ひとりビジネス、ひとり社長、そして小さな会社の経営に一番必要なこと。
これからの時代は、会社を守る術がないと難しいでしょう。
経理・会計・経営判断で使われるもので、決算書というものがあります。
その一番最初にある「貸借対照表」。
これを読解できる力があれば、長期的な視野で会社を数値化したものを分析できるようになります。
これを「BS思考」ということにしました。

カロリーのストック。健康診断の数値がBS思考に似ています。
PLとBSの基本を理解する
貸借対照表(以後BS)ときたら、損益計算書(以後PL)。
この2つは必ずワンセットになります。
毎年のPLで算定された利益や損失の累計が、BSの資本の部にでてきます。
ここには、設立時にいくらお金が投資されたのか(資本金)。
いままでどのくらいの利益(+)や損失(−)を積み重ねているか(利益剰余金)。
そして、今現在、手元にあるお金は、他人のものなのか(負債)、自分たちだけで使えるお金なのか(資産)を見ます。
右側の負債、資本は、入ってくるお金の種類をまとめています。
- 他人に借りて入ってきたお金・いずれ他人に返すお金(負債)
- 商売で得た利益として入ってきたお金・自分たちが永久に使えるお金(資産)
そして、左側の資産では
- 1年以内で現金化できるもの(流動資産)
- 現金化に1年以上かかるもの(固定資産)
にわけています。
負債も、同様に流動負債・固定負債にわけています。
このことから見えてくるものは、
- 自分は、どのようにお金を手に入れているのか(資本が多い?他人から借りているのが多い?)
- 今すぐに使えるお金はどのくらいあるか
大まかにこの2つを知ることができます。
これを専門用語でいうと、「財務体質の健全性を判断」となります。
つまり、このBSは、過去の自分達の戦歴をチェックして、未来への行動指針を決めることができます。
PLは、日々、月々、そして1年の仕事の振り返りをするためにチェックするものです。
BSはマクロ的、PLはミクロ的とも言えるでしょう。
持つべきものは財務視点
会社を戦略的に前に打ち出すには、PLでの利益、売上高、粗利といった日々の仕事の質を高めていくようになります。
そして、今、手元にある資金がいくらあるのかによって、攻撃的前進の度合いを決めるようになります。
しかし、これからの時代は、会社を守っていく術を持っておくようにしたいものです。
- 単月の売上や利益だけでなく、長期的な財務体質の改善を意識する
- 資産の効率的な活用を心がけ、投資効果を最大化する
- 負債と純資産のバランスを考慮した持続可能な成長戦略を立てる
- 日々のキャッシュフローを重視した意思決定
未来に残るお金がいくらあるのかを知らなければ、会社を守ることもできません。
もし、このBS思考で厳しいと判断すれば、日々の仕事の仕方を変えることもありえるのです。
PL思考の究極は、納税をしないための手法に走ってしまうことです。
納税を避けるため、利益を圧縮することばかり考えると、あっという間にBSは資産が減り、負債が多く、債務超過への道が出来上がっていきます。
BS思考であれば、しっかりと利益を残し、納税する方が得であることに気がつきます。
納税していけば、必ず資本は大きくなります。
自分たちが自由に使えるお金を増やすことが、会社を守ることになるのです。
実践的な財務管理のポイント
具体的に、どのように会社を守るのか、以下のツールを使ってBSを分析していきます。
必要なスキル | 具体的な活用場面 |
簿記の基礎知識 | なぜBSがそのような数字になったのか、理由を判別できる |
財務分析力 | 経営判断に必要な数値の算出と解釈 |
キャッシュフロー管理 | 資金繰り予測と計画 |
財務戦略立案 | 投資判断と資金調達計画 |
そして、BSの中身を詳しく知るには、BS科目の内訳書を見るようにします。
公益法人会計なら、財産目録です。
こちらを見れば、数字だけのBSよりは、イメージを持ちやすくなるでしょう。
ただ、現預金が増えて安心というだけでは、もったいないです。
負債が増えているなら、借入で増えたことになりますし、資本の金額が増加しているなら、PLで頑張って利益を伸ばしたことがわかります。
もし、負債が増えているなら、事業で利益が残せるように、次の手立てを考えるようにします。
このような経営判断には、BS思考は欠かせません。
ぜひ、ご自身の会社や事業の決算書にあるBSをチェックしてみましょう。
前期と今、どのくらい数字が変わっていますか。
それをチェックするだけでも、BS思考を養うことができます。
=編集後記=
【昨日のできごと】
1日休養日。撮りためたドラマの一気見。
4月期の「波うららか、めおと日和」に大号泣。
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