これは「Notion Community Advent Calendar 2023」の6日目の記事です。
https://adventar.org/calendars/9224
昨日は、 チャベスさんの「Notionをちょっと便利にするChrome拡張機能の開発」
https://note.com/chabesu_blog/n/need7498d52d7 でした。
Notionと出会ってから、私の人生は大きく変わりました。
というか、大きく変化したときに、Notionがそばにいてくれて、私の激走にめげずに伴走してきてくれました。
今、私は次なる大変革を前に、年末にその準備を虎視眈々とやっております。
もちろん、その準備もNotionとともに行っております。
そんな時期に、このアドベントカレンダーを今年も書く機会をいただきました。
今回は、Notionによって人生を大きく変えた普通のおばさんが、Notionをどう扱き使ってきたかを振り返ります。
冒頭は、ショッキングな記述が続き、閲覧注意の写真もあります。
でも、地獄の状態を知っていただくことで、Notionの素晴らしさがより伝わると信じて書きました。
ただ、Too muchだと思う方もいらっしゃるでしょう。
Notionについてのみ読みたい方は、下記の目次
「人生で最大の喪失感の中で、Notionと出会う」
の3番目 「とうとうNotionと出会う」から、お読みください。
人生で最大の喪失感の中で、Notionと出会う
その日の朝、一瞬にして景色が変わりました
「ああ、終わった……」
明るい処置室のベッドに横たわる私は、傍らに佇む救急車の救命士の方を見て、心の底からつぶやきました。
今さっき、私は事故現場から救急車に乗せられて、ここに連れてこられたんだ。
あれ?救急車の人は、こんな長い時間、私のことで病院に待機しているんだ……。
運んできてくれた人のことを心配するなど、混乱した私がそこにいました。
実は、2020年の5月に、車同士の交通事故で大怪我し、約1年半ほど、治療とリハビリを続けておりました。
頚椎骨折、肺挫傷、聞いただけでゾッとしますが、これらはまだ軽症の部類に入ります。
何より、私の人生を支えてきてくれていた右手が、一切使えないことを知った私は、大きな絶望に陥ったのです。
そうです、右手首と橈骨遠位複雑骨折という重症を負いました。
私にとって、右手は人生のすべてを支えてきてくれていました。
子供の頃、声を出して話すことが苦手な私は、ピアノを弾いて感情を表現していました。
文字を書くことで、気持ちの整理をしていました。
泳ぐときだって、クロールのかきだしは右手からでした。
もちろん、走り幅跳びの踏み切る足も、右足でした。
人生を歩むために欠かせないツールだった私の右側が、この事故で封印されてしまったのです。
退院後にまず出会ったのがiPad
入院中、どうして自分が事故になってしまったのか、混乱してしまい、夢にも出てくる始末でした。俗に言うフラッシュバックです。
なんとかして、このごたついた感情を吐き出さないと、次に行けないと焦った私は、家からA4ノートと鉛筆を持ってきてもらいました。
でも、右手はこんな状態です。
左手で文字を書くのですが、なんとか書けるけど、感情を吐露するには難しいです。
そこで、自宅からパソコン一式を持ってきてもらいました。
左手だけで、キーボードを打った方がまだいけます。
でも、それでも感情を整理するには、うまく言葉を出すことができません。
ビジネス文書だったら、左手だけでもキーボードで打つことができます。
でも、私の感情は右手からしか流れてこないため、どんなに文字を打っても混乱状態は解消できませんでした。
ここは、大人しく精神科のドクターに診察していただき、心理カウンセラーの方と話す機会を作ってくれました。
これで、なんとか感情を出すことができ、だんだんと夢も見なくなっていきました。
まずは、最初の一歩を、「話を聴いてもらう」という方法で、進めることができたのです。
人って混乱しているとき、全身に感情がまとわりついているのでしょうね。
それを解きほぐす方法を知っていれば、人は何度でも立ち直れます。
退院後、時間を持て余した私は、iPhoneでひたすらYou Tubeを見続けるという日々を送っていました。
そこで、元気のいい明るい関西テイストのガジェット系YouTuberに出会います。
平岡雄太さんです。
いや、関西弁でお話されていらっしゃいませんが、ふっと出る雰囲気が、懐かしさを醸し出していらっしゃるので、より親近感をもっておりました。
おかげで、人生最大の喪失感から抜け出すきっかけをくれた、勝手に人生の恩人とさせていただいております。
平岡さんの影響で、器用に右手が使えなくても、iPadなら感情の整理ができるかもしれないと、藁を掴む思いで、iPad Pro12.9を購入しました。
こうして、iPadとApple Pencilを使って、右手で文字を書く練習を始めることができたのです。
とうとうNotionに出会います。
そして、平岡さんが解説するNotion徹底解説シリーズ(3本)に出会います。
