経理担当者に必要な資質とは、どのようなものでしょうか。
簿記と幅広いバックオフィスの、技能や知識。
会社の業界の動向、銀行との交渉術、経営者への説明義務などなど。
業務内容については、たくさん情報が溢れています。
また、組織の中での評価基準について、明記されているものも多数あります。
しかし、本当にそれだけで経理担当者は気持ちよく仕事ができるのでしょうか。
私は、経理担当者に適した思考のクセを考えてみました。
知識や技術は、後からいくらでも身につけられるし、職場環境に身をおいていれば、
いかようにもできます。
しかし、考え方まで説明されている方があまりお見受けしませんでした。
今日は、経理担当者に適した思考のクセについて、考えてみます。
一枚の請求書や領収書からその裏にあることを想像する力
カタカナ語で言い換えると、
「ミクロ視点ではなく、マクロ的視野を持つ」
でしょうか。
経理の仕事は、気をつけないと視野狭窄になりやすくなります。
銀行残高や売掛金残高の数字が一円でもズレたら、決算書は正しいものになりません。
正しい数字を出す技術は、ただ機械のように正確に作業すると思っていると、
「融通が効かない」「絶対に認めてもらえない」といった評価を受けてしまうでしょう。
しかし、マクロ的視点を持っていると、どのようにチェックすればミスを未然にわかるようになります。
また、提出された領収書から、現場の状況を把握することもできます。
そして、現場からイレギュラー事案が生じた時、冷静に対処できます。
これらは、すべて経理としての経験を積めば得られる技能ですが、
残念ながら、この想像力というセンスを持っている人とそうではない人がいるのは確かなのです。
想像力の基礎は、簿記や管理会計といった知識になります。
そういう意味でも、きちんと簿記資格を取得するといった努力があってこそ、得られる想像力なので、勉強する力ももちろん必要です。
馴れ合いに染まらない中立力
同じ経理に長くいると、人間どうしても馴れ合いが生じてしまいます。
これは、人としての本能ですから、いたしかないでしょう。
しかし、経理担当者として求められる二つ目の力は、この「馴れ合いに染まらない」という本能に打ち勝つ力なのです。
仕事に慣れてしまうと、必ず思い込みが生じます。
この「思い込み」がミスする原因となり、意図しない間違いを引き起こすことになるのです。
もちろん、この「馴れ合い」から不正経理に発展してしまうこともよくあります。
よって、経理に携わる人は、常に中立であることが求められるのです。
原理原則に沿って、仕事をすることで、ミスもなく、正しい数字を扱うことができる。
それが、経理担当者の求められる第二の力です。
自分を追い込み過ぎない術
最後に、一番大切な力とは、経理担当者自身を追い込まない術を持つことです。
自覚せずに、正確性や俊敏性を極めようとすると、先ほどお話しした通り、視野が狭くなってきます。
これは、周りが見えなくなるという意味もありますが、これが自分自身を追い込んでしまう原因になっていくのです。
よく、決算期を迎えた経理担当者が、近寄り難くなる場合があります。
これは、目の前のタスクの多さに、力技でこなすことで乗り切ろうとするストレスから、周囲に目を配れない状態なっているのです。
この時、一声かけられる上司や同僚、そして経営者がいれば、経理担当者の気持ちもずいぶん楽になります。
しかし、そのような環境で働ける幸せな経理担当者は、全体の1割もいないかもしれないのです。
そうなると、環境をあてにすることができません。
自分で自分の機嫌をとるしかないのです。
まずは、原因となるタスクへの拒否行動を改善しましょう。
一つは、業務の見える化であり、タスクの断捨離であり、業務の効率化であり、ファイリングの工夫をして、自分で改善できる方法で環境を整えていきます。
そして、働き過ぎず、きちんと家で心身のメンテナンスをして、自分自身をリカバリーします。
それによって、日々、軽やかに仕事ができるようになるのです。
とかく、経理は現場からも経営者からも共感を得にくい立場です。
想像力をもつセンス、知識や技術を持ってチェック体制をとれること、組織内では中立でいること、
そして、何よりも大切なのは、自分自身を大事にできること。
これらが、経理担当者に必要な力です。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
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今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
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