※コピー用紙 なかなか減らないため、何年前の紙なのか不明
紙に神が宿る「紙神信仰」
子供の学校とのやり取りでの話です。
学校からの手紙をデーターでいただく必要があり、メールに添付をお願いしたところ、手紙の写メが届きました。
私達は、文書のデータを、PDFファイルで送ることが一般的だったため、今どき紙データを写メでもらうことに少しびっくりしました。
先生に聞いてみたところ、学校で配布する手紙すべて把握しているわけではなく、近くにいた先生から手紙を借りて写真をとっているとのことでした。
昨今の学校は、今までのやり方から変わることが要求されています。ICTの推進です。
学校が閉鎖した場合、また、生徒が感染の疑いがでて登校できなくなったとき、授業の担保が必要になってきたためです。そのツールとして、ICTの導入が早急に求められているのです。授業の動画、プリントはGoogleドライブ、先生とのやりとりもGoogle Chatでやるようになってきているのです。
有名なところでは、熊本市教育委員会の取り組みでしょうか。
緊急事態宣言されてから、たった2週間でオンライン授業を実現させています。
「学校だから紙文化、対面文化」が通用しない時代になってきているのです。
このあたりの取組は、自治体によって変わってきます。
子供が通っている学校では、印刷物をPDFで一括管理していません。手紙を配りきったら、スペアがなくなれば、配った証拠もなくなっているのです。
しかし、同じ市内でも、きちんとデータ管理している学校もあるわけです。
逆に、外部に漏らさないようにと言われ、対面で回収された手紙もあったのですが、私が写メならいいかと聞いたら、OKでました。
あれ?
外に漏らしてほしくないなら、写メもいけないのでは?
しかし、学校の先生は、その紙が外に出ることだけ気にしており、まるでその紙に神様が宿っていると信じているのではと疑いたくなるほど、私は、カルチャーショックを受けたのです。
ペーパーレス化したのに紙に戻るわけ
逆に、せっかくペーパーレス化したのに、ペーパー化した例もあります。
子供の習い事で発表会が行われることになり、実行委員会に相当する幹部ママたちで、Notionを利用した情報共有を行っていました。
そこで、先生に確認するものにタグをつけ、一覧にするところまで設定したのですが、肝心の先生がNotionを使えず、結局データを一つ一つ紙に印刷して先生に渡すというはめになったのです。
Notionは、データーを紙に印刷する想定で作られていないため、印刷にものすごく手間取りました。
感染対策もあり、対面での話し合いも難しく、このNotionの仕組みはとても便利だったのですが、一人紙派がいることで、完全なペーパーレス化はなし得ないのだと痛感したのです。
共同で積み上げる発想を
ペーパーレス化とは、情報のデータ化の積み重ねだと思っています。
1つのミッションを、チームで積み上げることで一つの情報となり、みんなで活用していくのです。
しかし、そのチームに一人でも「紙でないと見た気がしない」と言ったら、データーの積み上げは、ストップしていまいます。全員が利用できなければ、データ化する意味がなくなるのです。
また、学校現場においても、たとえタブレットが全員に支給されたとしても、一家庭でも、情報は紙でほしいといってきたら、大きな手間になって、ペーパーレス化の徹底が不可能になっていきます。
ペーパーレス化とは、ただ、紙をなくすということではなく、紙神信仰をやめることではないかと、最近強く思っています。