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過去の思い出 今の思い これからの希望 復興する町の話

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つい2年前まで。

人が住めなかった町がありました。

そして今、復興が始まったばかりです。

やっと第一歩を踏み出した町は、人のパワーがみなぎっていました。

この富岡駅から北へ。かつて立入禁止区域でした。

目次

人に打ち明けられない気持ちを思い出してしまった、今回の旅

東日本大震災から13年経ちました。

その震災の影響で、今から2年前まで、人が住めなかった町があります。

常磐線の双葉駅、大野駅、夜の森駅の3駅です。

夜の森、大野、双葉駅は、電車すら通らない期間が9年間続きました。

2020年、震災から9年間目でやっと常磐線全線開通し、その2年後にやっと、帰宅困難地域が解除され、

日常生活を送れるようになるまで、長きの復興が続いておりました。

 

常磐線は、災害があった当時、しばらく全線不通でした。

計画停電のためです。

その後、路線の被害や、人が住めなくなってしまった地域があったため、線路は途中で分断され、9年の時間を要してしまいました。

当時の記憶は最近薄れており、すっかり立ち直れていたと思っていたのですが、

今回の旅で、無念な気持ちを思い出してしまいました。

これほど感情が揺れるとは。自分でもびっくりです。

 

震災以前、南相馬までドライブしたことがあります。

古き良き町が、常磐線沿線にずっと連なっておりました。

そして、夜の森駅前に、ひっそりと佇む喫茶店に立ち寄り、道中の疲れを癒やしていたら、

店内に飾られた駅前の桜並木の写真に目が止まります。

満開の桜が連なる桜並木の写真でした。

あまりにも見事だったので、「今度は桜に時期に来よう」と、心に決めたのを記憶しております。

店を出て、車で移動しつつ眼前に広がる桜が咲いていない巨木が立ち並ぶ景色を見ては、脳内で桜の景色を想像したものです。

でも、その後、その桜を見ることができませんでした。

電車さえ、走れない状態になってしまったからです。

駅名もロマンチック、駅前の桜並木も有名。そんな町がなくなってしまったショックを、

今回の旅で再び沸き起こった次第です。

この気持ちの揺れは、おそらく、これだけではないようです。

今になっても、それはなんだったのか、わからないのが辛く、少し涙ぐむ自分にどうしたらいいのか戸惑うばかりでした。

大熊町インキュベーションセンターの活気で上書きされたもの

今回、私はご縁により、大熊町インキュベーションセンター主催のセミナーを担当させていただきました。

私が受けてよかったのだろうか、もっと適した方がいらっしゃったのではないか、といった気持ち。

あのときの自分に誓った、夜の森駅の近くまで行けるという喜び。

少しでも、自分ができることで役にたてるなら、という期待。

複雑な思いを抱えて降り立ったその場所は、どこよりも活気のある若者がたくさんいて、心が暖かくなりました。

 

この大熊町インキュベーションセンターは、元大野小学校だった校舎をそのまま活用しつつ、立ち直る町を支えるべく、若者が事業を始めるための場所として再スタートした施設です。

建物の外観は、まさに小学校。

おそらく昇降口だった大きな入口は、全面ガラス張りに壁と扉になり、外から中の活気が伝わるオープンな内装に様変わりしています。

でも、校舎内を歩くと、自分の小学生時代の記憶も湧いてきて、懐かしさと新しさが入り混じった不思議な感触が湧いてきました。

 

この日は、直前のダイヤの乱れなどで、乗る予定だった特急にのれず、日が暮れてからの到着となったため、外の元校庭や、教室を活用した会議室をじっくり見学することができませんでした。

しかし、セミナー後、参加した方も交えた食事会は、想像以上に活気のあるパーティとなりました。

建物の外に、宴会ができる飲食店もなく、コンビニエンスストアもありません。

オープンキッチンで若き生産者や、これから飲食店を始めようとする若者などが腕をふるい、みなで協力して調理し、和気あいあいと楽しむ姿に、自分も仲間になれたら、どんなにワクワクしただろうかと思えるほどでした。

何もかもそろっている、安定した街だと、こんな空気感は生まれないでしょう。

この新しく始めようとするエネルギーに触れて、ちょっと前までセンチメンタルだった気持ちが、これから新しく始めればいいじゃん!と、切り替えるきっかけをくれました。

前に進もうとする人たちのエネルギーは、本当に力強いです。

そして、彼らを支えるスタッフのプロとしての仕事ぶりも、感銘受けました。

事業を支える仕事は、あとに続く人材育成が一番大事なんだと、この目で見ることができたのは、本当に貴重な体験です。

食事会会場の一角にある書籍棚。起業に向けた本、気分を変えて読める本や漫画、セレクトがいいバランスです。

町が生き返す瞬間に立ち会えた意味

帰りの電車の車窓から、現場に向かう多くの作業員の方の集団が見えました。

帰りは、富岡駅から乗ったのですが、ホームから見える景色は、震災当時の被害を彷彿させるものでした。

富岡駅上りホームからの景色。ホームから海岸線まで野原です。

実際この目で、帰宅困難地域だった場所を見ると、

「まずは、資材を投入してインフラを立ち上げるんだ」と、行政の力強さを肌身で感じます。

高速道路も開通し、常磐線も復興人材を乗せるべく、2020年から帰宅困難地域に電車をとおしていました。

名もなき人々の働きがあったからこそ、今に続くことができています。

そして、やっと生活ができる環境になり、これから住む人の手によって、未来をつなげ始めたばかりです。

失うものが多すぎた分、取り返そうとするパワーは、これからの希望になる予感がします。

今後、私たちを牽引する存在になるのではないかと思わせてくれました。

 

ニュースや人の伝聞だけで、ピンと来なかった常磐の実態でしたが、

この目で見たことで、当時から抱え続けてきた思いを乗り越えることができました。

誰しも、人生それなりに生きていれば、何かしら抱えているものです。

どうしても立ち直れないと思っても、人は必ず立ち直れることを目の当たりにしたのは、私にとって大きな意味があったのです。

 

来年の春、早速予定を入れました。

夜の森桜まつりです。

単なる観光ではなく、知り合えた方々にまた会えるのが楽しみです。

=編集後記=

【昨日のできごと】

自宅で、オンライン業務をしながら、その合間はオフ。
じっくりと休みました。

かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。

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この記事を書いた人

個人事業主・中小企業教務効率コンサルタント。Notionアンバサダー。「一緒に未来を見る伴走者」として小さな会社や個人事業主の方をフォロー|職種を超えて参加できるバックオフィス構築|オールインワンアプリ「Notion」を使った経理ノウハウなどのオンラインセミナーを開催|ほぼ毎日更新ブログ「経理戦略会議」管理人。メルマガ50代からのひとり仕事を毎日配信。

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