コロナ禍をきっかけに、リモートワークが一般的になりました。
子どもの学校や習い事で繋がった母たちの中で、サラリーウーマンとして勤めてきた人は、家にいることの利便性を大いに感じていたようです。
30年のワーキングマザー歴で、今回の社会変化は、大きな意味を持っていることをしみじみ感じています。
ただ、今になって、大企業による振り戻しの風潮もあるようです。
ここはかつてワーキングマザーとして前線を戦ってきた私の視点から、一言物言いをしたいと思います。
コロナ前でもリモートできていました
一応、整理しておきましょう。
当時の私の状況は以下のとおりでした。
- 共働きで、夫は企業戦士(平日夜はほとんどいない)
- 子どもが熱でたら、まずは夫は対応できない状況だった
- 水ぼうそうなどの長期休みには、夫の勤続20年記念の特別休暇を利用
- サポート体制なし。産後サポートに1ヶ月家政婦さんに依頼したのみ
- 長男、次男(2歳違い)、長女(次男とは9歳違い)
- 長男時代での働き方に、柔軟性はなかった
- 1年間の育児休業制度が生まれて最初の世代
- 長男小学校入学時に、自治体運営学童保育に、延長保育が開始
- 通勤時間、90分から120分。
- 業務では、出産前とほぼ変わらない待遇、つまり負荷もそのまま。
- 携帯を個人で持つには、多大なる出費で断念。
こう振り返ってみると、よくもまあ、乗り越えてきたなぁと。
とくに、子どもたちが偉かったことに、すごく救われていました。
すでに成人して独立した、長男次男には、心から「ありがとう」と言っております。
君たちのおかげで、ワーキングマザー大戦に、私は生き残れたよと。
つまり、偶発的な奇跡がなければ、たいていのお母さんは、この闘いから身を引く決断を迫られていた時代でした。
つまり、フル勤務で、誰の助けももらわず、働き続けた人に対して、
「あなたはできて、偉いのね」という無言の圧力もあったわけです。
家でも、職場でも、地域でも、硬みの狭い思いをしていたワーキングマザー時代でした。
でも、絶対に辞めてやるかと、意地も貼っていたのもあります。
ひとりビジネスとして働いている今とくらべ、自他ともに厳しさを振りかざしてました。
当時のことを、次男に聞くと
「おかんの躾はすごかった」と言われます。
そんなワーキングマザーとして、フル勤務で働く時代は、長女の中学2年まで続きました。
そのちょっと前に、自分自身で脚を負傷し、出勤できなくなった時がありました。
自宅廊下の角に足小指をぶつけ、反転させてしまい骨にヒビが入ったのです。
そのとき、4月から5月で、3月決算を16件ほど抱えていたので、致命的な休暇となりました。
でも、その会計事務所では、職員がリモートでも勤務できるように環境を整えており、家からお客さんの決算資料を作成して、事務所に提出することができたのです。
1日にして、数時間の勤務でしたが
「鈴木さん、今日は出勤扱いでいいよ」
と便宜を図っていただき、脚の療養に専念できたのも思い出します。
決算までに、顧客とのコミュニケーションを重ねてきたこと。
決算資料、確定申告という書類を作る仕事だったこと。
この労働タイプだったからこそ、リモートワークが可能だったのでしょう。
結局、リモートワークが非効率だと言われる問題になるのは、
仕事のタイプと経営者しだいなのです。
ワーキングマザー時代にほしかったもの
小さな子どもがいると、熱は出すわ、家を出る直前で事故が起こるわ、靴履きたくないと駄々こねるわで、大人が事前に想定して対処しても溢れる問題はたくさんありました。
そんなとき、私が一番に願っていたこと。
「自分専用の携帯電話が欲しい!」
でした。
職場に遅刻するために連絡するのでさえ、非常に不便だったのです。
登園途中のトラブルで遅れるとき、駅にある公衆電話しか、方法がありませんでした。
そんなときに、よく職場で言われたのが、
「せめて前の日に連絡してください!!!!」だったのです。
確かに、現場ではそれが理想です。
でもね、遅刻しないように頑張って対策練っていても、ちゃぶ台返しのように駄々こねる子どもたちには、どうしようもないわけです。
親である私の体力もすり減っていきます。
ということで、お給料でいただいた金額が丸ごと飛ぶがごとく、上野駅から職場まで、タクシーで出勤し続けたときもありました。