この動画は、シリーズもので3編に渡り、Notionの基本的機能の解説をされています。
これを見て、
「Notionなら、まだ器用に動かせない右手でも、マジックパッドと左手だけで、なんとか作れそう!!」
そんな気持ちがきっかけとなって、Notionを使ってみることにしました。
私は、このシリーズ3編だけで、その後続くNotion生活のスタートをさせました。
動画を見ながら、止めてみては動かしての繰り返しで、見様見真似で同じものを作っていきました。
最初は確か、旅行準備のタスク管理だったかと思います。
Notionで一番わかりにくいのが、「リレーション」と「ロールアップ」です。
いきなり、この用語を聞かされても、さっぱりなんのことやらわかりません。
でも、動画内でリレーションの実用例を解説していただいており、そのとおりに同じものを作ってみて、やっと腑に落ちることができました。
それ以降、私は、もらったテンプレートを分解して、プロパティに組まれたFormula(関数)や、リレーションの組み方を見て、自分で参考にする使い方をしています。
これらの体験があってこそ、今の自分がいます。
ゆえに、私が主催しているセミナーなどでは、テンプレートを選ぶ基準を、自分に似たクリエイターから探すように伝えています。
このように、Notionを起点にして、様々なチャンネルを見たり、書籍を買ったりして研究を始めました。
でも、今になって思うのは、最初の平岡さんの動画で良かったなと。
基本をしっかり伝えていただけたことで、Notionを使う上でつまづくことがなかったからです。
今までのトラウマを乗り越えるためのNotion
事故から半年経過して、私はひとり仕事をする決意をしました。
このとき、すでにNotionが傍らにいます。
この相棒がいれば、なんだかできるような気がする……。
根拠のない自信が湧いてきたのを覚えています。
幸い、かつての事務所の顧問先から、経理をみてくれないかと声をかけていただき、それをきっかけに一人で経理代行の看板を上げることにしたのです。
もう、雇われはいいかなと。
ここから、私のひとり仕事とNotionの歩みが始まります。
ブログねたとNotion
まず、始めたことは、ブログを書くことでした。
随分前に、WordPressの設定を終えていたのですが、なかなか始めるきっかけがなく、そのままにしていました。
でも、Notionでねた帳が作れることを知って、早速ブログ開始とともに、Notionを本格的に使い出しました。
参考にしたのは、もちろん、平岡さんのYou Tubeネタのページです。
まったく同じやり方で、今でも運用しています。
参考というより、ほぼパクリですね。
今年の11月に「Notionライフハック」を出版されたNotionアンバサダーのReiさんの書籍。
こちらにも、平岡さんのインタビューが記載されておりますので、ぜひ御覧ください。
簡素な作りだからこそ、永遠と使い続けられるので、Notionを育てていくことができます。
このように、三つ子の魂百までというわけで、平岡さんが発信するNotionが、私のベースとなっております。
Notionに情報を入れる「FastNotion」との出会い
当時、iPhoneのアプリにもNotionがあったのですが、非常に使いづらいため、ねたを貯める方法で、もっと効率のいいものがないか、探しておりました。
そんなとき、出会ったのが、当時すでにNotionアンバサダーになっていた円谷さんが開発した「FastNotion」です。
当時は、円谷さんお一人で作られていたかと思います。
一人でプログラミングして、ローンチして、バックアップ体制を作るべく、FastNotionの使い方サイトから、連絡できるようになっていました。
小さな規模でも、ここまでできるんだと、ひとり仕事の可能性を見せていただいたのが、実は、円谷さんだったのです。
一度、うまく設定できず、オンラインでのフォローをお願いしたことがあります。
ただ、想像していたより、お優しい声だったことは、今でもしかと覚えております。
ねた帳を育てて行ってみて、初めて、Notionは、どんどん情報を投げ入れることで、真価を発揮するツールだとわかりました。
今では、FastNotionを卒業して、Apple Watchの音声入力で、ねた帳に情報を投げ入れています。
こちらもNotionアンバサダーの小林さん(@hkob)が作ったテンプレートをもとに構築しました。
iOSのショートカットを活用した方法で、料金がかからず、テンプレートのとおりに設定すれば、誰もが利用できるおすすめのテンプレートです。
私は、Apple Watchから入力していますが、iPhoneからも、もちろん利用できます。
そして、実際に試してみたのが、こちらの動画。
この動画では、最後のオチがくだらない歌で終わっておりますが、今ではそのようなことは必要なくなり、スマートに音声入力ができるようになっています。
情報があればあるだけ、データベースの運用が楽しくなっていきますね。
こうして、Notionは、すます手放せない相棒となっていきました。
このように、ねた帳を基軸に、
- タスク管理
