※凪の海のように穏やかであっても、波はあります。
緊急事態宣言が明けて、街が活気づいてきました。
しかし、油断できないと思っている経営者の方は、多いと思います。
では、どのようにしたらいいのでしょうか。
いたずらに不安になるだけではなく、ポイントを絞って、ルーティン化すれば、余計な恐れを持つことなくなり、平常心を保つことができます。
そのツールとして、経理業務は最適です。
これから来る大きな波に対処する術
資金繰りの安定化(融資)や、市場開拓(マーケティング)を積極的に進めるという実務に長けておくのは、誰にでもわかるところです。
大企業であれば、専門家を雇うことができますが、中小企業の場合、社長が判断しなければなりません。
では、社長は、専門家並みの知識を得なければならないのでしょうか。
そんなことはありません。
融資などの知識を持った税理士や、マーケティングの知識をもった中小企業診断士など、気軽に頼れる専門家とつながっていればいいのです。
そして、中小企業のために得意分野に特化した専門家から、新しく正しい知識を得て、対策できるので、心配することはないのです。
ただ、古い情報のままの専門家もいるので、そこは、嗅覚をもつ必要がありますが。
感度の高い経理
いくら、正しい知識を持った専門家がいたとしても、会社の現状が正しく把握できなければ、専門家はどうアドバイスしたらいいのか、わかりません。
社長の仕事は、専門知識をもつことではなく、感度の高い経理フローを構築することです。
それにより、専門家達は、社長によりダイレクトな手立てを伝えることができるのです。
この感度の高い経理とは、早期月次決算です。早く数字が上がれば上がるほど、数字をみて分析する時間を稼ぐことができます。これが、私の考える「感度の高い経理」です。
そして、そのための経理フローの効率化に着手しているか、ペーパーレス化のためデジタル対応しているか、に焦点をあてれば、早期月次決算は可能になります。
判断するためには、正しく情報を収集する必要があります。そのための、感度のいい経理を構築するのです。
数字を立体として見る
早く上がってきた月次決算を、時間かけて分析し、決断を誰よりも早く下さないと意味がありません。
損益計算書だけみて一喜一憂するのではなく、貸借対照表やキャッシュフローをチェックし、異常値を見つけることが大切です。
ここで初めて、税理士などの専門家と一緒に分析することができます。そして、より正しい判断するための情報を提案してもらうのです。
複数の帳票を見て、自分の肌感覚と照らし合わせること。
複数の専門家がリアルタイムで分析すること。
これが、立体的に見る、ということです。
そして、最終的には、社長1人で決めることになります。
社長業は孤独です。
しかし、それを支える士業などの専門家や、経理業務フローがしっかりしていれば、社会情勢に飲み込まれる前に、手を打つことができるようになります。
大切なことなので、もう一度書きます。
正しい専門家と、感度のいい経理。
これが、社長の本当の相棒です。これからの波を迎え撃つ準備として、一度経営スタイルを整えてみてはいかがでしょうか。