※生産性が上がらない悪い例
会社を経営するにあたり、従業員の管理は頭を悩ますことが多いようです。
ここでは、経理の立場で、生産性の低い従業員に対して何ができるか、考えてみようと思います。
利益が出ないわけは単なる思い込みから
経営者は、会社全体の数字を把握することができます。
しかし、一従業員は、すべてを知っているわけではなく、自分の周囲にあるものしか知る由もないのです。
つまり、自分がどんなに頑張っていると思っても、必ず経営者とのギャップが生じているのです。
これが、利益がでない従業員が発生する大きな理由です。
従業員自身が現状のデータを知らない、経営者自身が従業員の現状を知らない、この両方の「知らない」が、両者のギャップを生じている原因なのです。
行動の結果をフィードバックする
経営者が一人ひとりの現状を把握することは、不可能ではありませんが、効率性が悪くなります。
なぜなら、一人で知る情報に、必ず偏りが生じるからです。
まずは、従業員自身が自分の現状を正しく知ることが先決です。
自分のことであれば、比較的情報をまとめることが容易いからです。
従業員が、自分の仕事の結果を正しくフィードバックできれば、自分の中で把握している原因と結果を結びつけることができます。
例えば、
建設業の場合、工事台帳ごとの粗利を確認する。
サービス業の場合、年間売上目標に対する進捗度を確認する。
間接部門(総務等)の場合、残業時間の削減、つまり効率化が図られたか確認する。
等など
月ごとや、現場ごとに自分の仕事を振り返る材料を提供することで、従業員自身が立ち止まって考えることができるのです。
自分のキャッシュ・フローを理解する
次に、自分ひとりのキャッシュ・フロー、つまりお金の流れを把握することも効果的です。
ただの売上だけではなく、自分の売掛金がきちんと回収できているのか。
自分の人件費が支出されたあと、会社にいくら残すことができるのか。
また、間接部門の経費を自分がどれくらい負担できいるのか。
この、個人のキャッシュ・フローを知ることで、ただがむしゃらに頑張るだけでは成果が上がらないことに気づくきっかけになります。
経理は、会社全体の経理だけではなく、従業員または部門別のキャッシュ・フロー計算書を作成することで、経営者と従業員のギャップを埋める手助けをすることができるのです。
ただ、月次試算表を作るだけではない、どの数字を見せるようにしたら、会社全体が活性化できるのか、思いを巡らす時間を作ることを、ぜひオススメします。