(このあと、過労による肝機能障害でドクターストップに)
そんな苦労があり、NTTしか出していなかった携帯電話産業に、当時J-フォンが参入し、比較的手軽な携帯電話を発売したとき、即購入しました。
それ以来、当時の恩義があり、私はずっと、この系列で携帯を使い続けています。
今、ほとんどの人が、ひとり一台、携帯電話を持っています。
それも、iOSやAndroidといったOSが開発され、スマートフォンが広く使われるようになりました。
職場によっては、LINEでやりとりしています。こんなにシームレスにこちらの状況を伝えられるツールが充実してきたのは、実はすごいことなのです。
当時、これがあったら……、もうちょっと職場と私の間で、意思疎通がうまくできたかもしれません。
でも、当時の葛藤があったからこそ、今があります。
私が、Notionのシームレスな構造に心を惹かれるのは、ここから来ています。
リアル労働、リモート労働のバランスしか勝たん
さて、これからのワーキングマザー問題は、どうでしょうか。
一時期、産休育休明けに保育園に入園できない問題が沸き起こり、
「日本◯ね」というワードが、Twitterトレンドに上がるなどしていました。
当時のわたしは、やっと物が言えずに肩身の狭い思いをしている母たちが、発信できるようになったことに、時代が変わったと思ったものです。
でも、今は、その機運が落ち着いているように思います。
おそらく、リモートワークが一般的になり、保育園に預けなくても、なんとか働き続けられ、ママのキャリアを崩さなくてもよくなったのかもしれません。
とはいえ、すべてリモート勤務であれば、OKというのもちょっと違うように思います。
対面で、直接顔を合わせることで生まれる仕事のパッションが必要だったりするわけです。
ある意味、リモートワークは、既存の事務作業には有効ですが、
新しくビジネスを産み出すとなれば、リアルでの空気感がないと厳しいのは事実です。
また、週5日の勤務を義務付けるようになった大企業でも、
元々はワーキングマザーへのフォローアップが充実していたりしているのかもしれません。
リモートは非効率だと、短絡的に元のやり方に戻そうとする市場は、実はリモートを使いこなせていないだけだったりします。
リモート勤務で、大きな恩恵を受けたのは、
子育て中でも、仕事のキャリアを諦めないですむ、これからの日本を背負って立つ世代です。
相変わらず、子どもがいる生活の理不尽さを知らずに生きてきた人もいる中で、
子連れで戦う人とどう協同していけばいいのか、これからも試行錯誤が続くだろうと思います。
でも、安心してください。
時代は、ワーキングママ・パパ世代に味方です。
私が当時、携帯電話を欲しがっていたのが、今では、ガジェットが進化しています。
AIも台頭しました。
すでに、私は、AIのおかげで、複数の仕事をこなせるようになっています。
ワーキングマザー時代に培った根性、現代のガジェットやツールのおかげで、新しい働き方「ひとりビジネス」にチャレンジできているのです。
リモート出ないとだめ、リアル出勤じゃないとだめ。
この2者択一では、結論はでないでしょう。
リモートとリアル。
このバランスをうまく見つけられるように働くのが、これからの理想なのかもしれません。
私は、オンラインでの仕事と、対面でする仕事の両方をとっています。
やっと、屈折30年。
今の働き方に落ち着きました。
もう、50代なかばですが……。
今が一番、働いていて楽しいです。
読者の方も、自分という生身の身体をリソースにして、働いています。
組織のためにというより、自分というリソースをどのように提供できるか。
この視点で、これからの働き方をみつけられるように。
=編集後記=
【昨日のできごと】
自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。
かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。
50代からのひとり仕事を楽しむ
ひとり仕事の格言、ブログ・You Tube更新を配信。
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