※ ボタンひとつですべてが賄う 音響装置
消費税インボイス制度によるきっかけ
6月の末に、「経理職が会社から消える?」というネット記事が出されました。
経理を推進する身として、見逃すわけには行かない記事です。
この記事の締めくくりは、「人間にしかできない経理(事業計画の作成など)はなくならない」となっています。
経理に携わるブロガーも、同様の意見をまとめている傾向でした。
これは、デジタル改革関連法案が参議院で採決され、デジタル庁が設置されたことが起因となっています。
この法案は、個人情報制度に関わるもの(マイナンバーの普及や医療や学術の分野での規制の均衡化など)などに多岐にわたります。
経理に係ることだけ見てみると、ペーパーレス化の推進があげられており、このネット記事では、紙の請求書廃止に積極的であることを取り上げられています。
消費税のインボイス制度により、請求書に記載される事項の統一化が強化され、すべてデータ化することが可能になります。
ペーパーレス化に向けて、会計ソフト業界などが経理業務の自動化の環境整備に本格着手され、どんどん加速化していきます。
それは、何を意味しているのか。考えてみました。
機械に任せるだけの経理で経営できるのか
ボタンひとつで試算表まで作れる世界
ドラえもんがポケットから出す未来の道具が、現実の世界で日の目を見るようなことだと思いました。
のび太は、その道具を使って楽を満喫しますが、その後のオチが、痛い目にあって話が終わります。
「道具だけでは何も解決しない」というメッセージで、「道具」に夢見て、その先を期待していた読者は、いかに「道具」を使いこなすかを考えさせられました。
つまり、今まで考えないで済んだ「思考」が生き残るために必須になる、ということだと思うのです。
この「思考」が、「事業計画」や「予算策定」、「資金繰り」などの管理会計であることが容易に想像できます。
これからの経理
となると、管理会計に慣れていない小規模の会社は、今後戦うことが難しくなります。
俗に言う「経理職」がなくなり、人を介した数字を取りまとめて思考する「経理コーディネーター」が誕生するのではと考えるのです。
とはいっても、経理の基本をわかっていないと、所詮機械のやることですから、正しく処理されているかチェックすることができません。
機械の出す数字に疑いの目でみて、それを取り巻く人や環境を考える。
それに気づいた組織が、これからの社会を牽引できる社会。
そんな時代がすぐ目の前にきています。