※テラス席でも経理はできます。
みなさん、「経理」ときくと、どのような印象を持たれますか?
「地味」「細かい」「数字に強い」「電卓が早くて怖い」「寡黙」などなど
これは、経理業務をする人が仕事している状態であり、けして陰キャラの人たちが、経理をしているわけではありません。
しかし、どうしてもいいイメージがないようです。
「経理は地味」のイメージ
経理業務とは、どんなことをしているのでしょうか。
証票の収集、記帳、証票のファイリング、試算表などの帳票の作成、銀行対応、経営会議資料の作成などなど
部屋にこもって、提出された領収書や請求書と格闘しているように見えます。
確かに、書類を相手にした仕事です。
私も、経理の仕事をする前は、「厳しくて怖い人がいる部署」「仮払精算をしても質問が容赦なくしてくる」など、強い苦手意識を持っていました。
しかし、不本意ながらその部署に異動してきたとき、ある種の感動を受けたのです。
そうです。創造性の高い、そして、すべてを見通せる、全知万能の仕事だと知ったのです。
組織の情報がすべて会計を通じて収集できてしまう、「組織の中枢感」
つまり、宇宙船のブリッジ感があって(何を言っているのか)、
会社の舵を任されたような錯覚を得てしまうアトラクション感満載(語彙力・・・)
少し大げさですが、会計を通じて他部署の状況が手に取れるようにわかることでの優越感が半端なかったのです。
経理は、「地味」ではない。逆に、ものすごく「派手」だったのです。
単純作業と思考作業の両輪
経理の部署に配属されたときは、単純作業が多かったです。ひたすら、仮払金の精算し、提出された大量の請求書の縦計横計を検算していました。
最初は慣れなかったのですが、そのうちに電卓打ちが早くなり、指の動きだけで間違いを感じ取れるほどになっていきました。高校生までピアノをやっていたこともあり、指先の皮膚感覚で違和感を感じることもありました。
そこまでくると、今まで気づかなかった取引先の癖や、単価の高騰や下落から社会情勢まで手にとるようにわかり、各部署に眠っている廃棄寸前の固定資産の香りがわかる嗅覚まで鍛え上げられたのです。
経理とは、領収書や請求書のような証票を通じて、あらゆるのサインを感知し、危険なことから会社を守ったり、無駄な経費からその部署の問題点を洗い出したりする頭脳を使った業務なのです。このセンサーの感度を高める一貫として、ひたすら証票をチェックする作業があり、これが一般的な経理のイメージとして定着されているのです。
経理とは総合経営管理術
こうして集められた情報が、試算表や決算書といった帳票にまとめられ、あらゆるのステークホルダーに公表されます。
そして、こうした過去の数字をまとめることで、次の年の課題を予測することもできるのです。
よく、歴史を学ぶと未来を予測することができる、と言われます。
その年の決算が自分たちのすべてであれば、翌年も同じ課題が積まれているならば、同じことが繰り返されるので、今年想定外だったものが、翌年には想定内になって、対処することができるのです。
経理は、ものごとをきちんと整理し、一覧できるようなしくみで積み上げて、そこから自分たちの問題点を見つけ出して、強い経営を成していきます。
こうしてみると、経理はけっして地味ではなく、地道な作業を積み重ねて、大きな決断に導いていくかっこいい職種ではないでしょうか
経理はとてもかっこいいです。ミーハーである私は、そんな経理がやっぱり好きです。