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ひとりで事業されている方へ 経理スラングからみる好ましい経理についてお話します。

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経理スラングとは、経理現場で、経理職員が口にするボヤキのことをいいます。

これを知ることで、好ましくない経理をしないよう気をつけることができます。

経理部門の部屋の中での会話、覗いてみましょう。

目次

経理職員のストレスは、どのように発散している?

経理には、色んな種類があります。

会社の中にある、内製化された経理部門。

各会社から請け負う経理代行。

ひとり社長など、ひとりで事業をしている方がやる自分のための経理。

経理代行の場合、やりとりのフォーマットがある程度決められており、代行会社のやり方に合わせるようになります。

また、ひとりで事業している場合、自分で経理をします。

この2つは、予測可能な環境で経理をするので、スラングが発生することは、まずありません。

(代行会社によって、違うかもしれませんが)

ところが、会社の中にある経理は、現場と経営者の間に立って、互いの情報を拾いながら仕事をします。

じつは、この経理こそ一番ストレスが生じやすいのです。

経理部門がコントロールしているようで、実は、現場や経営者の事情でふりまわされているためです。

実は、会計事務所での記帳代行でもおなじようなことが起こります。

相手によって、帳簿の付け方が全く違います。

会社のくせに合わせて、処理していくので、ある意味相手に合わせて行う仕事になるのです。

人は、他人に合わせ続けていると、ストレスが生じます。

でも、相手に合わせ続けなければならないので、仕事の中で解消する術を持つようになります。

それが、経理スラングです。

この言葉で、部内でコミュニケーションをとると、みな共感し合います。

これが、経理に残された唯一の癒やしになるのです。

経理スラングになる現象の傾向

今回紹介するのは、私が知っている、あるいは私自身が使ってきた言葉です。

もしかしたら、他の方からみたら、「それは使わない!」と思うはずです。

そういう意味で、独断と偏見なリストアップになっています。

乱れ打ち

1年分の資料を一気に一日で入力し終える技法のことをいいます。

今は、スキャナ保存が当たり前になっており、すでに仕訳登録されているデータを頂くことが増えましたが、以前は会計事務所の記帳代行では職員が預かった資料を元に、会計ソフトに入力するか、会社本体で入力するかのどちらかでした。

乱れ打ちという言葉どおり、キーボードとテンキーを打ち続ける音が、まるで太鼓の達人のように聞こえます。

「連打」「コンボ!」と掛け声をかけたくなる、リズミカルな打鍵音が部屋に鳴り響きます。

いい加減に打っていません。

同じリズムで打てるように、入力する順番は前もって筋をつけていきます。

乱れ打ちとは、効率よく一番早く、ミスをしない入力方法を知らないとできない技法なのです。

キレイ、汚い

帳簿の紙にラメが光っているわけではないです。

帳簿がきれいな状態とは、簿記の記法が順序立てて流れているのが見えるものをいいます。

  • 処理する時期に、きちんと処理されている。
  • イレギュラーな取引がない。

汚い帳簿とは、無駄なお金の出入りがあったり、精算がされず、残高が残り続けていたり、経理業務の不摂生が手に取るように見えることをいいます。

仕訳を入れたあと、試算表をみて、このキレイか汚いか、判断がつけられるようになったら、ベテランの域に達したと思っていいでしょう。

臭う

物理的に、レシートからなにか臭うということではありません。

でも、とある会計資料を手にしたとき、人の悪意を感じるときがあります。

これが「なんか、臭う」です。

実は、キレイすぎる資料も、臭うことがあります。

端数がきれいすぎる、内容が少なすぎる、等々、作為的に操作された資料から、なぜか違和感を感じるのです。

これは、経理担当者が現場のことを知っているとよく鼻が効くことがあります。

実際に、こんな資料ができるはずないとわかっているので、気づくのです。

これは、税務署の調査官の嗅覚にも備わっているものです。

この臭う資料から、不正のほころびが浮かび上がってくるので、経理担当者に備えておきたいものです。

このスラングを正しく表現するとしたら、異常値が出ている、です。

実は、さきほどの乱れ打ち。

何件かこなしてくると、この嗅覚が鍛えられてきます。

取引の様子を、指の動きで理解しています。すると、怪しい資料を手にした瞬間、脳内からアラートが発生するのです。

そんじょそこらのAIには負けない、精度をもっている経理担当者。

ぜひ、部内にいらっしゃるならいい人材なので、大切にしていただきたいです。

キレイで、無臭で乱れさせない経理を目指す

まるで、どこぞの洗濯洗剤のようなキャッチコピーですね。

もし、きちんとした経理をしたいのなら、この経理スラングを避けるようにすればいいのです。

キレイな帳簿、試算表。

つまり、精算し忘れ、使途不明金、現金残高のマイナス(つまり実は未払や社長からの借入がしれっと発生している状態)などは、避けましょう。

帳簿を汚さない取引をすることが、良い経営の基本でもあります。

無臭な会計資料をまとめていきましょう。

もちろん、デジタル保存も同様です。

ちょっとズルして、取引先と結託して……。

そんな不正、すぐバレます。やめておきましょう。

不正をしないといい数字を取れないのなら、営業の基本、ビジネスの基本を叩き直しましょう。

そして、乱れ打ちをさせないこと。

つまり、領収書など仕訳登録を溜めないことです。

乱れ打ちができるのは、入力の手順を設計できる経験者でしかできません。

経理になれていないひとりビジネスなどの経営者は、溜まった領収書と格闘する時間がないはずです。

経理こそ、こまめに片付けるのが基本です。

ゴミ出しと一緒です。

ぜひ、これを心に留めて、確定申告に向けて頑張りましょう。

私も頑張ります。

=編集後記=

【昨日のできごと】

1日自宅でオンライン業務でした。
個別コンサルと委託業務です。

かずこのお気に入り
日常の中で見つけたお気に入りを、NotionページにUPしています。
今、 町中華のかた焼きそばにハマっています。

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この記事を書いた人

個人事業主・中小企業教務効率コンサルタント。Notionアンバサダー。「一緒に未来を見る伴走者」として小さな会社や個人事業主の方をフォロー|職種を超えて参加できるバックオフィス構築|オールインワンアプリ「Notion」を使った経理ノウハウなどのオンラインセミナーを開催|ほぼ毎日更新ブログ「経理戦略会議」管理人。メルマガ50代からのひとり仕事を毎日配信。

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