金。
このような分類で、ファイリングをしていきます。
このファイルも、できたら一種類に統一させましょう。
下手にケチって、いろんなタイプのファイルでとじ込みをしたら、不思議と最後まですべてファイリングすることがありません。
デジタルとアナログを融合させない美しいファイリング方法
デジタルと紙は、相反するものです。
これらを同じやり方でファイリングするのはおすすめできません。
デジタルの場合、並び替えや検索機能で、目的の帳票を探し出すことが容易です。
しかし、紙の場合、めくって探すことが大前提でファイリングされています。
このように、探し出すときに、無駄な行動が起きないようなファイリング方法を作り出すことが必要です。
ようは、見つけやすい工夫をするということです。
期限管理を兼ねた美しいカレンダーシステムの構築
経理の帳票には、保存期間が定められています。
これらを、効率よく処分し、当年分を長期保存すべく箱詰めにする作業は欠かせません。
これも、ところてん方式で、保存するのが美しいとされています。
段ボールで保存することが多いのですが、一箇所に同じ年度分が固まって保存されていると、処分作業も効率よく行うことができます。
長期保存する場合、十分な保存場所を確保するようにします。
美しい職場環境が生み出す経理業務の効率化
経理は、人が仕事しています。
一見、ソフトが仕事をしてくれているように見えますが、
その入力フローを考えるのも人間。
会計ソフトで集計されたものを見て、判断するのも人間。
基本、経理の仕事は人間が仕掛けて行うものなので、働く環境を美しく整えるのも、大事なことです。
デスク周りの整理整頓:機能性と美しさの融合
机周りは、とにかく、ものを置かないようにします。
私は、分離型キーボードを利用しているので、人より机に置くものが増えています。
それでも、筆記用具や付箋といった、経理での必須アイテムは、机の上に置かないようにしています。
もちろん、机の引き出しも、美しく構築しましょう。
種類ごとに、クリップの大きさも揃えて常備しておけば、すぐに使えるクリップを手に取ることができます。
心地よい照明と観葉植物:集中力を高める環境づくり
決して薄暗い場所で、経理業務をしないようにしましょう。
暗いと目の負担が大きくなり、ミスを誘発しやすくなります。
令和3年12月から、「事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令」が施行され、
部屋の明るさも改定されています。
現在は、300ルクス以上とされています。
あと、目に優しい観葉植物や絵画などかざられていると、目を労ることができます。
目に優しい環境は、美しいものです。
チームで共有する美しい経理業務フローとマナー
つまり、無駄のない流れを指します。
会社や事業の規模が大きくなると、複数人のチームで経理フローを回すことになります。
極力、二度手間になることは避けます。
また、それぞれ行っている業務を連携する場合、役割分担も明確にわかるようにしておきます。
同じ仕事でも、やる人によって結果が変わるようでは、いい経理フローとは言えません。
チームで共有するためと、ひとりで効率よく行うための経理フローは、それぞれ違います。
このように、経理フローを美しい流れにすることで、業務の効率化は格段にあがってきます。
ただ、デジタル化のシステムを組み入れるだけが、効率化ではありません。
まずは、美しい流れにすることに注視しましょう。
デジタル化は、それから考えます。
美しい業務フローにすれば、どこをデジタル化すればいいのか、答えはすぐに出すことができます。
経理業務フローを美しく。
そんな視点で、今の流れを見直してみましょう。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
=おすすめのサービス=
◉「まずは相談」それぞれの困りごとにアドバイスいたします。
◉自分の力でクリアされたい方向け
◉公益法人運営サポート
公益法人運営サポートサイト↓