- 嫌いなこと、苦手なことリスト
- 自分史
- SNS用自己紹介文、140字、400字
と、ページを増やしていきました。
そして、今ではNotion関連の仕事は、すべてNotionで完結させています。
家の外でも、仕事ができるのは、Notionのおかげです。
経理会計の仇は、Notionで返した話
さて、いよいよ本丸です。
私は当初、「Notion×経理」と称して、Twitter(現X)にて、情報を発信していました。
詳しいことは、ブログに記載し、更新告知をTwitterで行っていたのです。
私のNotionを公に発信し始めたのが、この経理の現場でのNotion活用例です。
経理にNotionを導入したきっかけは、「面倒くさい」と「失敗が多い」を解決するためでした。
おかげで、失敗は減り、作業時間も圧倒的に早くなっていったのです。
Notionで、かつての苦労を解決した瞬間でした。
おおまかに、3つのパターンに分けられます。
- 会計データをNotionのデータベースにインポートして、タグ付けと日付のプロパティをフィルタリングすることで、帳簿残高チェックを行う。
- 毎日と毎月、そして毎年の経理タスク(日次、月次、年次)をNotionデータベースで管理とチェックを繰り返す。
- 経理担当者と社長、経理担当者と税理士や社労士、経理担当者と現場の3つの関連を、Notionページの共有でよりレスポンスをアップさせる。
つまり、簡単に言えば、
- 帳簿の中身が正しいか確認。
- 経理タスク管理
- 現場や経営者、外部との連携
これをNotionでやってしまうということです。
実は、これらは私が今まで失敗の多かった3分野でした。
帳簿チェック
帳簿チェックは、嫌いではありません。
ただ、「これって、二度手間だなぁ」と思いながらやっていたわけです。
帳簿に一つ一つ、消し込んでいく作業を、Notionのデータベースのフィルター機能で、解決できてしまいます。
会計ソフト✕Notionデータベースで、会計を楽しくする方法
この機能を、会計ソフトが持てば、すべて会計ソフト内で完結できるのに……。
と思っております。
経理タスク管理
経理は、基本同じことを、一定周期で繰り返していきます。
ただ、終わったら完了!とすっきりするわけではなく、また同じことを繰り返していくのです。
この閉塞感は、経理経験者でないとわかりません。
それを、見える化にして、ゴールを把握しやすくしたのが、Notionによる経理タスクです。
経理のマニュアルをNotionで済ますポイント NotionAIを使った事例
経理担当者との連携
Notionを導入して、一番良かったと思えるのが、この連携です。
経理は、情報が命です。
取引、従業員の動向、そして小さな会社の場合、経営者の居所まで。
経理タスクが進まない大きな要因は、たいてい「返事待ち」です。
経理から投げたボールを、帰ってくるまでのタイムラグが、無駄を広げていくのです。
経理での効率化は、このムダをいかに排除するかです。
その一助となったのが、このNotionです。
こちらについては、2023年7月に開催されたNotion Japan Meet Upにて、報告させていただいています。
こうして、トラウマや失敗から立ち直るため、ひたすらNotionにアウトプットを繰り返し、溜めていったことで、私は、立ち直ることができました。
実は、Notionって、情報をなんでも溜めておくことで、真価を発揮するツールではないかと思っています。
私の右手のかわりに、クリックひとつでなんでも溜めて行ったNotionがあったから、次なるステップに進められたからです。
起業に向けた準備 Notionの活用方法
さて、今、来年に向けて、私は次なるステップを準備しております。
本格的に、ひとり仕事で独り立ちするために、今からできることをリストアップしております。
今までは、基本的に、頼まれた仕事を請け負うフリーランスとして働いてきました。
しかし、それだけでは、ひとりでは回しきれないこともあり、徐々に本当の自分との乖離も感じることが増えてきたのです。
そこで、私は今年の11月で、年内を一旦終了する形をとり、12月から新たにブランディングし直して発信することから始めました。
とはいえ、表面上は、それほど大きく変えていないので、気づかれていない方もいらっしゃるかと。
この再スタートに向けて、私は次の工程を組んでいます。
- 自分のブランディングの見直し
- どのタイプの仕事を目指すのか明確化
- もう一度、自分自身の棚卸し
- そこから、もう一度コンテンツ(メニュー)を作り直す
- 外部の人(広告代理店のプロや、日陰産業を立て直した経営者など)に、色々と相談してみる。
そうしたら、次のことをNotionでできるのではと、閃きました。
自分の再棚卸し
会計の世界でも、商売に使う財産を再評価して、現状を明確にする手続きがあります。
「棚卸し」です。
小売業や、製造業の方なら、すぐにどういったことなのか、ご理解いただけるはずです。
私のような知的財産を持つ者は、この棚卸しの方法が不明瞭であるため、何もしないで次に進めることが往々にしてあります。
