先日、テレビドラマ「孤独のグルメ」のロケ地になった食堂に行ってきました。
その店の軒先にかかっている暖簾。年季が入っています。
良い飲食店は、暖簾を見ればわかるといわれています。
であれば、ひとり仕事も「良い暖簾」と評価頂ける必要があります。
老舗ではない、ひとり仕事の暖簾は、どう作ればいいのでしょうか。
企業でもない、小さなひとり仕事は不利なのか
暖簾ときくと、ついつい会計人は、とある仕訳を思い出してしまいます。
とある会社(資産額100万円とする)を150万円で買収すると、差額の50万円が発生します。
つまり、資産額より50万円多く買収していることになります。
この50万円は、会計上「のれん」という資産になって、未来時間かけて償却(費用を少しずつ毎年分けて計上する)していきます。
つまり、実際の価値より、高く評価した結果「のれん」勘定が生まれるのです。
赤ちょうちんの好きな飲兵衛には、あの縄のれんを連想するでしょう。
店の佇まい、板長の腕、おかみさんのキャラクター、仕入れされている酒の好み。
これらすべて含めて、「暖簾」に凝縮されているのです。
「暖簾分け」といった言葉も思いつきます。
今まで暖簾を支えてくれた従業員が独立するとき、親方はその従業員の門出を祝うように、「暖簾分け」をします。
店の価値を、より広げていく意味合いもあります。
つまり、「暖簾」とは、ただ店先にぶら下がっている布切れのことではなく、その店そのものを表現しているのです。
では、これからひとり仕事を始める我々にとって、暖簾に当たるものはあるのでしょうか。
商売している以上、のれんに当たるものは存在しているはずです。
しかし、開業して日の浅いひとり仕事の場合、老舗店の暖簾には負けてしまいます。
これは、どうにもならないことなのでしょうか。
ひとり仕事にしか出せない味「人間そのもの」
なぜ、この定食屋さんが、「孤独のグルメ」のロケ地に選ばれたのでしょうか。
いい店であることは、訪れてみてよくわかります。
創業当時から変わらない、店内。
テレビ放映後、店が混んでしまい、馴染みの客が入りづらい状況に。
でも、「ねえ、奥の座敷、行っていいよね」と店の窓から、店内のお姉さんに声をかけます。
「ああ、いいよ。はいっちゃって」
この会話から、この店は自然体で経営してきたんだと理解することができます。
テレビドラマでは、「レバニラ炒め定食+鶏皮餃子+青ネギラーメン」を注文した主人公ですが、さすがに3品はむりなので、私の大好物の「マグロ中落ち定食」と、
鶏皮餃子を注文しました。
この仕上がり。油であげるので、時間がかかるはずですが、なぜか、注文して数秒で出てきました。
「お客さん、ラッキーだよ。多く注文しちゃったから、どうぞ。」
この臨機応変で、とても気さくなお店のお姉さんの対応が、私の中でボルテージがあがります。
出てくるメニューは、至って普通の定食屋さん。けど、この厨房とホールの連携と、お客さんとのやりとりは、店員さんの個性、人間性の賜物なのだと気付きます。
主人公役の松重豊さんが、しみじみと食らいついた「鶏皮餃子」は、作る人の優しさが味に滲み出ています。
老舗とは、お客さんと店が、心の交流を重ねて積み上げたものなのです。
企業のように、広く知れ渡っている必要もなく、地域に受け入れられて、細く長く商売を続けている店が、良い暖簾をもっているのです。
ということは、ひとり仕事の場合、商売の日が浅いのであれば、自分自身の人間性が勝負になることがわかります。
人よりほんのちょっと、苦なく料理をつくれて、喜んでもらえるのであれば、それは歴っとした暖簾を持っていることになるのです。
発信、メニューづくり、ショーウィンドウ
しかし、どんなに良い暖簾を持っていたとしても、知って頂けないと、価値を分かっていただくことができません。
ひとり仕事の大変さは、ここにあるのです。
大きな企業で、資金力があれば、お金を投じて宣伝をすることができます。
しかし、ひとり仕事で、元手をかけない場合、やたらと宣伝に大金を投じることができません。
また、短期集中で宣伝をして集客できたとしても、自分自身の良さを知ってもらったわけではありません。
確かに、集客はできたとしても、ファンになってもらえたかどうかは、まったくもって未知数です。
自分という個性を見せ続けること。発信すること。
そして、商品をショウウィンドウに並べて見ていただくこと。
これを、地道に継続することで、自分を知って頂けるのではと思っています。
朝ドラのヒロインを、毎朝15分だけ見ているだけで、最終回の頃には応援しているといったものと同じです。
発信の仕方に、決まりはありません。
Twitter、Instagram、Facebookなどなど。向き不向きがあります。
私のオススメは、まずはすべてのプラットフォームのアカウントを取得して、試しにやってみることです。
こんな私でも、Tik Tokもやってみました。
今は更新がとまっていますが、また再開するかもしれません。
間違えても良い、もがいても良い。これらすべて含めて、ひとり仕事の暖簾なのです。
存在そのものが、すでに暖簾。もしかしたら、企業のブランディングより、ひとり仕事のほうが、有利なのかもしれません。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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