そこで、私は自分の知的財産の棚卸しを、現在、ベータ版であるNotionAI Q&Aで行うことにしました。
結果がこちら。
この1から5については、すでにHPやSNSで発信していることです。
でも、自分でも以外だったのが「教育」の経験があったことでした。
まぁ、この「日本語」と出てきたのは「スポーツ」の読み間違いをした箇所があったということで、
こちらは、私の脳内で、自動変換して「スポーツ」ということにしています。
あと、面白かったのが「生活改善」でした。
これは、ひとり仕事の生き方を、ブログに書き連ねていたので、そこから引っ張ってきたかもしれません。
このように、Notionにねたをストックしておくことで、自分では気が付かないことを、Notionから教えてくれるようになっています。
これは、使わない手はありません。
ということで、ここから、私のブランディングを再度練り直すため、たたき台として活用することにしました。
定期的に、自分自身の棚卸しをすることは、今回に限らずやっておくとよさそうです。
再度事業計画書をA3コピー用紙で右手で書く
実は、練り直しの作業は、手書きを推奨しています。
Notionにある情報は、アウトプットしたものばかりです。
そして、意識してインプットした情報もあります。
でも、ないものを作り上げるには、まだアウトプットしていない、脳内で熟成されたものが必要です。
それを吐き出すには、私は、右手からペンを伝って流しだすイメージで書いています。
ゆえに、手書きを推奨しているのです。
書いたものはこんな感じ。
(企業秘密なので、思いっきりぼかし込んでいます)
このように、Notionでアウトプットされたものを見ながら、自分の脳内と細胞に語りかけながら、一定のテンプレートに沿って、手書きで書き込んでいくことで、これからの自分のやることを明確にしていくことができます。
A3コピー用紙から、タスクに落とし込む
ここから、アナログ世界からデジタル界へ、物事を変換していく作業がはじまります。
まず、NotionAIからの回答と、自分の手書き事業計画書をPDFデータにします。
それらを、ねた帳に一旦貼り付けておき、あとからタスク管理用データベースに移動させまます。
こうしてできたデータに、先程のNotionAIの回答も貼り付けておきます。
私のタスク管理データベースは、プロジェクト管理のテンプレートを活用しています。
こちらには、サブタスクを追記できるようになっているので、こちらで、どんどん思いついたことを追加していきます。
サブタスクを追加することで、具体的な行動に落とし込む準備ができます。
この先の落とし込み方は、人それぞれ。
私は、またアナログにしたりするので、ここでは割愛しましょう。
これらについて、詳しくは、12月のオンラインセミナーにてレクチャーさせていただくことにいたします。
【シリーズひとり仕事】 Notionで始めるひとり仕事準備セミナー
激動の3年 たくさん支えてくれた方とともに、Notionありがとう
長きに渡り、私の今までの3年間、そして、これからのNotionの活用方法をお伝えしてまいりました。
人生において、これほどの激変をうまく乗り越えることができたのは、初めてだったかもしれません。
それも、そばにいつも、Notionがいてくれたからだったかもしれません。
でも、思い返すと、私のNotionは、私自身でもあったわけです。
日々コツコツと、3年間、本やネット、自分のネタを含めた情報を集約し続けてきたからこそ、次なる戦略も練ることができたと思うのです。
あと、一番大切なこと。
Notionを充実できたのは、私の周囲にいた多くの人達です。
まずは、私の大怪我をボヤきながら治療してくれた主治医のスパルタン先生。
私の感情のはけ口になっていただいた、医療関係者のみなさま。
そして、ガジェットやNotionの存在を身近にしてくれた平岡さん。
Notion生活の走り始めを、ともに伴走してくれたNotionおばさん(現N Conect)。
キラキラした技術を、惜しげもなく伝えてくれた@hkobさん。
そして、暖かく迎え入れてくださったNotion関連の皆さま。
あと、ウイスキー一本でコンサルしてくれた地元の凄腕広告マンの方。
私にライティングを教えてくれた書店の店主。
ひとり仕事を始めるにあたり、背中を押してくれた税理士先生。
もちろん、地元での私の活動に関わってくださった経営者のみなさま。
そして、私のお客様になっていただいた数々のみなさま。
(お一人お一人覚えております)
あとは、黙って家事をやってくれる娘と夫。
Notionを振り返るつもりだったのが、実は、これだけの多くの人達に、助けられた3年間でもあったことに、改めて気付かされました。
ああ、今、涙がとまんないッス。
直接、お礼を言えずにおりましたが、この場を借りて感謝の気持ちをお伝えいたします。
さて、来年からどんなNotionに育っていくのか、非常に楽しみです。
明日は、たいちさんの「未定」です。
実は、地元千葉の理科大野田地区の学生さん。
同じジモティーとして、つながりのある彼に、バトンタッチできることが、なにより嬉しいです!